みなさんは、出っ歯と喘息が関係しているとしたらどう思いますか?一見無関係に思える2つの症状ですが、実は密接な関係があるといわれています。その理由として出っ歯は呼吸器系に影響を与え、喘息の症状に関連している可能性が指摘されているからです。ですが、出っ歯がどうして呼吸器系に影響を与えるか不思議ですよね。それに、なぜ喘息に関係しているかよくわからないと思います。今回の内容は、出っ歯と喘息の関係性について深く考察していくとともに、悪循環を生まないためにはどうすればいいか、解決策をみなさんにお伝えしていきます。
目次
なぜ出っ歯になるのか?大きな特徴と原因
出っ歯とは、上顎や前歯が正常な状態よりも前へ飛び出してしまっている症状のことです。出っ歯の症状を抱えている日本人は比較的多く、なんと全体の約13%の人が罹患しているといわれています。そんな出っ歯の大きな特徴は以下の通りです。
〈出っ歯の特徴〉
● 上前歯が前突しているので正常な噛み合わせにならない
● 上前歯の位置が前方にあるので発音しにくい
● 見た目からもわかりやすく、目立ちやすい
● 口がいつも開いているせいで口のなかが乾燥しやすい
● 唇をうまく閉じることができず、口呼吸になりやすい
出っ歯は見た目の支障だけではなく、機能的にも大きな問題が出やすい疾患です。ここで、出っ歯を引き起こしてしまう原因も併せて紹介します。
〈出っ歯の原因〉
● 親からの遺伝で生まれつき骨格異常を起こしている
● 舌癖や指しゃぶりなど日常習慣による悪癖
出っ歯は、主に遺伝による先天的原因と悪習慣から起こる後天的原因の2つに分けられます。生まれつき出っ歯ではない方は、後者が原因だと考えられるでしょう。
なぜ喘息になる?症状と原因
続いて、喘息についてみていきます。喘息といえば発作的に出る症状ですが、季節の変わり目になると突然出現しやすいなど変動性が大きいことが特徴です。また、運動後などなんらかの刺激を感じると気管に影響が及び、息苦しさを感じることがあります。そんな喘息の主な症状や原因は以下の通りです。
〈喘息の症状〉
● 呼吸時に「ぜーぜー」「ひゅーひゅー」となり、息苦しさを感じる
● 突発的な呼吸困難や激しい咳、痰に見舞われる
● 一過性の症状が変動的に訪れる
● 季節の変わり目に症状が出現しやすい
〈喘息の原因〉
● アレルギーの原因物質アレルゲンが関係している
● 風邪やウイルス感染
● 大気汚染、化学物質
● 気温、気圧の変化
● 肥満
喘息は気道の収縮がはたらくことで起こる症状です。原因に挙げられている項目のように、さまざまな刺激によって喘息は引き起こされています。したがって、これらの刺激を予防できれば発作を抑えることができるというわけです。
出っ歯と喘息が関係あるといわれている理由
出っ歯と喘息の関係についてくわしくみていきましたが、なぜ2つの症状が関連しているのでしょうか?その大きな理由が〈口呼吸〉です。通常、呼吸は鼻からおこなう鼻呼吸が一般的であり、口から息を吸う口呼吸はあまり推奨されていません。鼻呼吸はホコリや花粉などが入ってきても鼻の粘膜が防御してくれようとしますが、口呼吸ではこの防御機能がはたらかず、異物を直接取り込みやすくなります。このような口呼吸の習慣は出っ歯の人に多いとされており、口が閉じにくいことで口元の筋力が低下し、口呼吸が進行しやすくなるのです。また、口呼吸は喘息の発作を引き起こす原因にもなりえます。口から異物を取り込むことで喘息の症状が悪化するリスクが高まるからです。つまり、口呼吸を続けるかぎり喘息は悪化しやすいといえるでしょう。口呼吸の放置はデメリットだらけ。たかが呼吸、されど呼吸…。たとえ口呼吸をしていたとしても、いまいちどんなデメリットがあるかわからないという人も多いかもしれません。口呼吸による弊害は喘息にかぎらず、以下のリスクを生む可能性があります。
歯並びが悪くなる
口呼吸をそのまま放置してしまうと、歯並びがさらに悪くなってしまいます。呼吸だけで、なぜ歯並びが悪くなるのか信じられませんよね?でも、これには理由があります。長らく口呼吸をしていると舌の位置が徐々に下方へ移動していき、舌圧によって歯が変な方向に押されてしまうようになります。少しずつではありますが圧によって歯が動かされることで、歯並びに影響を及ぼしてしまうのです。また、上顎を支える筋力まで低下しやすくなることから成長が妨げられ、出っ歯がさらに悪化してしまう…なんてことにもつながりかねません。
