ご自分の歯並びや噛み合わせが気になっている方は意外と多いものです。ガタガタした歯並びや前歯が出る出っ歯など、色々な悩みをお持ちの方がいらっしゃると思います。その中で「下の前歯が出ている」ことが気になっている方はいませんか?もし「上の前歯と比べて下の前歯の方が前に出ている」としたら、それは受け口かもしれません。受け口は、放置しておくことで様々な悪影響を及ぼす症状のため、できれば早めに治療することが望ましいでしょう。今回は、受け口はどうやって見分けるのかやその原因などについてお話していきます。もしかしたら当てはまるかも?という方は、ぜひご覧になってみてください。
目次
どんな歯並びを受け口というの?
最初に、正常な噛み合わせとはどのような状態なのか確認していきましょう。上下の歯を噛み合わせてみると、上の歯と下の歯の位置関係はどうなっていますか?上の前歯が下の前歯に被さる形になっていれば、正常な噛み合わせである可能性が高いでしょう。しかし上または下の前歯が前に出過ぎていたり、上の歯が深く被さって下の前歯が見えないような場合には『不正咬合(ふせいこうごう)』の可能性があります。受け口は不正咬合の1つで、上より下の前歯の方が前方に出ている状態をいいます。
受け口を見分ける4つのチェックポイント
ご自分の歯並びから見分けるポイントとしては、次の4つがあげられます。
①上より下の歯・顎が前に出ている
②上下の前歯をきちんと噛み合わせることができない
③ご両親や親戚に受け口の方がいる
④滑舌が悪い
もし上記のチェックポイントに当てはまるものがあるようであれば、受け口の可能性があります。当てはまるポイントがあった場合には、どうぞ早めに一度歯科医院で診てもらってください。
気になっていないなら受け口はそのままでもいい?
受け口は見た目に特徴がある噛み合わせです。そのため、審美性を気にしてご相談にいらっしゃる方は少なくありません。ところが見た目の問題だけではなく、健康面においても色々な悪影響をもたらすため注意が必要です。具体的には以下のような影響があげられます。
受け口は悪影響をもたらすって本当!?
審美的な問題以外にも、受け口であることで生じるデメリットは多くあります。具体的には、次のようなものです。
①前歯で噛み切りにくい
上下の歯が上手く噛み合わないため、前歯で食べ物を噛み切ることが難しくなります。特に麺類や大きな食べ物などが食べにくいでしょう。
②消化不良を起こすことがある
十分に噛み砕かないうちに食べ物を飲み込みがちなため、消化不良を起こしてしまう方もいらっしゃいます。
③発音しにくい音がある
「サ行」や「タ行」などの発音がしにくい傾向があります。
④口が閉じにくい
口がしっかり閉じられないため、お口の中が乾きやすくなったり口呼吸が習慣になってしまうことがあります。
⑤顎関節症を発症する可能性がある
顎に負担がかかるため、顎関節症を発症するリスクが高くなります。さらに顎が変形してしまうこともあります。
⑥歯を失うリスクが高い
噛み合わせが悪いと歯に負担がかかり、寿命が短くなりやすい傾向があります。
⑦精神面でも負担特徴的な見た目にコンプレックスを感じてしまいやすく「自然に笑えない」「口元に自信を持てない」などの問題にも繋がりかねません。また精神的なストレスを感じたり、消極的になってしまう原因となることもあります。このように、受け口がもたらす影響はたくさんあります。歯と身体の健康を守るためにも、ぜひ改善されることを検討してみてください。
何が原因?受け口になってしまう理由とは
一体、何が原因で受け口になってしまうのでしょうか。この項では、その理由についてご説明いたします。
①親御様からの遺伝によるもの
顔や体格が似るように、骨格や歯並びも親御様に似る傾向があります。だからといって必ずなるわけではありませんが、親御様のどちらかに見られる場合、お子様も受け口になる可能性は高くなります。
②日常的な癖や生活習慣によるもの
実は遺伝によって受け口になる割合よりも、日常生活の中で行っている癖や習慣が原因となっていることの方が多くあります。
例えば、以下のようなものです。
・下の顎を前に出す癖
・唇を噛んだり吸ったりする癖
・舌を前に出す癖
・頬杖
・口呼吸
特にお子様のうちは顎の骨が柔らかく、上記のような癖を継続して行うことは歯並びに影響しやすくなります。癖は、続ける期間が長くなるほど止めることが難しくなるものです。気がついた時には、できるだけ早く改善を図りましょう。
③顎の成長によるもの
上の顎の成長が不十分であったり、下の顎が成長し過ぎてしまったりすることが原因のケースもあります。これらには『舌の位置』が関係していると考えられており、間違った場所に舌を置いていることで顎の成長にも影響してしまうのです。
正しい舌の位置とは?
舌には正しい位置というものがあります。食事や会話などをしていない時には、上の顎の前歯の後ろの膨らみの部分辺りにあることが理想です。しかし現代では舌が下がってしまっている方が多く、下の歯を押してしまいやすい傾向にあります。舌が下がっていると上の顎の十分な成長を得られないほか、下の顎の過成長にも繋がりかねません。
受け口は改善できる?どうやって治療するの?
一般的に、受け口の程度により治療方法は異なります。軽度または中等度であれば『矯正治療』での改善が見込めるでしょう。しかし、中等度でも重度と同じように『外科手術』が必要となるケースもあります。これらの場合は、外科手術と矯正治療のどちらも行うことになります。
・矯正治療
歯の位置や傾きなど、歯が原因になっている場合の治療方法です。矯正治療には『ワイヤー矯正(表側矯正)』『裏側矯正(舌側矯正)』『マウスピース型矯正』などがありますが、どの方法でも可能なわけではありません。歯並び・噛み合わせの状態や患者様のご希望などにより、適した方法は異なります。
・外科矯正
下の顎が前方に出ているなど骨格的な問題が原因の場合には、手術が必要になる可能性があります。目安としては、上と下の前歯の先端を噛み合わせることが難しいケースで適応となることが多いでしょう。顎の骨を切除して顎の位置を変える『セットバック法』という手術と矯正治療で歯並びを整えていく方法で、口腔外科や形成外科で行います。『顎変形症(がくへんけいしょう)』などの場合は、健康保険の適用となる可能性がありますが、審美的な理由から行う場合は手術にも保険が適用されません。上記からお分かりいただけるように、原因が『歯』によるものなのか『顎の骨』によるものなのかによって治療方法は異なります。とはいえ、あくまでも一般的な傾向になりますので、ご自分の場合はどうなのか知りたい方は歯科医院で相談してみましょう。
当院では受け口の治療にも対応しています
今回は、受け口の見分け方や原因などについてお話しました。受け口は様々な影響を及ぼす歯並びです。見た目が気になっていないとそのままでも良いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、放置するとお口だけではなく身体の健康にも支障が出てしまいます。色々な不具合で困る前に、ぜひ早めの改善をご検討ください。梅田キュア矯正歯科では、受け口のご相談や治療も承っております。今お悩みの方はもちろん、受け口と思われる症状がある方も一度相談にいらしてください。患者様一人ひとりのお口の状況や、状態に合った治療方法などについてお話することが可能です。実際に治療するかどうかは、お話の後にじっくりご検討いただければと思います。どうぞ気軽にご利用ください。