「顎から音が鳴る…」「お口を開けると痛い」などの症状で悩まされている方は顎関節症かもしれません。そして歯並びが悪いことで噛み合わせがズレるため、顎に負担がかかっていることが原因のことがあります。悪い歯並びのひとつである「受け口」により顎関節症を引き起こしている方もいらっしゃるため、受け口や顎関節症の特長や原因、治療方法を覚えておきましょう。
目次
受け口とは?
まずは受け口の特長や原因をみてみましょう。
受け口の特長
受け口とは、下の歯が上の歯よりも唇側に出ている状態で、上下の噛み合わせが反対になっている歯並びのことをいいます。そのため、受け口は「反対咬合」と呼ばれることもあり、専門的には「下顎前突(かがくぜんとつ)」と呼ばれています。受け口といってもタイプは大きく2つにわかれており「歯性」のタイプと「骨格性」のタイプが挙げられます。「歯性」の受け口とは、歯の生え方や歯の向きなど歯並びが原因で受け口になったタイプです。下の歯が唇側に傾斜していたり、上の歯が内側に向かって生えていたりするなど上下の歯並びが原因です。「骨格性」の受け口とは、上下の骨格のバランスが崩れることで引き起ります。上の顎が小さくて下顎が大きい場合もしくはどちらか一方の顎の成長が健全でない場合も受け口になることがあります。上下の骨格にズレがあると噛み合わせが悪くなるため、歯並びにも悪影響を及ぼします。このように受け口といってもタイプが異なりますので、しっかりご自分の歯並びや顎の状態を把握しておくことも大切です。
受け口になる原因
受け口になる原因は、大きく「先天性」と「後天性」の2つが挙げられます。
【先天性の場合】
受け口は遺伝により生じることがあります。そのため両親どちらかが受け口であれば、お子様も受け口になるリスクが高まると覚えておきましょう。ただし、悪い歯並びが遺伝するのは2割程度といわれていますので、必ずしも遺伝するわけではありません。遺伝による受け口は、先ほど2つにわけた「骨格性」「歯性」のタイプで決まることが多いです。
1. 骨格性受け口:上下の骨格の問題が原因で、両親はもちろん親族の中で健全に顎が成長していない方がいらした場合にお子様も受け口になることがあります。
・上の顎が小さい
・下の顎が大きい
上記の状態は骨格的な問題があり、遺伝する可能性があります。
2. 歯性受け口:歯並びに問題があるケースを歯性受け口と呼びます。
・一部の歯が生まれつき小さい(矮小歯)
・一部の歯が存在しない(先天欠如歯)
・下の歯が唇側に倒れている
・上の歯が内側に傾いている
などが挙げられます。
単に上下の歯並びの乱れだけではなく、矮小歯や先天欠如歯があると上下の歯並びや噛み合わせのバランスが崩れるため受け口になることがあるのです。このような状態は歯科医院でレントゲンを撮影することで確認できます。お子様の歯がなかなか生えてこない…など少しでも気になることがありましたら、早めに歯科医院を受診しましょう。
【後天性の場合】
後天性の受け口とは、幼いころからの癖や生活習慣の乱れにより歯並びが悪くなることが原因です。具体的には以下のような癖が挙げられます。
低位舌:舌先は本来、上の歯の少し後ろにある「スポットポジション」と呼ばれる膨らみのある部分に位置します。しかし舌の筋肉が衰えていると舌をスポットポジションに安定させることが難しくなり、下顎の前歯に触れる状態となり歯を押してしまうことがあるのです。これにより下の歯が唇側に傾斜して結果的に受け口になる方がいらっしゃいます。
舌突出癖:食事や会話中に舌が前方に出る癖があり、下顎の前歯に力がかかり続けることで受け口を引き起こします。
唇を噛む癖:下の歯で上唇を噛む癖があると、上の歯は内側に押し込まれ、下の歯は外側に傾くことがあり受け口を引き起こしてしまいます。
口呼吸:通常は鼻呼吸をするのが適切なのですが、鼻炎や蓄膿症など鼻の病気で口呼吸になっている方は受け口になりやすい傾向があります。鼻に病気がなくても、口をしっかり閉じる力が弱く口呼吸になっているお子様も少なくありません。口が開いた状態が続くと舌が下方に下がるため下の歯を舌で外側に押し出してしまうリスクが高まります。
受け口が原因で顎関節症になるの?
