「マウスピース型矯正で使う装置に歯石がつくことはあるの?」と気になっていませんか?結論からお伝えすると、管理の仕方によっては歯石が付着します。さまざまなトラブルにつながる可能性がありますので、歯石がつかないための工夫を心がけましょう。こちらのページでは、装置に歯石がつく原因やリスク、対処法について分かりやすくまとめました。マウスピース型矯正をしている方はもちろん治療をご検討中の方にも役立つ情報ばかりですのでぜひご参考ください。
目次
管理方法を誤るとマウスピースに歯石がつく可能性がある
歯石は「歯の表面につくもの」というイメージが強いですが、マウスピース型矯正の装置にもつくことはあります。管理方法に問題がある可能性が高いため、歯石がつく原因を知って予防・改善を心がけましょう。
マウスピースを洗わずに使用している
マウスピースは外したタイミングで毎回洗う必要があります。唾液には殺菌が含まれており、洗わないで使用すると殺菌の増殖や歯石の付着、着色、臭いにつながるため注意しなくてはいけません。外食時などしっかりお手入れできない場合でも水洗いは必須です。
マウスピースを装着したまま食事をしている
歯石は歯垢が3日放置されることで作られますが、歯垢ができる原因は食べかすに付着する殺菌です。マウスピースを装着したまま食事をすると装置の表面に傷がつき、その溝に食べかすが入り込んで殺菌が増殖しやすくなります。装置の変形や破損を防ぐ目的もありますので、食事のときは装置を必ず外すようにしてください。
装着する前にお口のなかをきれいにしない
マウスピースを装着している間は、唾液のもつ「殺菌作用」や「再石灰化作用」といった予防に欠かせない効果が得られにくいため、通常よりもお口のなかの環境が悪くなりがちです。歯の表面に食べかすがついた状態でマウスピースを装着するのは、歯石の付着だけでなく虫歯や歯周病のリスク増加にもつながるためやらないようにしましょう。
マウスピースについた歯石を放置するリスク
歯石は着色とは違って原因が「細菌」であるため、放置すると健康面に悪影響を及ぼします。装置に付着した歯石も同じですので、気づいたら早めに歯科医院へご連絡ください。歯石を放置することで起こり得るトラブルは以下のとおりです。
虫歯や歯周病のリスクが高くなる
歯垢や歯石は細菌の住処であり、それらが付着したマウスピースを使い続けるとお口全体の環境が悪くなります。矯正治療中に虫歯や歯周病が発生した場合、治療を中断する必要があるため、その分治療期間が延長する可能性が高めです。治療をスムーズにすすめることは経済的・体力的な負担を最小限にする目的もありますので、歯石がつかないための管理を心がけましょう。
口臭が強くなる
歯石が原因で虫歯や歯周病が発生すると、口臭も強くなる傾向にあります。とくに歯周病は口臭が強くなりやすく、出血がおこるとマウスピースを装着したときの審美性が悪くなったり、装置の変色につながったりする恐れがあるため注意が必要です。また、口臭は対人関係の問題になりやすい要素であり、仕事に支障をきたすケースも珍しくありません。好印象を維持するためにも歯石を放置することはやめましょう。
装置がうまくはまらなくなる
マウスピースの内側に歯石が付着している場合、歯の形に装置がフィットせずに歯が間違った方向に動く可能性があります。マウスピース型矯正は複数回分の装置を患者様にお渡ししているため、1つの装置が原因で歯が間違った方向に動くと残りの装置も使用不可となり、作り直しが必要です。追加費用が発生するだけでなく手元に届くまでに1か月程度かかりますので、患者様の負担が増えてしまいます。
汚れがつきやすくなる
歯石の表面はザラザラしており、つるつるした天然歯よりも汚れがつきやすい傾向にあります。歯石が分厚くなると虫歯や歯周病、口臭のリスクなどがさらに高まるだけでなく、除去にかかる時間も長引く傾向にあるため注意が必要です。審美性を重視してマウスピース型矯正を選んでも、管理を怠るとワイヤー矯正よりも審美性が悪くなる可能性があることを覚えておきましょう。
マウスピースの正しい管理方法は?
マウスピースに歯石がつかないようにするには、正しく管理することが大切です。矯正治療中の方は普段のやり方に問題がないかをこの機会にチェックしてみましょう。
流水下で装置についた汚れをしっかり落とす
マウスピースは熱に弱く、触れると変形や破損につながるため、洗うときはかならず「水」を使わなくてはいけません。水を溜めた状態で洗うと、浮いている汚れが再び装置につく可能性があり不衛生です。汚れた水が装置に触れないように流水下で洗うようにしてください。
柔らかいブラシを使って優しく洗う
硬めの歯ブラシや研磨剤を使用すると、装置の表面に細かい傷がつき、その溝に食べかすや汚れがたまりやすくなります。細菌の増殖を防ぐためにも、柔らかめの歯ブラシを使って優しく洗うようにしてください。
着脱ごとに装置とお口のなかの両方を清潔にする
歯石の付着のリスクを最小限に抑えるには、着脱ごとに装置とお口のなかの両方を清潔にするのがベストです。虫歯や歯周病、口臭、装置の変色のリスクも抑えられるので、周囲からの印象が悪くなることもありません。審美性の高いマウスピース型矯正のメリットを維持する努力は、治療に対するモチベーションの低下を防ぐ効果もあります。正しい管理を習慣化して前向きな気持ちで歯並びを美しくしましょう。
マウスピースに歯石がついたときの対処法
マウスピースに歯石がついてしまったときは、以下の方法で対処する必要があります。別の方法で行うと別のトラブルにつながる可能性がありますのでご注意ください。
歯科医院で歯石を除去する
装置に付着した歯石は、専用の器具や機械、薬液などを使って除去しなくてはいけません。患者様自身で無理に取ろうとすると、装置に傷がついたり破損や変形がおこったりなど別のトラブルにつながる可能性があります。気づいたときは、かならず歯科医院へ相談するようにしましょう。
マウスピースを作り直す
大量に歯石が付着している場合や歯石によって歯の動きに影響が出ている場合は、装置の作り直しが必要です。追加費用が発生するケースもあるため、心配な方は事前に確認しておく
ことをおすすめします。
マウスピースの変色は歯石に関係ある?
変色と歯石はかならずしも原因が一緒とは限りません。例えば歯周病になり歯ぐきからの出血が原因で装置が変色した場合は、歯の根元や装置に付着した歯垢・歯石が根本的な原因と考えられます。色の濃い食べ物や飲み物を頻繁に摂取する方は装置が変色しやすいですが、お口のなかや装置のお手入れが十分にできている場合は歯石がつく可能性は低めです。何が原因で変色するのかによって歯石のつきやすさは異なりますので、気になる方は一度歯科医院へ相談してみるといいでしょう。
マウスピースを正しく管理して歯石の付着を防ごう
マウスピース型矯正は「お手入れのしやすさ」がメリットの一つとして挙げられがちですが、それはお口のなかのことを指しており、通常のお手入れに加えて装置自体の汚れを落とす必要があります。正しく管理をしないと装置に歯石が付着し、審美性の低下や歯の動きに支障をきたす場合がありますのでご注意ください。すでに装置に歯石が付着している方は、できるだけ早めに歯科医院へ相談することをおすすめします。数ある治療法のなかでもマウスピース型矯正は、とくに患者様の自己管理が欠かせません。メリットを活かすためにも正しい管理方法を身につけて装置を使用しましょう。