突然ですが皆さんのチャームポイントはどこですか?えくぼやほくろなど、自分はそう思っていなくても周りからみて可愛いと思われることもあるでしょう。そのなかのひとつに、八重歯が可愛らしいと言われる時代がありました。しかし最近その考えはやや古く、綺麗に並んだ歯の方が清潔感があり美しいとされるようになってきました。また、八重歯ほど聞き慣れない言葉にガチャ歯と呼ばれるものがあり、なかには可愛らしいと感じる方もいるようです。今回はこのガチャ歯についてお話していきたいと思います。
目次
①ガチャ歯ってどんな状態?
字の通り歯並びがガチャガチャしている状態をガチャ歯といいます。歯と歯が重なっていたり、スペース不足から歯が回転したように反対を向いて生えていたりします。歯科用語で叢生(そうせい)と呼ばれ、歯の大きさと顎の大きさのバランスがうまく合わないことで起こります。人は一般的に生後半年くらいに下前歯の乳歯が生えてきて、2〜3歳を目安に生えそろいます。ただ、この時期に叢生の症状がみられることはなく、最初の永久歯が出てくる6歳以降に気づく場合が多いです。なぜならば乳歯は永久歯に比べて歯が小さく、スペースに十分収まることが挙げられます。この時点で歯並びがガタガタと悪いことは考えにくいのです。ただし、乳歯が隙間なく綺麗に生えそろっている場合は注意が必要です。乳歯は歯と歯の間に隙間があり、いわゆるすきっ歯の状態で生えているのが正常です。よく親御さんが隙間が開いていて将来歯並びが悪くなるのではないかと心配されて来院しますが、反対に隙間がない方が少し心配であるということです。乳歯は全部で20本、永久歯は親知らずまで入れると32本になります。乳歯の時点で隙間なく綺麗に生え揃っていれば永久歯のときはほぼスペースが足りずにガタガタとした歯並びになってしまいます。もちろん年齢と共に顎の大きさも成長していきますが、乳歯の時点で隙間がないのであれば何らかの状態で永久歯の歯並びに関係してくると考えておくといいでしょう。
②ガチャ歯による悪影響
◯虫歯や歯周病
歯と歯が重なり合って生えていると歯と歯の間の清掃が難しくなります。そのため、歯周病や虫歯のリスクは高くなります。また、自分で自覚してしっかり磨いていても汚れがたまりやすかったり完全に落としきれない場合が多いのです。そのため、歯の寿命は短くなる傾向にあります。
◯顎への負担
叢生だけに限らず、歯並びが悪いと顎へ負担がかかり顎関節症を引き起こす可能性があります。人は無意識に噛みやすい場所を探して噛もうとするため、顎をずらして食事をしたり歯ぎしりをして噛み合わせを整えようとします。
その結果、顎の関節に負担をかけて顎関節症になったり肩こりや偏頭痛の原因になったりします。それだけでなく、上手く食べ物を咀嚼できないために咀嚼回数が減ってしまい、消化不良の原因になり胃腸への負担も心配されます。
◯歯への負担
歯並びが悪いと、噛める歯を使って食事をしようとするため、咀嚼の負担を全ての歯で分散することができません。そのため、特定の歯だけに力がかかり正常に生えている歯にトラブルが起きやすくなります。歯が欠けてしまったり、長く使っているとヒビが入って痛みが出ることもあります。また、咬合性外傷といって負担能力を超えた過度の咬合力により、歯を支える周りの組織が炎症を起こすこともあります。歯並びが悪い部分が正常な歯に悪影響を及ぼしてしまっては、元も子もありません。
③ガチャ歯の治療法
◯子供の治療