受け口により顎関節症を引き起こすリスクは高まります。どのような状態で顎関節症が引き起こされるのか詳しくみてみましょう。
悪い噛み合わせ
受け口の方は上下の噛み合わせが乱れていることが多く、普段から上下の一部の歯に負担がかかり続けています。さらに放置しておくと歯だけではなく歯を支えている顎の骨にも負担がかかり、顎関節症を引き起こしてしまうことがあるのです。グッと噛みしめたときに一部の歯に負担がかかるとそれを支える顎の骨や顎の周辺の筋肉に疲労が蓄積します。そしてある日突然「お口が開かない」などの顎関節症の症状が現れることがあるのです。普段から歯を噛みしめる癖や歯ぎしりをする癖がある方は、もしかすると悪い噛み合わせが原因かもしれませんよ。
受け口の顎のズレ
受け口になると上下の顎にずれが生じることがあります。ぱっと見て歯並びがきれいであっても骨格性の受け口の方は常に左右の顎に負担がかかり続けるのです。
受け口だけに関わらず、左右の顎のバランスが悪い、上下の顎をずらして噛む癖がある方も顎がズレて負担がかかるため顎関節症を引き起こしやすいのです。
顎関節症とは?
次に、顎関節症の特長や原因を詳しくみてみましょう。
顎関節症の特長
顎関節症とは、顎の関節とその周辺の筋肉(咀嚼筋)の病気です。
顎関節症になると以下の症状が現れます。
・お口を大きく開けられない
・顎が痛い
・お口を開けると音が鳴る
お口を開けたときに指が縦に3本入れられない方は、顎関節症になっている可能性が高いです。この状態を放置しておくと顎に負担がかかり続けるため、ある日突然「お口が開け
られない」「顎が外れた」などと生活に支障がでることがあります。また、お口を開けるときに顎が痛む方や顎からジャリジャリなどの音が鳴る方は顎関節症を引き起こしているため早めに歯科医院を受診しましょう。
顎関節症になる原因
ここまで受け口が原因で顎関節症が引き起るリスクを説明してきましたが、顎関節症になる原因ははっきりとはわかっていないのが現状です。噛み合わせが直接の原因ではありませんが、顎の関節の位置は噛み合わせによって変化するため、診断や治療には、噛み合わせがとても重要とされています。
顎関節症の予防と治療
矯正治療
当院では、歯並びに問題がある受け口の患者様には歯列矯正を行っています。表側矯正治療はもちろん目立ちにくい矯正である「裏側矯正」や「マウスピース型矯正」もご用意し
ていますので、お気軽にご相談ください。一方、骨格に問題がある受け口の患者様には外科手術をご提案させていただきます。当院ではサージカルファーストと呼ばれる外科手術をご提案しており、下の顎の骨を削って噛み合わせを安定させてから歯列矯正に移行して治療を進めています。
マウスピース(スプリント)
すでに顎関節症でお悩みの方はマウスピース状の治療器具である「スプリント」で歯ぎしりや食いしばりによる歯や顎への負担を軽減する治療があります。就寝前に装着することでスプリントがクッションの役割をして、適切な噛み合わせに維持してくれるため顎の疲労感を緩和できます。
サージカルファーストをした患者様は、一時的にスプリントを使用していただき上下の噛み合わせの安定を図ります。
歯列矯正に興味がある方、気になっている方もぜひ一度梅田キュア矯正歯科の無料カウンセリングにお越しください。梅田キュア矯正歯科では、患者さまの悩みに寄り添いながら、お一人お一人に合った治療方法を提案させていただきます。無料カウンセリングはWEBまたはお電話にてご予約お承りしております(*´ω`*)心よりご来院お待ちしております!!