マウスピース型矯正に関して多くいただくご質問の一つに「矯正中に食べていい食べ物や飲み物、反対にダメなものなどはありますか?」というものがあります。当院では「基本的に食事制限はありませんが、飲食時には必ずマウスピースを外してください」とお伝えしています。本記事では、飲食時にマウスピースを外す理由や注意点、着色・虫歯を予防するお手入れの仕方などについて解説していますので、マウスピース型矯正中の方や検討されている方はぜひご覧ください。
目次
食事制限がないマウスピース型矯正で守るべきこと
結論からお伝えすると、マウスピース型矯正をしていても基本的に食事制限はありません。ただし、守っていただきたいことがあります。
飲食時はマウスピースを外す
飲食時には必ずマウスピースを外しましょう。装着したまま飲食をすると、破損や虫歯のリスクを高める原因となってしまうからです。
飲み物の種類や温度に注意
常温の水であればつけたまま飲んでも差し支えありませんが、それ以外の飲み物は要注意です。特に砂糖・酸や着色成分が含まれるものは、マウスピースと歯の間に入り込むことで停滞し、虫歯や着色の原因となります。
またマウスピースはプラスチックでできているため、熱いもので変形したり、匂いがついてしまう可能性もあるでしょう。
マウスピースの装着時間
マウスピースは、基本的に1日20〜22時間の装着が必要です。そのため「食事をする時と歯磨きの時以外は装着するもの」だと思ってください。
装着時間が短くなると、計画通りに歯が動かないばかりか、最悪の場合は治療をやり直すことになる可能性もあるため注意しましょう。
マウスピース型矯正時の飲み物の注意点
マウスピース矯正中は、基本的に飲み物を飲む時にもマウスピースを外していただきます。
ただし、無糖の常温〜ぬるめの水であれば飲んでいただいても構いません。
しかし、下記のようなものは必ず外してから飲むようにしてください。
・コーヒー
・紅茶
・緑茶
・赤ワイン
・炭酸飲料
・スポーツドリンク
・ジュース(果汁100%含む)
・ミルクティー
・甘酒
・お酒類
・熱い飲み物
上記の飲み物を飲む場合、なぜマウスピースを外さなければいけないのかというと、歯や装置に悪影響を及ぼす可能性があるからです。
例えば、コーヒーやお茶類・赤ワインなどは、着色がつく原因となります。
また、炭酸飲料やスポーツドリンク・ジュースなどには、糖分や酸が含まれるため虫歯のリスクを高めてしまうでしょう。
「水を飲んでいいのであれば、白湯もいいのでは?」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は温度に注意が必要です。マウスピースはプラスチックでできているため、熱で変形します。
もし白湯を飲まれるのであれば、人肌程度の40℃くらいで良いでしょう。間違っても60℃以上の熱いものは飲まないようにしてください。
マウスピース型矯正中に食べていいものと注意が必要なもの
マウスピース型矯正中に食事をする際は、装置を外していただくため、基本的に食べられないものはありません。
しかし、マウスピース装置を装着している間は、唾液の自浄作用が得られずお口の中に菌や食べかすが停滞しやすくなります。
そのため、次のような着色しやすいものや歯にくっつきやすいものなどは避けていただいた方が良いでしょう。
・着色しやすいもの
カレー、ミートソース、キムチ、濃いソースなど
・歯にくっつくもの
キャラメル、ガム、グミ、ヌガーなどのお菓子
このような着色しやすいものや歯にくっつきやすいもの・甘いお菓子などを食べた後に、そのままマウスピースをつけてしまうと歯やマウスピースへの着色や虫歯の原因となります。
食後は可能であれば歯磨きを、難しければお水で十分にうがいをし、早めにマウスピースを再装着するよう心がけてください。
また、ナッツなどの固い食べ物や、氷を噛むといった動作にも注意が必要です。歯を支えている歯根膜に大きな負担がかかり、痛みやトラブル発生の原因となる可能性があるからです。
白米やパン、麺類、野菜、魚、卵、豆腐、ヨーグルトなどは、安心して食べていただけるでしょう。
マウスピース型矯正中の外出・学校・職場でのコツ
マウスピース型矯正中の外出時は、矯正前とは違う対応が必要になります。
持ち歩きセットとして、以下のものを用意して置きましょう。
・装置用のケース
・歯ブラシ
・歯間ブラシ
・携帯用歯みがき粉
・ペットボトルの水(うがい用)
・コップ
・ウェットティッシュ
マウスピースを外した時に、軽く洗ってティッシュペーパーにくるんだまま保管する方がいらっしゃいますが、必ずケースに入れるようにしてください。気がつかずにそのまま捨ててしまったり、破損の原因となることが多いからです。また、空気中の雑菌が付着すると菌が繁殖して不衛生にもなりがちなので、気をつけましょう。
外出時の食事のポイント
仕事や学校などで外食をする場合は、なかなか普段通りに進めることは難しいかもしれません。とはいえ、マウスピースを決められた時間通りにつけられないと、治療を進めることができなくなってしまいます。
