「子どもの受け口が気になって矯正を考えているけど、いつから始めたらいいかわからない」「大人になってからの受け口治療は、もう手遅れだよね?」
口元の悩みのなかでも代表的なトラブルといえば受け口でしょう。歯列不正も然ることながら見た目からでもわかりやすい特徴の受け口は、何歳になっても悩みの種です。受け口は子どもの頃からあるタイプと生活習慣の癖からなるタイプの2種類があり、それぞれ原因が異なります。そのため受け口の適切な治療開始時期がハッキリしないのです。今回は、受け口の原因や症状別からみた適切な治療開始時期について解説するほか、もし放置した場合どんなことが起こるかについても併せて紹介しましょう。
受け口の症状とは
受け口は噛み合わせたときに下の歯が上の歯を覆う状態を指し、正常な状態と反対の噛み合わせになることをいいます。一般的に受け口のことを「しゃくれ」という言葉で表すこともあるため、耳馴染みがある方もいらっしゃるでしょう。また、歯科用語でいわれる「下顎前突」や「反対咬合」も受け口を示す言葉として使用されます。混乱しやすいですが、いずれも同じ受け口を示す言葉です。
受け口の症状は大きく分けて2種類あります。それが「歯列が乱れているタイプの受け口」と「あごの骨格異常タイプの受け口」です。それぞれ特徴をみてみましょう。
受け口の症状①歯列が乱れている受け口の特徴
● 下の歯が上の歯に比べて前方に生えている
● 下の歯が外側方向へ傾斜している
● 上の歯が下の歯に比べて後方に生えている
● 上の歯が内側方向に生えている
受け口の症状②あごの骨格が異常の受け口の特徴
● 生まれつき下あごが上あごに比べて前方へ突出している
● 上あごの成長発育が未発達
● 下あごの成長発育が著しい
受け口になる3つの原因
ここからは、受け口の主な原因を3つ紹介します。
受け口の原因①「遺伝」
「受け口が遺伝する」と聞くと、怖いイメージを持たれる方も多いかもしれません。よく親から子へ遺伝する身体的特徴で身長がそれに当てはまりますが、実は歯並びや骨格も親から子へ受け継がれるといわれています。受け口も同様で、両親のどちらかが受け口の場合、子どもに遺伝する確率が高くなるでしょう。
しかし、かならず受け口が遺伝するとは限りません。「受け口かも?」と思われるときは自己判断せず、まずは矯正治療を専門とする歯科医師に相談されることをおすすめします。
受け口の原因②「口まわりの悪習慣」
口まわりの悪習慣も受け口の原因につながります。生まれつき歯並びや骨格に異常がなくても、子どものうちから悪い癖が身につくと後天的に受け口になる確率が高くなるのです。子どもは大人と比較すると、あごの骨がやわらかいため、以下のような悪い癖を続けることで歯並びや骨格異常を引き起こしやすくなります。
● 舌癖(舌を前へ突き出すような癖)
● 唇を吸う癖
● 指しゃぶり
● 下あごを前へ突き出すような癖
● 口呼吸
● 頬杖をつく
受け口の原因③「骨格の発育過剰または発育不全」
骨格的な発達も受け口の原因をつくります。多くみられるのは、下あごの発育過剰です。下あごが発達しすぎてしまうと上あごとのバランスがとれずに、受け口を引き起こしてしま
います。また、上あごの発育不全によって上あごが下あごよりも後ろに位置してしまうことで受け口を引き起こす場合もあるのです。ちなみに上あごの成長年齢のピークは10歳前後といわれていますが、下あごは15歳頃がピークとなり20歳くらいまで成長しつづけるといわれています。
受け口の矯正はいつからするべき?
