「出っ歯を治そうと矯正治療を考えているけど、お金がかかるから悩んでいる」「出っ歯だけど、そこまで弊害を感じていないから放置していても大丈夫かな」と、お考えの方はいませんか?
見た目は気になるけど、特に生活に支障がないから放置しているという方は多いかもしれません。しかし、出っ歯の放置はあらゆる影響を及ぼすといいます。今回は、出っ歯が健康に影響を及ぼしてしまう理由について詳しく紹介していきましょう。ぜひ、最後までお読みください。
目次
出っ歯の特徴
一般的に、出っ歯は上の前歯が前方へ突出している状態を示します。横から見ると、口元が極度に前に出ていることからバランスが悪いことが特徴です。さらに、上の前歯が突出することで口が思うように閉じられず、常に口が開いた状態になるケースが多く見られます。
出っ歯になる原因とは
出っ歯の原因は、主に先天的な原因と後天的な原因の2種類が存在します。もしかすると日頃おこなう癖が原因の場合もあることから、自分がどの原因に当てはまるか確認してみるといいでしょう。
出っ歯の原因①「遺伝」
全体の3割の出っ歯は、遺伝が原因だといわれています。両親のどちらかが出っ歯の場合、子どもに受け継ぐ可能性が高いでしょう。なかでも親から子へ遺伝しやすいといわれているのが、骨格です。骨格に問題がある出っ歯は、遺伝しやすい傾向にあります。
出っ歯の原因②「口呼吸」
出っ歯と口呼吸は互いに大きく関係しています。なぜなら出っ歯になると、無意識に口がポカンと開いた状態になるため口呼吸になりやすいからです。さらに、口呼吸自体が出っ歯になる原因をつくる場合もあります。通常、舌の位置は「スポットポジション」といわれる上の歯列内に収まるのが一般的です。舌の位置が正常の場合、舌や唇、頬粘膜にかかる力のバランスが均等にとれますが、口呼吸になると舌の位置が下方に下がるためバランスを崩しやすくなります。そうなると歯並びの乱れが起こり、結果として出っ歯を引き起こしてしまうのです。
出っ歯の原因③「舌癖などの悪癖」
出っ歯は、舌の癖が原因で引き起こされる場合もあります。無意識に舌を前へ押し出す動作を「舌突出癖」といい、この癖があることで歯が前へ押されて出っ歯になってしまうのです。さらに舌癖だけにかぎらず、指しゃぶりや爪噛みといった悪癖も出っ歯の原因につながります。このように知らず知らずのうちにしている行為が原因で、出っ歯になってしまっているのです。
出っ歯が健康に影響を及ぼすといわれる5つの問題
では、出っ歯になってしまうと何か健康上に影響はあるのでしょうか。ここからは、出っ歯を放置することによって起こりうる健康上の問題点を5つ挙げていきます。ご自身に当てはまるか確認してみてください。
問題点①「むし歯や歯周病の悪化」
出っ歯になると、まず起こりうる弊害が歯磨きの難しさです。歯並びが乱れると、細部まで磨くことが困難になります。食べ物のカスが残ったままの時間が多くなれば歯垢や歯石の付着につながり、結果としてむし歯や歯周病の悪化につながってしまうでしょう。また、出っ歯は上の前歯が突出することで口をうまく閉じることが難しくなります。口が開いたままの状態が続くことで口のなかが乾燥し、細菌の繁殖につながるのです。そうなると、むし場や歯周病を引き起こす確率が高くなってしまいます。
問題点②「顎関節症のリスク」
歯並びは、顎関節症と密接な関係にあります。
出っ歯の場合、歯並びの乱れから噛み合わせのバランスが崩れることで顎関節症のリスクが高くなります。顎関節症になると口を思うように開けられないだけではなく痛みや顔の歪みを引き起こす可能性があるため、早急な治療が必要です。
問題点③「胃腸の消化不良」
出っ歯は噛み合わせが正常ではないことが多いため、うまく噛むことが難しくなります。思うように噛めないと自然に噛む回数が減ってしまい、結果的に丸飲みに近い形で飲み込んでしまうのです。そうなれば胃腸など消化器官に負担がかかり、消化不良を引き起こしてしまうでしょう。胃腸のはたらきが低下すると、胸焼けや吐き気、食欲不振などにつながることから体に対する影響は極めて深刻です。
