目次
歯列矯正の痛みについて
痛い?痛くない?
気になる矯正の痛みを分かりやすくお話しします。
歯列矯正は「痛い」「辛い」というイメージをお持ちの方は多いと思います。矯正治療を始めようとする患者さまからは「どのような痛みですか?」「耐えられますか?」といった質問を時々お受けしますが、実は、矯正装置の進化に伴い、矯正治療の痛みも少しずつ緩和する傾向にあります。
こちらでは、矯正治療に伴う「痛み」がどういった種類のものなのか、どういった際に痛みを感じるのか、といったことなどについてお話していきます。矯正治療の「痛み」について不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
矯正治療の痛みとは?
矯正治療で感じる「痛み」とは個人差もあるものですが、痛みの原因・種類については主に以下が挙げられます。
- 1歯の周辺組織が圧を受けて変化し、歯が動く痛み
- 2歯の周辺組織が不安定な時にものを噛んで感じる痛み
- 3口内に装置があたる痛み
1番めと2番目は基本的に同じ痛みです。矯正装置を装着して間もない時期には、装置に引っ張られるような、ジンジンとした痛みを感じることが多く、そうした際に歯をかみしめるとやはり痛かったり、痛みが強くなったりします。この痛みは歯の周辺組織が矯正装置の圧力を受け変化を初めている際に生じるものですが、この時に歯の周辺では何が起きているのでしょうか?
歯が動く仕組みと痛み
骨吸収と骨造成
歯は歯槽骨と呼ばれる骨に埋まった状態で生えています。矯正治療は歯に力を加える事で、歯周辺の歯槽骨の骨吸収・骨形成(歯に押された歯槽骨が溶けて吸収され、反対側の歯槽骨が造られる仕組み)を促し、それを利用して歯を理想的な位置に移動します。こうして歯が動く際には痛みが伴いますが、人間の体のメカニズムを利用した治療なので体に害のある痛みではありません。
矯正中の痛みの質・種類は?
この矯正治療中に感じる「歯の動く痛み」は人によって異なりますが、「押される感じ」「圧迫される感じ」「ジンジンとしびれる」といった種類の痛みだと表現されることが多いです。
痛みはどれくらい続く?
ただ、この歯が動く際の痛みは、装置装着や調整後の3〜4日間がピークだと言われています。個人差がありますが、1週間程度経つと、徐々に痛みが和らいできます。
痛みの少ない装置選び
矯正治療に「痛み」があることは事実で、それをゼロにすることはできませんが、歯にかかる力を調節する(弱くする)ことによって矯正中に感じる痛みはある程度、緩和できます。
セルフライゲーションタイプの矯正装置を使用
梅田キュア矯正歯科では「セルフライゲーションブラケット」と呼ばれる矯正用ブラケットを使用しています。従来のブラケットはワイヤーを固定するものでしたが、こちらのブラケットは、ホルダー部分にワイヤーを通すだけなので、必要以上の力がかからない特徴を持ちます。歯に力をかけすぎないことで、矯正治療特有の痛みを抑えてくれる他、歯周組織に負担をかけすぎないので、歯の動きも早まる効果があります。
マウスピース型矯正も選択肢のひとつです
歯に力をかけすぎない、という点ではマウスピース型矯正も同様で、痛みに配慮した矯正装置の一つとして挙げることができます。マウスピース型矯正の場合は食事の際には取り外しができるので、マルチブラケットによる矯正治療よりも、食事の際の苦痛は少ない点が特徴です。
また、マウスピースは滑らかな薄いプラスチックでできているので、口の中を傷つけにくく、「口内炎などの痛み」を避けることができる矯正方法です。
お口の中に装置が当たる痛み
ここまで、主に矯正治療特有の「歯が動く痛み」についてお話ししてきましが、矯正治療中には装置がお口の中に当たる痛みや口内炎で悩む方もいらっしゃいます。
裏側矯正治療は表側矯正治療に比べると唇を傷つけにくく、マウスピース型矯正も同様ですが、装置が常にお口の中にある状態で過ごしているので、口腔内のトラブルが全く生じないわけではありません。
ブラケットやワイヤー、マウスピースに付くアタッチメントがお口中にぶつかって痛い時には、ワックスで装置をカバーすることで改善します。また、口内炎ができてしまった際にはお薬の処方もいたしますのでお気軽にご相談ください。
矯正用アンカースクリューの痛みとは?
ここまで一般的な矯正治療で生じる痛みについてお話ししてきました。最後に、矯正治療を強力にサポートする「歯科矯正用アンカースクリュー」の痛みについて少し触れていきます。
骨にネジを埋め込むって痛くないの?
「歯科矯正用アンカースクリュー」は全ての症例に使われるわけではありませんが、歯を大きく動かす際や難しい症状に対応する際に用いられる装置です。「歯科矯正用アンカースクリュー」は直径 1.5mmほどのチタン製スクリュー(ねじ)を歯周辺の骨部分に埋め込むことで使用するので、その話だけを聞くと患者さまにとっては抵抗を感じる方もいらっしゃいます。
意外かもしれませんが、アンカースクリューの設置ではほとんど痛みを感じることはないと言われています。もちろん、治療では局所麻酔を施しますが、設置は電動トルクドライバーを用いて数分で完了し、出血もほとんどありません。
アンカースクリュー設置過程と痛み
- 1アンカースクリュー 設置には局所麻酔を施すため痛みはありません。
- 2処置後、麻酔が切れた際に痛みを感じることがありますが、必要に応じて痛み止めを服用します。
- 3アンカースクリューの定着確認後、ゴムなどで矯正装置と連結させ使用しますが、この時にはすでに痛みは感じません。
- 4矯正治療完了後、アンカースクリューを取り外しますが、その際にも痛みは感じません。
- 5アンカースクリュー撤去後、歯肉部分の穴はすぐにふさがり、痛みも感じない場合がほとんどです。その下の骨も1ヶ月程度でふさがっていきます。
矯正治療を開始するまでは、「痛み」について不安なことが多いと思います。矯正治療の痛みに関しては「耐えられない」ほどのものはありませんが、痛みの感じ方は患者さまそれぞれ。梅田キュア矯正歯科では、患者さまひとりひとりの不安やお悩みに耳を傾け、対応してまいります。痛みを感じる際には、我慢せず、まずご相談ください。