歯列矯正について検索すると失敗や後悔などマイナスなワードを見かけることがあるます。あらゆる情報をすぐに得ることができるようになった今、便利であることは確かですがどの情報を信じて良いのかわからなくなることも多いと思います。今回は歯列矯正に対してマイナスの印象になっている、顔が変わってしまうのか?について話していきたいと思います。歯列矯正を迷っている方の不安を少しでも取り除いて治療に前向きになっていただけたら嬉しいです。
目次
①歯列矯正はどんな治療?
最初に、歯列矯正はどのように治療していくのかご存じでしょうか?歯列矯正を希望される多くの患者さんは歯並びを気にして来院される方が多くいらっしゃいます。そのほか、定期的に受診していた歯科医院や学校の検診で指摘されて相談にくる方もいます。歯並びが悪いと顔のイメージも変わるし、歯並びは綺麗な方がいいと思い治療を考えるのは当然かと思います。ただ、歯列矯正は見た目の他に上下の噛み合わせを正しくすることも大きな目的としています。永久歯に生え変わった後一生涯その噛み合わせを使って食事をするため、悪い噛み合わせのままでは体に不調が出ることが考えられます。悪い噛み合わせのままでは偏った噛み方をすることになるため、体や顔貌に歪みが出てきます。体に歪みが出れば姿勢や偏頭痛、顎の痛みなどにもつながります。
また、幼少期にもでる症状として口臭や虫歯、発音が悪いといった比較的親が気づきやすい症状として現れます。これらを将来的に防ぐため学校の検診で発見し、早い段階で治療を勧めるという訳です。では、歯列矯正とはいったい何をするのかというと、健康な永久歯に力を加えて理想的な位置まで移動させることになります。歯は歯槽骨という硬い骨によって支えられています。幼少期はまだ骨も歯も未熟であり動かしやすいためスムーズに治療が進みやすいとされています。また、人間の体はとても上手くできていて動かしたい方向に力をかけた場合、移動側の歯槽骨が溶け始めて移動できるのですがその反対側の元々歯があった位置には新しく歯槽骨が形成されるようになっています。
②矯正で変わる5つの変化
⬜︎輪郭が変わる
輪郭の美しさを評価するものとしてEラインとフェイスラインがあります。Eラインとは顔を横からみた際、鼻先と顎を結んだ線の内側に唇があるかどうかで判断します。仮にEラインよりも唇が前に出ている場合、出っ歯や受け口、開口といった症状があると想定できます。次にフェイスラインとは耳下から顎の先までを結んだ輪郭のことをいいます。エラが張っていればフェイスラインは外に張り出し、均等でなければ左右の輪郭が違ってきます。ではどうして歯列矯正によって輪郭が変わるのか。先ほども触れたように、出っ歯や受け口など歯や顎が理想的な位置より前に突出している人が治療によって引っ込めることで口周りが整うようになります。歯列矯正を行う際はEラインを意識して治療を進めていくため、口周りがスッキリして輪郭も変化します。また、正しい噛み合わせになったことでバランスよく顔まわりの筋肉が使われ、左右均等に輪郭が整っていくとされています。
⬜︎ほうれい線が目立つ・消える
ほうれい線は歯並びによって存在するものではなく、肌にある頬と唇の境界線で誰にでも存在するものになります。年齢と共に目立つようになるのは、筋肉の衰えや肌の弾力が下がることが原因です。ただ、歯列矯正によって目立つようになったり薄くなったと話す方がいます。原因として考えられるのは輪郭の変化と同じように出っ歯や受け口の人が突出を改善した際、唇が横からみた時に引っ込んだことで高低差がなくなりほうれい線が目立たなくなったと考えられます。さらに、歯列を整えたことでバランスの良い噛み方ができるようになり表情筋が鍛えられてほうれい線が薄くなったと言えます。反対にほうれい線が目立つようになったというご意見ですが、歯列矯正によって濃くなることはあまりみられないケースです。もし考えられるのであれば、重度の出っ歯を治療で改善した後に引っ張られていた皮膚が余って濃く見えてしまった、あるいはスペースを確保するために抜歯を行い歯を引っ込めすぎたことなどが挙げられます。口元にコンプレックスのあるかたは口元を隠したりできるだけ動かさないように話すことが多いです。いずれも、ほうれい線は表情筋を鍛えることで改善できます。常に口角を上げたり、会話や食事を心から楽しむことも予防となります。
