皆様、こんにちは。北大阪茶屋町ビル4階にある「梅田キュア矯正歯科」です。「歯列矯正をしたら1ヵ月くらいで変化を感じられるものなの?」「いつ頃から歯並びが変化したとわかるの?」と気になっている方もいらっしゃるとおもいます。そこで今回は、歯列矯正の1ヵ月の変化や歯の動き方、変化を実感できる時期、変化を感じやすい人を解説します。
目次
歯列矯正の1ヵ月の変化
歯列矯正の際には、歯や歯を支えている歯ぐきや顎の骨への負担を考えてゆるやかな力をかけています。そのため歯列矯正をはじめて1ヶ月であっても変化を感じられるほど歯は劇的には動きません。1ヵ月で歯は約0.25~0.5mm動かせますので、変化はじっくり観察しないとわからないかもしれません。歯並びの状態にもよりますが、歯列矯正をはじめて半年くらい経過すると多くの方は変化を実感できるでしょう。
歯列矯正の歯の動き方
歯列矯正ではステップに分けて歯を動かしますので、詳しくみていきましょう。
①レベリング
歯並びはU字型に並んでいるのがよい状態とされますので、U字型に沿って歯1本1本時間をかけて並べることをレベリングと呼びます。歯列矯正の期間でレベリングの時期は歯並びの変化を感じやすいでしょう。レベリングを行う期間は半年~1年くらいあり、治療の半分近くの期間を必要とします。この時期は一時的に噛み合わないことがありますが、治療の後半で整えますので安心してください。
②トルクコントロール
トルクコントロールは、歯の傾きや捻じれを整える時期です。どちらかというと歯の根っこ部分の角度が変化するため、歯の位置は変わらず目で見て変化を感じにくいステップです。
③スペースクローズ
すべての歯をU字型に並べることが難しい場合は、中心の前歯から数えて4もしくは5番目の歯を抜く(便宜抜歯)治療を行うことがあります。このようなケースでは、歯を抜いた部分のスペースを閉じるために、ゴムやチェーンをかけてゆるやかな力をかけます。このステップをスペースクローズといいます。
④ディテ―リング
ディテーリングとは、矯正治療の最終段階です。歯並びの見た目が整っている時期ですので、何が変化しているかよくわからないと悩まれる方もいらっしゃいます。
「本当に治療は進んでいるの?」「いつ治療が終わったの?」などと不安になることもありますが、実際には上下の噛み合わせを精密に整えていますのでご安心ください。
歯列矯正の歯の動く仕組み
歯列矯正では以下のように歯が動きます。
1.矯正力が歯根膜に伝わる
2.歯が動く方向の骨を溶かす
3.歯が動き終わった場所に骨を作る
矯正力が歯根膜に伝わる
歯列矯正ではワイヤーにより歯に力を加えた場合、歯の根の周りにあるクッションの役割をしている歯根膜に力が伝わります。歯根膜は噛んだときにクッションの役割をしており顎の骨への負担を軽減します。歯根膜の性質を利用して歯を1本1本動かしていくのです。
歯が動く方向の骨を溶かす
矯正力が歯根膜に伝わり、歯の動く方向の歯根膜を圧迫します。歯根膜は圧迫されると縮みますが、歯根膜はクッションのように元に戻ろうとする性質があるため歯を動かす方向に歯根膜は伸びて顎の骨が溶かられます。その結果、歯を動かすためのスペースが作られるのです。
歯が動き終わった場所に骨を作る
反対に歯が動き終わった場所の歯根膜は引き伸ばされています。そして、そちら側では骨を作る細胞が活動して新しい顎の骨を作っていくのです。そのため、歯列矯正をしたことで顎の骨が完全に溶かされてなくなることはありません。顎の骨の破壊と再生を繰り返しながら歯を動かしていきます。
変化を実感できる時期
歯列矯正により変化を実感できるのには個人差があります。
1ヵ月目
治療開始したばかりの1ヵ月目は0.25~0.5mm程度しか歯は動いていないため、変化は実感しにくいです。歯並びの写真を撮影しておくとほんの少しの変化でも感じることができることもあります。1ヵ月経ったのに全然動いていないと感じると思いますが、強い力を加えて歯を無理に動かすことは望ましくありません。歯を支えている顎の骨の再生や破壊が追い付かずに負担がかかります。
