大人の歯科矯正をスタートする方は、どの程度の治療期間がかかるか見通しが立つとスケージュールが立てやすいのではないでしょうか。歯科矯正は、歯並びの症状によって治療期間は異なりますが、治療期間の目安はお伝えできます。患者様の症状によって前後する場合はありますが、歯科矯正はいつから効果が出ていつ終わるかについてご紹介しますので、参考にしてみてくださいね。
目次
大人の歯科矯正はいつから効果が出るの?
矯正治療をスタートする方は、いつ頃から効果が出るか気になる方も多いと思います。矯正前の症状によって個人差はありますが、目安をお伝えします。
矯正の変化の期間の目安
・1ヶ月程度
矯正治療で歯を動かす距離は、平均で1ヶ月0.3~0.5ミリ程度といわれています。これは、歯や歯を支えている歯周組織に負担をかけないような矯正力で少しずつ歯を動かしていくため、このくらいの移動距離になっています。そのため、1ヶ月程度では見た目の変化は感じにくいといえるでしょう。無理に強い力で歯を動かしてしまうと、歯に負担がかかってしまうため、この時期は焦らずに慎重に矯正治療を進めることが大切です。
・3ヶ月程度で効果を感じ始めやすい
前歯の凸凹が気になっている方は、3ヶ月程度で徐々に効果を実感しやすくなります。この時期は、歯列に沿って歯を並べていく時期のため、一番歯の動きを実感できる時期です。10~20代の方は顎の骨や歯が柔軟なため、歯が動きやすいと考えられています。
・半年程度で多くの方が効果を実感する
半年程度の期間が経過すると、多くの方は歯並びが整ってきたと感じやすくなります。前歯などの一部分を矯正する「部分矯正」の場合、早い方だと半年程度で矯正治療が終わる方もいます。矯正治療の装置にも慣れてきて、矯正治療がスムーズに進みやすくなります。
・1年程度で大きな変化を実感しやすい
1年経過すると、多くの方が矯正での大きな変化を実感しやすくなります。歯列に沿って歯を並べる時期が半年~1年程度のため、歯列に沿って歯が並んでいる時期です。傾きや噛み合わせのバランスを調整する必要はありますが、審美的に整ってきたと感じる時期でしょう。
治療種類別の歯科矯正の期間
矯正をスタートする歯並びの状態によって治療期間は異なりますが、矯正の種類によっても治療期間の目安が異なりますので、ご紹介します。
・ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯にブラケットとワイヤーを用いて歯並びを改善する矯正方法です。その中でも表側矯正と裏側矯正(舌側矯正)がありますので、ご紹介します。
表側矯正
歯の表側にブラケット装置とワイヤーを用いて歯科矯正する方法で、歴史のある方法です。多くの矯正歯科で治療することができ、大幅に歯を動かす症例にも対応しています。従来の表側矯正は、金属のブラケットやワイヤーを使用することが多く、矯正中の装置の見た目が気になってしまうことがありましたが、白や透明の審美ブラケットや審美ワイヤーを選択できるようになり、矯正中の装置の見た目のストレスが軽減できます。
目安の矯正治療期間 2~3年程度
裏側矯正
歯の裏側に矯正装置をつける方法のため、矯正装置がほとんど見えない特徴があります。固定式の装置のため、矯正中の装置の見た目が気になっている方におすすめの方法です。
目安の矯正治療期間 2~3年程度
・マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、お口の中をスキャンして、ぴったり合ったマウスピースを作製します。段階的に少しずつ形の違うマウスピースに交換することで、歯並びを整える方法です。取り外し式の装置のため、食事や歯磨きの時にマウスピースを取り外すことができます。ただし、1日20~22時間のマウスピースの装着が必要なので、自己管理が必要です。
目安の矯正治療期間 1年半~3年程度
矯正の歯が動きやすい方の特徴
矯正がスムーズに進む歯が動きやすい方の特徴がありますので、ご紹介します。
・歯並びが悪くなる悪習癖がない
舌で歯を押すくせや口呼吸、爪かみなどの習慣は歯並びが悪くなる悪習癖です。歯科矯正をスタートした後もこの習慣が改善しないと、矯正の治療期間が長くなったり、後戻りをしたりする可能性があるため、早めに改善しましょう。歯並びが悪くなる悪習癖がないと、スムーズに矯正治療が進みます。
・年齢が若い方
年齢が若い方は顎の骨が柔軟なため、歯が動きやすい特徴があります。特に永久歯が生えたばかりの時期は永久歯が動きやすく、矯正治療をするには良いタイミングです。
顎の成長もしている時期の場合、顎の成長バランスを整えながら永久歯が正しい位置に生えてくるように促すことができます。成長を味方につけた矯正治療ができるのは、永久歯の生え代わりが終わる前までのため、この時期に矯正治療をするとスムーズに治療ができます。
・非抜歯で矯正できる方
歯並びの不正が強い方は、歯科矯正で歯を並べるスペースが足りない場合があります。その場合、多くのスペースが必要な場合には、抜歯をして歯を並べるスペースを確保します。歯並びの不正がそれほど強くない方は、歯と歯の間にやすりをかけるようにしてスペースを確保する「IPR」という方法が可能です。そのため、非抜歯で矯正治療ができる方は、歯の移動距離も多くないため、スムーズに治療が進みやすい特徴があります。
矯正で効果が実感できるまでに時間がかかる方

・重度の叢生
1ヶ月に歯を動かせる距離は決まっているため、歯並びの凸凹が強い方は、歯並びが整うまでに時間がかかります。そのため、矯正の効果が実感できるまでに時間がかかりやすいでしょう。
矯正治療を早く終わらせたい方のポイント
矯正治療を早く終わらせるためには、患者様の守っていただきたいポイントがありますので、ご紹介します。
・決められた装着時間を守る(マウスピース型矯正)
マウスピース型矯正装置の場合には、取り外しが出きるため、患者様の協力が大切です。1日20~22時間の装着が必要なため、食事や歯磨きの時間以外はマウスピースを装着している必要があります。また、10日~2週間程度でマウスピースを交換するのですが、その交換の日にきちんとマウスピースを交換する必要があります。
・調整の通院頻度を守る
ワイヤー矯正の場合、1ヶ月程度で調整が必要なため、通院していただく必要があります。この期間が極端に開いてしまうと、正しい矯正力がかからず、後戻りをしてしまう可能性があります。そのため、調整の通院頻度は指示があった期間で通院しましょう。
・光加速装置を検討する(マウスピース型矯正)
マウスピース型矯正の場合、光加速装置を使用すると細胞が活性化してマウスピースを交換する頻度を短くすることができます。1日10分程度専用の機械を加えるだけで、歯周組織が活性化して歯がスムーズに動きやすくなります。また、痛みも軽減しやすくなるため、治療期間を短縮したり、痛みの不安があったりする方におすすめの方法です。
【まとめ】
大人の矯正は、歯並びの状態によって個人差がありますが、3ヶ月程度すると効果を実感し始める方が増えてきます。また、半年経過するとより効果を実感しやすくなります。矯正治療は徐々に効果が出てくるため、目が慣れてきて変化を感じにくい場合もありますが、矯正をスタートする前の写真と比較すると、より効果を実感しやすくなるでしょう。矯正治療の治療期間や矯正に関してのご質問がある場合は、お気軽にご相談ください。