乳歯が抜けて前歯から順に永久歯が揃い始めます。その時期に叢生の疑いがある場合は矯正治療を専門とする歯科医師に相談して治療を始めることができます。上下4本ずつが生えてきた7〜9歳頃が目安になります。低学年であり自分で口腔内の管理が難しい年齢でもあるため、虫歯のリスクを考えて取り外し可能な装置を使って顎の成長を促す方法が多くみられます。ブラケットと呼ばれる固定式の装置を歯につけてワイヤーを通す方法もありますが、この時期に生えてきた永久歯はまだ未完成であるため、虫歯になりやすくなっています。また、本人への負担も少ないため、取り外しの装置が適当であると考えます。顎の成長は上顎が10歳前後、下顎が女子15歳・男子18歳がピークとされているため10歳ころまでに顎の成長を拡大させてスペースを確保します。このほか、10歳までに顎の拡大を行う理由に犬歯の影響があります。前から3番目の前歯である犬歯(糸切り歯)は10〜12歳くらいに生えてきます。この犬歯が生えてくる前に顎の拡大を行っておけば、矯正治療が前歯だけで済む場合が多いのです。前歯は乳歯よりも永久歯の方が大きいのに対し、奥歯は永久歯より乳歯の方が幅が大きいため、前歯さえ綺麗に揃ってしまえば奥歯のスペースは確保されやすいのです。
◯大人の治療
・固定式装置
ここでいう大人とは、全ての永久歯が生えそろった方をさします。最後の永久歯である第二大臼歯が萌出するのが12歳前後であるため、中学生以降の方が子供とは違った治療法になります。
基本的にはマルチブラケットといわれるボタンを歯の表面につけてそこにワイヤーを通します。そして、少しずつワイヤーを強くしめていき、力を加えて歯を移動させます。マルチブラケットを歯の表側につける方法と歯の裏側につける方法、またはその両方を組み合わせた治療法があります。また、なかには顎の大きさから歯を全て並べきるスペースがないため、抜歯するケースも少なくありません。その場合、矯正歯科ではなくかかりつけなどの一般歯科に依頼をして小臼歯を抜歯してもらいます。
・マウスピース
取り外しができるマウスピースを使った治療法もあります。しかし、マウスピースで歯を大きく移動させることは難しく、少々の歯のガタつきや奥歯のズレが少ない症例を得意とします。そのため、軽度の叢生に適した方法となります。取り外しができ、透明な合成樹脂で出来ているため目立ちにくいというメリットがあります。また、軽度によって1年経たずに歯並びが改善することもあります。自分がマウスピースでの治療が適応であるのか矯正治療を専門とする歯科医師とよく相談すると良いでしょう。
④ガチャ歯にならないために
◯乳歯のうちから虫歯ゼロを目指す
子供の歯はいずれ抜けてしまうから多少の虫歯は仕方ないと思っていませんか?実は、乳歯が虫歯になると永久歯も虫歯になりやすいのです。虫歯の原因であるミュータンス菌が口腔内に発生してとどまり、虫歯を作りやすくしてしまいます。さらに乳歯を虫歯で失った場合にはスペースが出来てしまい、次に出てくる永久歯が傾いて生えてくる可能性もあります。
◯よく噛んで食べる
叢生の原因のひとつに顎の大きさが関係しています。顎の成長期は10歳〜10代後半までがピークのため、その時期によく噛んで食べることは顎の大きさに関わります。現代っ子は軟食傾向にあるため顎の小さな子がとても多いです。是非、よく噛んで食べる食事を親御さんが意識していただけたらと思います。
◯鼻呼吸を習慣化
口がポカンと開いてしまう口呼吸の子は叢生になりやすい傾向にあります。通常、口を閉じた状態の時は舌が上顎に触れています。そして、舌が触れている状態により上顎の成長が促されていますが、口を開いていると舌が沈み上顎に触れない状態になり顎の成長が抑制されてしまいます。アレルギーや鼻に疾患がある場合は自ずと口呼吸になってしまうため、耳鼻科に行って少しでも症状を改善できるようにしてあげてください。
遺伝的に顎が小さかったり、生えてくる歯が大きかったりする場合はこれらの習慣を見直しても症状が出てしまう場合があります。それでも叢生は歯列矯正によって治すことが可能です。それがたとえ八重歯のように一本だけの治療だとしても、治療後にはとても印象が変わったと今までの患者さんをみていると感じます。本人にとってチャームポイントだと気にいいっていればまだしも、コンプレックスになっているのであれば思い切って相談して見ることをおすすめします。
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