矯正治療を続けていると、「この日だけは外したい」「体調が優れず一度休みたい」と感じられる場面が出てくることがあります。結婚式・写真撮影・留学・手術などどうしても事情が重なると、矯正装置を一時的に外せるのか気になるのは自然なことです。しかし、治療の途中で装置を外すことには、歯が元の位置に戻ろうとする「後戻り」や、治療期間の延長などのリスクが伴います。本記事では、途中で装置を外すことが推奨されない理由や、やむを得ない場合の対応、中断による影響について解説します。どうしても外したい事情があるときこそ、事前に知っておきたいポイントを確認してみてください。
本記事では、矯正途中で装置を一時的に外せるのかを解説します。矯正装置をなぜ外したくなるのか、外した場合に起こりうるリスクも紹介します。また、どうしても装置を外さなければならないときの対応についても解説するので、参考にしてください。
目次
矯正装置を一時的に外すことは基本的に推奨されません

矯正装置を一時的に外すことは、見た目や生活上の都合から「少しだけなら大丈夫かもしれない」と思うかもしれません。しかし矯正治療は、歯に継続して力を加えながら進めることを前提としているため、途中で装置を外してしまうと、治療に大きな影響が出てしまいます。ここからは、矯正装置を一時的に外すことで起こりうるリスクを解説します。
治療計画が乱れやすく、後戻りのリスクが高い
矯正装置を一時的に外すことで、治療計画が乱れやすく、後戻りのリスクが高くなります。矯正治療は、歯に一定の力をかけ続けることで、徐々に歯並びを整える仕組みになっています。動いたばかりの歯は非常に不安定で、力をかけるのをやめると、短期間でも元の方向へ戻ろうするため注意が必要です。そのため、途中で装置を外すと治療計画が狂いやすく、後戻りのリスクが一気に高まってしまいます。
治療期間が延びる可能性が大きい
治療計画が延びる可能性が大きいのも、矯正装置を一時的に外すことが推奨されない理由の一つです。後戻りが起きて元の位置に近づいてしまえば、再度同じ段階から治療をやり直すことになります。装置を外していた期間が長いほど治療計画の修正が必要になり、治療が後ろ倒しになる傾向があるのです。
治療の精度そのものにも影響が出る
矯正装置を一時的に外してしまうと、治療の精度そのものに影響が出る恐れがあります。ワイヤー矯正・マウスピース型矯正ともに、「継続して力を加える」ことが前提になっています。一時的に中断すると、最終的な歯並びや噛み合わせの精度にも影響することがあるのです。見た目や生活の都合で「少しの間なら大丈夫」と思いたくなる気持ちがあっても、治療の流れを考えるとデメリットは小さくありません。
どうして外したくなるの?

矯正治療は長期間にわたるため、生活の大きな出来事や体調の変化で「一度外したい」と思う瞬間が出てくることがあります。
結婚式・撮影などの重要なイベント
結婚式・成人式・前撮り・就活用の写真など、人に見られる場面では装置が気になることがあります。特にワイヤー矯正の場合、写真映えを気にして一時的に外したいという希望は珍しくありません。
留学・引っ越しなど、生活環境の変化
海外留学や遠方への引っ越しで通院が難しくなる場合も、一度装置を外したくなるかもしれません。治療を続けられるかどうかの不安が、撤去を検討する理由になりやすいのです。
手術・体調不良・口内のトラブル
手術や体調不良、お口のトラブルがある場合、医療上の理由で装置を外すケースがあります。痛みや口内炎が続くなど、装置による負担が大きいと、「しばらくお休みしたい」と感じることもあるでしょう。
やむを得ない場合の対応と注意点

どうしても外さなければいけない事情があるときは、自己判断ではなく必ず医師の指示のもとで対応する必要があります。
装置を外し、期間を過ぎたら再装着する
ワイヤー矯正の場合、ブラケットやワイヤーをすべて外し、必要な期間を過ぎたら再度装着します。再装着には再診料がかかり、ブラケットの再作製が必要になれば追加費用が発生することもあります。マウスピース型矯正の場合も、歯の位置が変わっていれば再スキャンと追加アライナーの作製が必要になり、費用が増える可能性があるかもしれません。
再開までの期間が長いほど後戻りが進む
歯は短期間でも元の位置に戻りやすいため、外している期間が長いほど後戻りは加速します。外している期間が数日から数週間であっても、想定外の動きが起きることがあり、治療計画を作り直す必要が出てくる場合があります。
できるだけリスクを減らすために
必要な休止が避けられないときは、以下のように医師ができる限りリスクを抑える方法を検討してくれるでしょう。
- 外す期間を最小限にする
- 再装着のタイミングをこれ以上遅らせない
自己判断で外すとトラブルが大きくなるため、必ず医師と相談したうえで進めたいところです。
一時的な中断による影響

矯正治療を途中で中断すると、見た目だけでなく、歯の動きや噛み合わせなど治療全体にさまざまな影響が生じます。装置を外している期間が短くても変化は起こりやすく、長期化するほどリスクも大きくなります。具体的には、次のような問題が起こりやすくなります。
歯の位置が戻り、噛み合わせがずれやすくなる
装置がない期間は、歯が安定した位置を保てず、徐々に動いてしまう可能性があります。歯が動くと見た目の乱れだけでなく、噛み合わせのズレにも発展するかもしれません。噛み合わせがずれると、顎の疲れ・咀嚼がしずらい・発音の違和感などが起こることもあり、生活面でも負担になる恐れがあります。
治療期間が延びる
装置を外した期間に歯が元の方向へ戻ってしまうと、再開後はそのズレをもう一度整える工程からやり直す必要があります。後戻りの程度によっては、単に数週間の遅れでは済まず、再度ブラケットの付け直しや追加アライナーの作製が必要になることもあります。こうした修正作業が積み重なると、当初の計画より治療が数ヶ月以上延びるケースも珍しくありません。矯正は「計画通りに力をかけ続けること」が大前提のため、一時的な中断が全体のスケジュールに大きく影響してしまうのです。
矯正そのものの精度が下がる可能性がある
矯正治療は歯がどの方向へ、どれくらいの速度で動くかという「細かな計画」に基づいて進められます。一時的に中断すると、歯がわずかに傾いたり、本来想定していない位置に移動したりすることがあります。そのズレが積み重なると、最終的に目指す噛み合わせや歯並びの完成度に影響を及ぼすかもしれません。小さな誤差でも最終段階で調整しきれなくなる場合があり、仕上がりの精度が落ちる原因になるのです。治療の質をしっかり保つためにも、可能な限り中断を避け、計画に沿って進めることが重要になります。
まとめ:どうしても外したいときは、必ず主治医に相談を

矯正装置を一時的に外すことは、後戻りのリスクや治療期間の延長につながりやすく、基本的には避けることが望ましいです。ただし、結婚式・引っ越し・体調の問題など、どうしてもやむを得ない事情が生じる場合もあります。そのようなときこそ、自己判断で外すのではなく、必ず主治医にご相談ください。医師は状況に合わせて、できる限りリスクを抑えながら進める方法を提案してくれます。治療を良い形で継続するためにも、不安や事情を抱えた際は、一人で判断せず相談しながら進めていくことが大切です。