次の流れを参考にしてみてください。
外食時:席についたらマウスピースを外す→必ずケースに入れて保管→食後は歯磨き、またはうがいをする→速やかにマウスピースを再装着する。
休憩時間のコーヒーなど:マウスピースを外して飲む→水で軽くうがいをする→可能であれば歯磨きをする→再装着する。
装着時間を管理する:食事や間食の時間、また飲み物の摂取でマウスピースを外している時間をメモしておきましょう。どのくらいの時間外していたのかを把握しておくことが大切です。
マウスピースのお手入れ・再装着のポイント
この項では、マウスピースのお手入れ方法などについてお伝えしていきます。
マウスピース装置のお手入れ
マウスピースは、外す度に洗浄して清潔に保ちましょう。
洗浄する際には、流水下でやわらかい歯ブラシや使い古した歯ブラシを使って汚れを落とします。ぬるま湯でも結構ですが、くれぐれもお湯は使わないようにしてください。また、歯みがき粉には研磨剤が入っているため使わないようにしましょう。マウスピースに細かい傷がつき、そこに菌が繁殖しやすくなってしまいます。
週に数回程度は『マウスピース専用洗浄剤』を使用しましょう。ニオイや着色予防に効果的です。
マウスピース再装着のルール
マウスピースを再装着する時には、必ず歯の汚れを落としてからつけるようにしましょう。
装着後は、噛み合わせが合っているか、しっかり入っているかを確認してください。
マウスピースの保管方法
マウスピースを保管する時は、直射日光や高温を避け、必ずケースにしまいましょう。その辺に置いておくと、ペットがかじって壊れてしまうこともあるので、十分に注意してください。
マウスピース型矯正でよくあるトラブルと対処法
ここでは、マウスピース型矯正中によくあるトラブルを紹介していきます。困った時には、ぜひ参考にしてください。
①マウスピースを紛失した
外したらケースに入れることを習慣化しましょう。万が一失くしてしまった場合には、治療中の歯科医院へすぐに連絡してください。
次ステップで対応が変わる可能性が高いからです。
②マウスピースの割れ・変形
熱い飲み物や噛みしめにも注意してください。もし割れてしまった場合には、装着を中止して早急に医院へ連絡し対応を仰ぎましょう。
③マウスピースの着色・ニオイ
マウスピースの着色やニオイが気になる時には、専用洗浄剤の使用頻度を見直してみましょう。それでも改善しない場合は、一度歯科医院で相談してみてください。
④痛みがある
マウスピースを装着した直後は、歯が動くことによる痛みや違和感などが生じやすい傾向にあります。通常は、徐々に慣れていくため心配は入りませんが、痛みが強い場合や口内炎による痛みの場合は早めの受診をおすすめします。
マウスピース型矯正中の食事に関するQ&A
Q1:マウスピースを装着したまま、水以外のものを飲んではダメですか?
A.基本的にはマウスピースを外して飲むようにしてください。
Q2:コーヒーはブラックで砂糖なしでも、マウスピースを外して飲んだ方がいい?
A.はい、外して飲みましょう。歯やマウスピースが着色する原因となります。また、温かい飲み物はマウスピースの変形にも繋がるため、温度の観点からも外すようにしてください。
Q3:お酒や炭酸は飲んでもいいですか?
A.マウスピースを外せばOKです。飲んだ後は水で良くうがいしてから再装着しましょう。晩酌をする方は、寝る前の歯磨きとマウスピースの洗浄・再装着を忘れないようにしてください。
Q4:間食が多いのですが、マウスピース型矯正をしても大丈夫ですか?
A.マウスピースを外す時間が長くなるため、回数や時間を意識するよう気をつけて行えば問題ありません。
Q5:外出先で歯磨きができない時は、どうしたらいいですか?
A.水でうがいして、可能な限り早くマウスピースを再装着しましょう。
Q6:マウスピースをつけたまま、ガムを噛ん、でもいいですか?
A.マウスピースに付着し、ベタつきの原因となる恐れがあるため、外してから噛んでください。
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まとめ
今回は、飲食時にマウスピースを外す理由や注意点、お手入れの仕方などについて ご説明しました。
マウスピース型矯正に食事制限は基本ありませんが、飲食時は外すようにしてください。ただし、水は装着したまま摂取しても差し支えありません。
矯正治療を成功させるコツは、決められた装着時間をいかに確保するかや、食後のケアがきちんとできるかどうかです。また治療中は、紛失を防ぐためにケースを持ち歩くようにしましょう。
当院では、矯正治療をご検討中の方に向けて随時カウンセリングを実施しております。患者様のライフスタイルに合わせた続け方についても、個別相談でご提案しておりますので、どうぞ気軽にご利用ください。
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