「前歯だけ気になるから治したい……。」「就職までに歯並びを治したい……。」
歯並びの気になる一部分だけを治したい場合、軽度の歯並びの不正であれば、部分矯正が適用になることがあります。部分矯正でも全体矯正と同様の装置を使用しますが、装置をつける部分が異なったり、装置が少なかったりします。そこで今回は、部分矯正ではどんな装置を使うかについて詳しくご紹介します。
部分矯正とは？
部分矯正とは、気になる一部分だけを矯正する方法です。矯正治療といえば全体的に装置をつける全体矯正が多いですが、主に見える部分の改善をする部分矯正もあります。歯を動かす部分が少ないため、費用を抑えて治療期間が短期間で治療を行うメリットがあります。その分、適応になる歯並びが限られています。
費用の目安
30～60万円程度
※歯並びの状態によって費用は異なります。また、矯正の種類によっても変わる場合があります。
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全体矯正とは？
全体矯正は、全ての歯のバランスを見ながら歯並びを整える矯正方法です。奥歯の噛み合わせのバランスも改善することができ、大幅に歯を動かす症例にも対応しています。見た目の審美性だけでなく、機能的な噛み合わせを改善することで、歯や顎の負担も軽減します。
費用の目安
100～120万円ていど
※歯並びの状態によって費用は異なります。また、矯正の種類によっても変わる場合があります。
【全体矯正については詳しくはこちらをクリック】
部分矯正が向いている方
・気になる部分だけを治したい
部分矯正は、前歯の一部分だけ気になる所がある方は向いている矯正方法です。すきっ歯や一部のねじれなど部分的な改善が見込めます。
・治療費用を抑えたい
部分矯正は、歯を動かす範囲が少ないため、その分治療費用の負担を軽減できます。
※ただし、審美的な目的の改善のため、医療費控除の対象にはなりません。
・矯正後の後戻りを改善したい
矯正治療をした後も保定装置を使用しない場合は後戻りをしてしまうことがあります。矯正治療は、歯を動かす期間と同程度の期間、「保定期間」が必要です。その期間、取り外し式の保定装置を使うことが多いのですが、決められた装着時間を守らなかったり、保定装置をつけていない期間が延びてしまうと少しずつ後戻りしてしまったりする場合があります。部分矯正は、そんな後戻りをしてしまった部分を改善するのに対応しています。
・短期間で治療を終わらせたい
目標となる期間が決まっていて、数本だけ気になる部分を改善したい場合は、治療期間を短くすることができる部分矯正が良いでしょう。
部分矯正ができない方
メリットの多い部分矯正ですが、歯並びの症状によっては適用にならない場合があります。そこで、部分矯正ができない方をご紹介します。
・噛み合わせの改善も必要な方
部分矯正は、奥歯の噛み合わせのバランスを改善することができません。そのため、噛み合わせのバランスが崩れている方は全体矯正が適用になります。噛み合わせが悪いまま放置していると、一部の歯や顎に負担がかかります。また、口周りの筋肉のバランスも崩れてしまうため、口だけでなく、肩こりや首こりなど咬合関連痛を引き起こすことがあります。噛み合わせのバランスが崩れている方は、全体矯正をしてバランスを整えて、お口の健康を維持しましょう。
・スペースが足りず、抜歯が必要な方
歯並びが凸凹している、前歯が出ている出っ歯などの歯並びは、スペースが足りずに歯列におさまらず、歯並びが悪くなります。そうすると、矯正をする場合、歯を並べるスペースが足りないため、抜歯が必要になることがあります。抜歯が必要なほどの歯並びの不正は、部分矯正が適用になりません。
・歯並びの不正が強い方
前歯の凸凹が気になる場合でも、大幅に歯を動かす必要がある症例は部分矯正では対応できず、全体矯正が必要な場合が多いでしょう。
部分矯正で使われる主な装置
・表側矯正
一般的な表側矯正は、全ての歯にブラケットとワイヤーを歯の表面に付けて歯を動かす方法です。表側矯正の部分矯正は、一部分の歯のブラケットとワイヤーを使用して歯を動かします。部分矯正は前歯に行うことが多いため、矯正装置が見える方法です。固定式の装置のため、取り外す必要はありません。ただし、従来の金属の矯正装置だけでなく、白や透明の審美ブラケットも選択できますので、矯正装置の見た目が気になる方はご相談ください。
・裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正(舌側矯正)は、歯の裏側にブラケットとワイヤーの装置をつける方法です。歯の裏側に装置をつけるため、矯正中の装置が見えにくい矯正です。裏側矯正(舌側矯正)の部分矯正も表側矯正と同様に歯の一部分に装置をつける方法です。固定式の装置のため、取り外しの必要はありません。裏側矯正は、歯の裏側に装置をつけるため、歯科医師の技術力や経験が必要な矯正方法です。当院では、裏側矯正を数多く行っており経験豊富な歯科医師が治療を行っていますので、お気軽にご相談ください。
・マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は、口の中をスキャンしてぴったり合ったマウスピースを作製します。少しずつ形の違うマウスピースに交換することで、歯を動かす方法です。ワイヤー矯正の部分矯正との違いは、マウスピース型矯正は全体矯正の場合も同じマウスピースを使用します。しかし、部分矯正の場合は、マウスピースの枚数が少ない特徴があります。そのため、歯を動かせる範囲が決まっています。インビザラインGOなどが部分矯正に対応していますが、枚数を決められています。マウスピース型矯正の流れは、部分矯正も全体矯正も同じですが、枚数が少ない分治療期間が短いです。装着時間は1日20～22時間必要で、取り外しができますが、その分自己管理が必要です。外している時間が長くなってしまうと、治療計画通りに歯が動かなかったり、治療期間が延びてしまったりする可能性があります。
審美治療のセラミック矯正
審美治療でセラミックの被せ物をして見た目の歯並びを改善する方法もあります。ワイヤー矯正やマウスピース型矯正との大きな違いは、歯を大きく削って被せ物をして、見た目を改善する点です。大切な歯を削ってしまうため、歯の寿命を縮める可能性があります。1度削った歯は元には戻らないため、治療を検討している場合は、ほかの矯正方法のメリットとデメリット、審美治療のセラミック矯正のメリットとデメリットを比較した上で治療を決めてくださいね。
まとめ
部分矯正でも、ワイヤー矯正の表側矯正、裏側矯正(舌側矯正)、マウスピース型矯正と全体矯正と同様の矯正方法で治療します。ただし、ワイヤー矯正の場合には、装置が付く部分が少ないなど、形態が違います。マウスピース型矯正の場合には、同じマウスピースを使用しますが、部分矯正の場合はマウスピースの枚数が少なくなります。セラミックで被せる方法も矯正と名前がついていますが、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正とは異なり、歯を動かさずに歯を削って被せ物をする方法です。審美的な改善はしますが、削った歯の寿命を縮めてしまう可能性がありますので、治療を開始する前によく検討してくださいね。当院では、ワイヤー矯正の表側矯正、裏側矯正(舌側矯正)、マウスピース型矯正に対応していますので、患者様の歯並びとご希望を考慮して矯正方法をご提案します。歯並びが気になる場合は、お気軽にご相談ください。