口内環境の悪化
口呼吸の人は、普段から口を開く時間が長いことから口のなかが乾燥しやすい状態にあります。乾燥するということは唾液量が通常よりも少なくなり、結果的に細菌が繁殖しやすい環境下をつくりだしてしまうのです。口内環境が悪いと、当然歯周疾患のリスクが上がります。さらに口臭の原因にもつながることから、早めに対処してあげる必要があるでしょう。
免疫力の低下
実は、口呼吸は免疫力と大きく関係しています。その理由が、唾液です。唾液の成分には細菌やウイルスを妨げる力があり、私たちは唾液によって守られているといわれています。そのため、唾液量が少ないと乾燥状態に陥り免疫力低下につながってしまうのです。口呼吸は唾液量を減らしてしまう原因となり、放置することは大変危険でしょう。
根本解決のためには出っ歯治療がおすすめ
出っ歯と喘息、そして口呼吸が関係することで、さらなるリスクを生んでしまうことがおわかりになったと思います。もし、出っ歯で喘息に悩まれている方、出っ歯で口呼吸を併発している方には、根本解決となる出っ歯治療がおすすめです。出っ歯を治す方法がいくつかありますので、1つずつ紹介していきましょう。
マウスピース型矯正
透明のマウスピースを歯の上にはめて治療するマウスピース型矯正は、歯列矯正のなかでも有名な治療法です。患者さまそれぞれの歯型に合わせたマウスピースを作製して、1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換していきます。取り外しができるメリットから人目に触れる機会がある方や矯正していることを知られたくない方には非常に有効な手段でしょう。ですが適応症例が少なく、かならずマウスピース型矯正ができるとはかぎりませんので注意が必要です。比較的軽度の症状に当てはまる方が対象になります。
ワイヤー矯正
歯にブラケットやワイヤーという金具を固定して治療するワイヤー矯正は、みなさんもよく知る矯正治療でしょう。月に1回程度ワイヤーを調整したり交換したりしながら、徐々に歯を動かしていきます。昔ながらの治療ということもあり信用性が高い面は非常に安心です。ただ固定式のため、食事や発音に支障がある面は否めません。それでもどんな症例にも適応可能なことから、確実に美しい歯並びが期待できるでしょう。ワイヤー矯正と聞くと、おそらく大半の方が「歯の表面に固定する治療」だと思うかもしれません。
たしかに表側矯正が主流ですが、最近では裏側矯正(舌側矯正)といって装置を歯の裏側に固定する方法もあります。ワイヤー矯正にも選択肢がいくつかあるので、気になる方は当院にご相談くださいね。
【表側矯正についてはこちら】
【ハーフリンガルについてはこちら】
【裏側矯正についてはこちら】
外科的手術
重度の出っ歯だと診断された場合、外科的手術を施してから歯列矯正に移行する手段をとります。主に、ズレた顎を正常の位置まで動かす手術をしていき、その後に矯正をすることで美しい
歯並びに仕上げていきます。外科的手術の判断は検査結果に基づいておこなわれるため、担当医としっかり話し合って決めていく必要があるでしょう。出っ歯や口呼吸に悩む方は、お気軽に当院までご相談ください。
【当法人の外科矯正について詳しくはこちら】※当法人の一部クリニックが対応可能です。詳しくはお近くの医院にお問い合わせください。
喘息発作の原因が出っ歯かもしれない」「口呼吸も併発しているかも?」1つひとつ症状は異なりますが、実は意外なところですべてがつながっています。今回の記事を読んで、根本原因が出っ歯かもしれないと思われた方もいるかもしれません。やはりそれぞれ放置することは危険であることから、早めの改善が見込まれます。それでも治療することに抵抗がある方もいるでしょう。どこかに引っかかる点があると、治療に踏み込めないと思います。そんなときにおすすめするのが当院のカウンセリングです。どんな些細な悩みや疑問にも担当医やスタッフが丁寧な対応を心掛けており、不安な方にも安心して受診できるよう配慮しています。患者さまの口元の状況や生活環境などから最適な治療法をご提案しますので、まずはお気軽にご相談くださいね。
【梅田キュア矯正歯科の無料カウンセリング予約はこちらから★】