早く歯を動かしたい気持ちはわかりますが、強すぎる力では歯がぐらぐらと動いたり、歯が抜け落ちたりするリスクが高まります。
3ヶ月目
歯列矯正をはじめて3ヶ月目には少しずつ効果を感じられるようになります。前歯が出ている方や歯のがたつきが強い方は歯が動いていると感じられる傾向があります。歯並びの状態はもちろん歯の動きやすさによっても治療の変化は異なります。そのため、3ヶ月目になっても変化を感じられなくても焦らずに治療と向き合うことが大切です。
6ヶ月目
歯列矯正から6ヶ月目になるとほとんどの方が歯並びに変化を感じられる傾向があります。軽度の歯並びの方や部分矯正治療をしている方は、6ヶ月くらいで治療が終了する方もいらっしゃいます。また、重度の歯並びの方であってもU字型に歯並びが整いだす頃なので目で見て変化を感じられるでしょう。
1年目
歯列矯正から1年経つと、歯並びがよくなってきたと感じる方がほとんどでしょう。治療中はゆっくりと歯が動いているため、数日間では変化を感じられないですが治療を開始した頃の歯並びの写真と比較してみると変化が大きいです。
当院でも矯正治療前には精密検査により歯並びの写真を撮影しますので、現在の歯並びと比較することが可能ですよ。治療中にモチベーションが下がってきた方は、目で見て変化を感じていただくことで前向きに治療に取り組めるようになるでしょう。
また、ワイヤー矯正治療に限らずにマウスピース型矯正でも1年くらいすると変化を感じられることがほとんどです。そのため、「もう治療を終了してもよいのでは?」と自己判断してマウスピース型のトレーを外してしまうトラブルもあります。しかし、十分に噛み合わせを整える前に治療を終えることになります。さらに、装置を外して放置すると悪い歯並びに後戻りするリスクが高まりますので、歯並びの見た目が整った感じがしても自己判断で通院をやめることなく最後まで続けましょう。
歯列矯正の変化を感じやすい人
ここからは、歯列矯正の変化を感じやすい人をみていきましょう。
顎の成長がある方
永久歯の生えたばかりのお子さまから顎の骨の成長が見られる中学生くらいのお子さまは、歯が動きやすい傾向があります。もちろん年齢も関係しますが、骨の細胞が活発に代謝している方であれば歯の動きがスムーズであることがわかっています。
歯並びを悪くする癖がない方
前歯を舌で押す、舌を噛む、口呼吸、頬杖など歯並びを悪くする癖を悪習癖といいます。この悪習癖がある方はゆるやかに歯を動かす力の方が負けてしまい歯の一部分がなかなか動かないこも。当院ではカウンセリング時や精密検査の結果で悪習癖が発見された場合、歯列矯正中にお口周りの筋力を整えるトレーニング(MFT)を行い悪習癖の改善にも努めます。MFTを歯列矯正を同時期に行うことで計画通りに歯並びが整うだけではなく、治療後も悪い歯並びに後戻りするリスクを低減することができるのです。また、悪習癖の原因で鼻炎も挙げられますのでこの場合は耳鼻科を受診して治療を受けられることをおすすめします。
代謝がよい方
歯の動きは顎の骨の代謝(破壊と再生)が関係しています。全身の代謝がよい方は顎の骨の代謝もよい傾向があります。規則正しい生活を送ることはもちろん、代謝を高める運動を取り入れることで歯の動きが変わることがあります。
まとめ
歯列矯正を行うと数ヶ月で変化を感じる方もいれば、半年くらいしてやっと変化を感じる方もいらっしゃいます。これは治療開始時の歯並びの状態や歯の動きやすさにも関係しているため、一概にどれくらいで実感できるとはいいきれません。計画通りに通院いただけていれば治療は進んでいますので安心してください。変化を知りたい方には治療前の歯並びの写真をお見せすることもできますのでご相談くださいね。