「肩こりが治らないのは歯並びのせい?」と気になっていませんか?肩こりの原因はいくつか存在し、その一つに歯並びの崩れが挙げらえます。影響する理由や正しい改善方法を理解して、肩こりに悩まされない体作りに役立てましょう。
目次
慢性的な肩こりの本当の原因は歯並びの崩れかも
お口の環境は肩や首のこり・痛みに影響することがあり、とくに歯並びの崩れは大きな要因です。リスクが発生する主な理由を以下でくわしくみていきましょう。
お口の筋肉は首や肩とつながっている
お口周りの筋肉は首や肩とつながっており、さらに背中や腰へと続きます。一箇所で問題が発生すると体はそれを補うように動くようになるため、過度な負担が増えてこりや痛みとなって現れることがあります。
噛み合わせのズレがお口の筋肉の負担を増加させる
噛むときに使用する筋肉の負担のバランスが崩れると、肩や首のこり・痛みにつながりやすくなります。偏った噛み方しかできない環境を放置していることが、慢性的な肩こりの本当の原因の可能性もあるので注意しましょう。
歯並びを整えると肩こりは改善される?
歯並びの崩れが原因のケースであれば改善が期待できます。歯並びの崩れがもたらすトラブルの多くは全身の負担を増加させる傾向にあり、それらが肩や首のこり・痛みを発生させる要因になっている可能性も考えられます。
歯列矯正は肩こりの改善が期待できるとともに「お手入れレベルの向上」や「顎関節症予防」「胃腸の負担軽減」「精神的ストレスの軽減」など全身の健康に役立つ効果があるため、早めに始めるほうが毎日を健康的に過ごしやすくなるでしょう。
歯並びの崩れが引き起こす肩こり以外のトラブル
歯並びの崩れが引き起こす肩こり以外のトラブルは、生活の質を大きく変えるものも少なくありません。放置するリスクを理解して、早めの改善を心がけましょう。
虫歯や歯周病の発生・悪化のリスク増加
隣接する歯との間に段差があったり重なっていたりすると、歯ブラシの毛先が歯面にあたりにくくなり、磨き残しがおこります。磨き残しは虫歯や歯周病の根本的な原因であり、歯並びが崩れている場合は通常よりも工夫したお手入れが欠かせません。歯列矯正をして段差や重なりを無くすことで、歯ブラシの毛先が歯面にあたりやすくなり、磨き残しの減少につながります。
顎関節症
噛むときに使用する筋肉の負担のバランスが崩れていると、過度な負担がかかる部位が原因で顎関節症を引き起こす可能性があります。顎関節症は一度発症すると治療まで時間がかかる傾向にあり、開口障害がおこるため普段の食事やお手入れはもちろん、歯科治療も困難になるため注意しなくてはいけません。質の低い治療は再発の原因の一つですが、お口が開けにくい状況では質の高い治療ができないので、予防や早期治療で顎関節症を防ぐことが大切です。
お顔の歪み
筋肉の負担のバランスが崩れるリスクとしてお顔の歪みも挙げられます。負担の多い筋肉が大きくなる傾向にあるため、偏った噛み方は左右非対称の見た目になりやすいといえるでしょう。お顔の歪みが気になる方は、噛み癖の有無や歯並び、噛み合わせの問題がないかを一度チェックすることをおすすめします。
胃腸の負担増加
全体でバランスよく噛めない状況は、お口周りの筋肉の負担が増えるほか、精神的なストレスも強いため早食いにつながりやすく、自然と咀嚼回数が減少する傾向にあります。その結果、胃での消化がしにくくなり栄養が十分に吸収されず栄養不足につながるケースも少なくありません。腸の負担も増えるため、便秘や下痢といったトラブルに発展することもあります。
アルツハイマー型認知症のリスク増加
噛む刺激は、歯や歯ぐき、歯槽骨といったお口の組織だけでなく、脳にもいい影響を与えます。うまく噛めない人はアルツハイマー型認知症のリスクが増加することが分かっており、寝たきりになるリスクも高めです。全体でバランスよく噛めるように整える歯列矯正はその予防に役立つといえるでしょう。
精神的ストレスの増加
しっかり噛めない環境の放置だけでなく、歯並びの見た目も精神的ストレスを増加させる傾向にあります。歯並びが原因で対人関係に悩む方も珍しくありません。外見の問題は引きこもりに発展する可能性も高いため注意が必要です。