問題点④「頭痛や肩こりなど全身への影響」
出っ歯になると噛み合わせのバランスが崩れることから、頭痛を引き起こしやすいといわれています。これは「咬合関連症候群」といって、噛み合わせの異常から起こる症状のうちの1つです。左右のバランスが崩れると、あごの位置がズレることで頭痛が引き起こされ、そこから肩や背中へと広がり、ついには全身へと影響が及んでいきます。つまり噛み合わせの悪化を放置すればするほど、体のバランスが崩れ、さまざまな症状に悩まされてしまうことになるでしょう。
問題点⑤「口呼吸が起こすあらゆる弊害」
先程、出っ歯の原因として口呼吸を挙げました。出っ歯になると、口呼吸はさらに悪化するといわれています。口呼吸をつづけることで起こりうる弊害はいくつもあることから、出っ歯の放置は非常に危険です。口呼吸から起こる弊害は以下の症状が挙げられます。
● 口のなかが乾燥し、細菌感染のリスクが高まる
● 顎関節症のリスクが高まる
● 顔の筋肉のバランスが乱れ、顔つきが変化する
● 唾液が減少することで免疫力が低下する
● 睡眠時無呼吸症候群を引き起こす可能性が高い
● 視力の低下につながる可能性が高い
口呼吸の放置は、さまざまな悪影響を及ぼしがちです。
口呼吸の方は、睡眠中も口を開けている傾向があるため仰向けで寝た場合、下がった舌によって気道がふさがり睡眠時無呼吸症候群を引き起こしてしまう可能性が高いといわれています。また、口を閉じる力が弱いと視力が低くなりやすいというデータもあることから、口呼吸の弊害はあらゆる場面で起こるといっても過言ではありません。
出っ歯は心理的影響まで及ぼしてしまう
出っ歯が全身の健康に悪影響を及ぼしてしまうことについて理解していただけたと思います。しかしながら、出っ歯は心理的な影響にも関係しているのです。どのような影響があるのか、みていきましょう。
心理的影響①「笑顔に自信が持てなくなる」
出っ歯の方が笑うと、平常時に比べて口元が強調されて見えてしまいます。少しでも口元が気になるという方は笑顔を抑える仕草になり、自信がもてなくなる傾向が強いでしょう。また、出っ歯の方に多いのがガミースマイルという症状です。ガミースマイルは、笑ったときに上の歯ぐきが広範囲まで見えることで口元が強調されます。笑顔に自信がなくなると、人とのコミュニケーションを避けるようになり消極的な性格になる可能性が高いでしょう。どんどん自分の外見に自信がなくなると、心理的なストレスが重なり、うつ病やメンタルの病気につながるかもしれません。
心理的影響②「人と話すことがストレス」
出っ歯の方に多い特徴が、発音や滑舌の悪さです。特に「サ行」や「タ行」は、前歯や舌の位置関係が原因で発音しにくいといわれています。人前で話をするときに、相手から発音や滑舌の悪さを指摘されると、だんだん話すことがつらくなり精神的なストレスを感じるようになるでしょう。機能的な問題から心理的な悪影響へとつながり、ストレスやコンプレックスを抱きやすいと
いわれています。
出っ歯の治療で悩まれている方は、まずは当院までお気軽にご相談ください
出っ歯を放置することで口元だけではなく全身の機能面や心理面など、あらゆる影響が及んでしまうことがおわかりになったと思います。口元の健康は全身の健康につながっていることからみても、早めの矯正治療がおすすめです。現在、矯正治療の方法はマウスピース型矯正やワイヤー矯正など、いくつか種類があります。その方の出っ歯の症状や生活環境などを考慮しながら治療方法や期間、費用面などをご提案いたしますので、わからないまま治療が進むことはございません。まずは、カウンセリングを通して患者さまが抱く疑問やお悩みなどをうかがっていきます。
しっかりコミュニケーションをとりながら進めていきますので、少しでも気になることがございましたら、お気軽にご相談くださいね。