⬜︎エラはりが目立たなくなる
エラが張っている原因には筋肉と骨格のふたつがあります。筋肉によってエラが張っている理由は、食いしばりなど必要以上に強い力を使った時に咬筋という筋肉が発達することによります。この咬筋は食事や会話する時にも使う筋肉で強い力を持っていますが、スポーツ選手や力仕事をしている方は力を入れすぎてエラが張っている場合が多くみられます。もうひとつの原因である骨格によるものは、遺伝的に下顎角という部分が発達していてエラが張ったようにみえます。歯列矯正によって目立たなくなるのは筋肉によるエラ張りの場合で、歯並びや悪い噛み合わせによって顔まわりの筋肉がアンバランスになっていたものを、歯列矯正により改善したことで筋肉のつき方や歪みが正常になったというわけです。
⬜︎顔が長くなった
歯列矯正によって顔が長くなったと感じる原因として人中が関係しています。人中とは鼻の下にあるくぼみのことをいいます。受け口であったり前歯の叢生を治すために上の前歯を前に出すと人中が治療前よりも伸びることになります。人中は長い方が面長に感じ老け顔に見えてしまうとされています。歯列矯正で顔が長くなったと感じるのは人中の伸び縮みが関係しているのです。しかし、反対に考えれば出っ歯や叢生を改善して突出を抑えることで人中が縮んで長い顔の印象が改善されることになります。ここまでを聞くと、前歯を出すと老けてしまうのであれば治療はしたくないと思うかもしれません。しかし、人中は縮み過ぎていても伸び過ぎていても老け顔に見えてしまいます。要するに顔全体のバランスが整っていることが印象を作り上げます。人中の伸び縮みを左右しているのは歯並びです。どちらであっても正しい歯並びや噛み合わせでなければ口周りの筋肉は正しく使われず、たるみやほうれい線につながります。
⬜︎頬がこける
歯列矯正中や治療が終わった後に頬がこけたという原因はいくつかあります。まずは抜歯です。現代人は顎が小さい人が増えてきて全部の歯が入り切るスペースが足りません。そのため、場所を確保するために健康な歯を抜歯しなくてはならないこともあります。多くは小臼歯である4〜5番目の歯を抜くことが多いですが、そのために頬がこけたと感じる方がいるようです。そのほかに、噛み合わせが悪い状態で食事をしていると顎に必要以上の力が入ります。それが毎日繰り返されることによって筋肉が鍛えられてエラが張ってきます。歯列矯正によって正しいバランスで噛めるようになれば余分な力が入らず、エラ張りが解消されて顔がシャープになってこけたように見えるというわけです。また、矯正中は柔らかいものばかりを食べてしまうため表情筋が使われなくなって筋力が落ちることでこけて見えてしまうとも言われています。
まとめ
以上が歯列矯正によって変わる5つの変化になります。読んでいただいてわかるようにどの変化も噛み合わせや表情筋が関係しています。歯列矯正によって変化が起こることは確かですが、いずれも正しい噛み合わせにしたことから起こる変化であり失敗ではありません。正しく噛むことで美しい口元や体全体の健康を維持できることは間違いありません。矯正を始めるとどういったメリット、デメリットがあるかは患者様それぞれ異なり、メリットデメリットの基準も人それぞれ違います。一度、無料カウンセリングでご相談してみてはいかがでしょうか。