口元の変化は外見の印象を大きく変えるものであるため、歯列矯正は精神的なストレス緩和にも役立つといえるでしょう。
歯並びを整える2つの方法
歯科医院で歯並びを整える方法は、大きく分けて2つあります。それぞれメリットとデメリットがありますので、十分に理解して選択するようにしてください。
被せ物でズレた歯の軸を周囲と合わせる
ズレている歯の軸を被せ物をして直す方法です。数回の通院が必要ですが、歯列矯正にくらべて期間が大幅に短く、被せ物の素材をセラミックにすることで、天然歯のような透明感のある自然な見た目に仕上げられます。神経のある歯で軸が大きくズレている場合は、削る量が多いため事前に神経を抜くことがあります。神経を抜くと栄養が送られないため脆くなる傾向にあり、ヒビや破折、歯根の先端に膿が溜まるといったトラブルがおこりやすいため、定期的なチェックが欠かせません。すでに神経を抜いている歯や虫歯がある歯には適した方法といえるでしょう。
歯列矯正
専用の装置を使って歯を動かして並べる方法です。天然の歯根がある歯が対象で、人工歯根であるインプラントは動かすことができません。全体矯正の場合、治療期間が2〜3年と長めですが、歯を削ることがほとんどなく、神経を残しておけるのが大きなメリットです。
歯を並べるためのスペースが不足している場合は抜歯をする必要があり、問題の有無に関わらず基本的には4番目または5番目の歯が対象となります。また、使用する装置によって使用感や管理方法が大きく異なるため、その点についても事前に理解しておく必要があります。
肩こりの改善に効果的な歯列矯正の装置は?
噛み合わせの問題がある場合、部分矯正ではなく全体矯正での治療が必要です。全体矯正では以下の装置から歯科医師が患者様のご要望のほかにお口の状態や患者様の管理能力をみて適切なものを判断します。
ワイヤー矯正(表側矯正)
歯の表面にブラケットとよばれる装置を貼り付けて、そこにワイヤーをとおして行う方法です。1本1本の歯に装置がつくため微調整がしやすく、さまざまな動かし方ができることで軽度から重度まで幅広い症例に対応できるのが大きな強みです。
固定式の装置がつくため人目につきやすいのが欠点として挙げられますが、最近では前歯部を白や透明の装置に変えられる歯科医院も増えおり、昔よりも選択しやすい治療法となっています。
裏側矯正(舌側矯正)
ワイヤー矯正の一種で、歯の裏面に装置を貼り付ける方法です。装置が人目につきにくいので、中等度や重度の症例で目立ちにくさを重視したいという方に向いています。表側矯正よりも高い知識やスキルが求められる治療法であることから、取り扱っている歯科医院が限られています。引っ越しや転勤などで転院が必要になる場合は、少し注意が必要です。
ハーフリンガル矯正
ワイヤー矯正の一種で、上顎を裏側矯正(舌側矯正)で、下顎を表側矯正で行う方法です。両方の欠点を改良したもので、上下顎裏側矯正(舌側矯正)で行うよりも費用を安く抑えられる傾向にあります。基本的に裏側矯正(舌側矯正)を取り扱っている歯科医院でしか受けられません。こちらも転院の予定がある場合は注意が必要です。
マウスピース型矯正
マウスピース型の装置を使用した方法です。装置が透明で目立ちにくく、取り外しが可能で食事やお手入れを今までどおり行えます。ワイヤー矯正よりも微調整が難しいため重度の症例にはあまり適していません。中等度の症例であっても装置の追加や治療期間の延長が必要になる場合があります。
肩こりがなかなか改善しない方は歯列矯正のご検討を
しつこい肩こりは生活の質を悪くする傾向にあり、原因が分からずに悩んでいる方は少なくありません。歯並びの崩れは肩こりを引き起こす可能性があるため、ほかの治療を受けても改善しないという方は一度歯科医院へ相談してみるといいでしょう。当院では、患者様の歯並びや管理能力に合わせて適切な治療法をご提案しております。お悩みの方はぜひお気軽にご相談ください。