では、受け口の矯正はいつから始めるべきなのでしょうか?結論、できるだけ早い時期の矯正治療がおすすめです。しかし、子どもと大人では骨の成長度合いが異なることから治療開始時期は以下の通りとなります。
子どもの受け口矯正の開始時期
子どもの場合、あごが未熟な時期であることから、あごの成長を利用した矯正治療が可能です。矯正治療開始のベスト時期は、3歳~12歳頃が望ましいといわれています。なぜなら、この時期はあごの成長時期や歯の生え変わりのタイミングであることから骨格の調整がしやすいからです。早い年齢であればあるほど骨格の問題にアプローチできるため効果が期待できるでしょう。また、受け口の原因でもある口まわりの悪習慣もこの時期に改善しておくとベストです。
大人の受け口矯正の開始時期
大人は子どもと異なり、成長過程を過ぎていることから矯正開始時期については特に決められていません。そのため、いますぐにでも治療を開始することができます。しかし、治療期間や治療内容が不明瞭だと、矯正治療をしたくても踏み込めない方もいらっしゃるでしょう。症状の程度にもよりますが、受け口の矯正治療期間は平均1~3年が目安といわれています。骨格に異常がある場合は矯正治療だけではなく外科手術も必要になるため、さらに治療期間を長く見積もっておくと安心です。
受け口を放置すると起こる影響やリスク
「矯正したいけど、いますぐは考えていない」「自分は受け口といっても、そこまで症状がひどくないから大丈夫」いますぐ矯正治療を考えていない方もいらっしゃると思います。しかし受け口を放置すると、あらゆる影響やリスクが出てしまうのも事実です。以下のようなリスクを抱える前にも早めの矯正治療をおすすめします。
受け口を放置するリスク①「外見上への影響」
骨格的な異常からくる受け口の場合、見た目から受け口とわかることでコンプレックスにつながる可能性が考えられます。「幼少の頃は特に気にしていなかったけど、思春期に入ったら急に見た目が気になりだした…」なんて場合もあるでしょう。外見上のコンプレックスを抱えると、メンタルにも影響が出はじめます。話す際に口元を隠したり笑うことを抑えたりするなど、どこか自信が持てなくなり、後ろ向きになってしまうことも考えられるのです。ストレスにもつながりかねないので放置することは危険だといえるでしょう。
受け口を放置するリスク②「むし歯や歯周病にかかりやすくなる」
歯並びが乱れると必然的にブラッシングが難しくなります。1本ずつ丁寧に磨こうとしても隅々まで毛先が届かなく、結果的にむし歯や歯周病を引き起こしてしまうのです。また、上下の歯がうまく噛みあわないことで唾液の働きが衰えてしまい、口の中が乾燥しやすい状態になります。そうなると、むし歯菌や歯周病菌が増殖してしまい、病気のリスクが高まるのです。ほかにも口臭の原因にもつながるなど悪影響は避けられません。
受け口を放置するリスク③「滑舌不良や咀嚼機能の低下」
受け口の方は、歯並びが悪いだけではなく歯と歯の間の隙間が広い傾向にあります。
隙間があると発音する際に空気が抜けやすく、特に「サ行」や「タ行」の発音が難しくなるのです。発音のほかにも舌の位置異常や動きの制限によって滑舌が悪くなりやすいといわれています。周りから「聞き取りにくい」と言われた経験がある方もいるのではないでしょうか。
さらに受け口の方は咀嚼機能が低下しやすいというリスクもあります。噛み合わせが正常でないと、食べ物を噛み切れずに丸飲みしてしまうのです。咀嚼が十分にできないと嚥下能力にも影響が出はじめ、結果的に消化器官に負担がかかりやすくなります。会話や食事は日常生活をおくるうえで必要な行為です。受け口を放置してしまうと、体の健康を損なう危険性があるため早めの治療をおすすめします。
受け口を放置するリスク④「あごの負担からくるトラブル」
噛み合わせの悪さを放置してしまうと、あごに負担がかかりやすくなります。思うように口を開くことができない開口障害や痛みを伴う顎関節症など、あごのトラブルを招きがちです。また、受け口の放置は顔の歪みにも影響が出やすいといわれています。顔のパーツはすべて筋肉によって支えられているため、一部に異常をきたしてしまうとバランスが崩れ、顔の歪みを引き起こしかねないのです。ほかにも頭痛や肩こり、腰痛など全身にも影響が生じてしまう恐れがあります。
受け口の治療
ここからは受け口の治療法について紹介していきます。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正は「矯正していることが周りにバレにくい」と人気の矯正治療です。透明のマウスピースを1日20時間以上装着して、徐々に歯並びを整えていきます。取り外しができることから食事や歯磨きに支障が少ないこともメリットだといえるでしょう。子どもの時期はマウスピースを使用して、歯並びはもちろん筋肉や舌のトレーニングをする治療をおこないます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットやワイヤーをつける固定式矯正治療です。ワイヤーの力を利用しながら歯並びを整えていきます。幅広い症例に対応しており、細かい調節も可能なことからマウスピース型矯正よりも比較的早く治療を終えることが可能です。
受け口に悩まれる方は当院までご相談ください
受け口の適切な治療開始時期は自己判断が難しいです。自分の受け口の状態を知るためにも、まずは当院のカウンセリングを受けてみることをおすすめします。治療開始時期だけではなく、終了時期の目安も把握することが可能です。また、治療に関する不安や疑問点がありましたら納得いくまで丁寧にご説明いたしますので、お気軽にご相談くださいね。
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