「歯並びが悪い」と言われると一番に思いつくのは、どのような歯並びでしょうか❔
おそらくほとんどの人が、前歯や、程度によっては奥歯がガタガタに並んでいる歯並びをイメージすると思います🦷✨
鏡で見て分かるのは勿論、舌で触って隣同士の歯の段差が大きかったり、
一本だけ歯の並びから外れていたりしたら気になるという方も多いのではないでしょうか。
今回は矯正歯科を受診される方で最も多いであろう悩み「ガタガタ歯並び」の治療についてお話しさせていただきます🧑🌸
このガタガタの歯並び、矯正歯科では専門用語で「叢生」と言いますが、
この叢生で仲間外れになっている歯を動かすこと自体は矯正ではあまり難しくありません。
というのも、仲間外れになっている歯は大抵、他の歯が並んでいる歯並びのアーチから外側または内側に少し倒れているだけで
、それを起こしてあげるだけの動きでいいからです。
ただし、動きとしては簡単なこの叢生ですが、一つ避けられない大きな問題があります。
それは、歯並びのアーチの中に、その仲間外れの歯が戻れる「スペースがない」ということです。
そのため、実際にこの叢生を治療していくためにはこの足りないスペースを如何に作っていくか、ということが最大の問題になります✨
このスペースを作るための方法としては、主に以下の3つのやり方があります。
- 機能的に重要でない歯を抜く。
- 全体の歯を少しずつ削る(IPR)
- 全体の歯並び(アーチ)を外側に広げる
意外に思われるかもしれませんが、基本的に①のやり方が一番確実で、歯の周りの骨、周囲の組織にとっても負担が少なく、早く終わることが多いです。
非常に軽度な場合は②の方が早く仕上がりが良いこともあります。③は抜かない・削らないため、一見いちばん無難に思えるかもしれませんが、大抵の場合大きく口元が前に出てしまう結果になりお勧めできません。それ以前に、歯の周りの骨から外れた方に大きく歯を動かさなければいけないため、現実的ではない場合も多くあります。
矯正治療によって、無限に・縦横無尽に歯を動かせるわけではありません。
歯を支える骨や歯自体の動きやすさなどを加味した上で、現実的な治療計画を立てなくてはいけません。
歯を抜くことは勿体ないと思うかもしれませんが、悪い噛み合わせや歯並びを放置しておくと将来、
抜きたくない大事な歯がどんどんダメになって結局抜かなければいけないなんてことにもなりかねません💦
人生の最後まで、なるべく長く自分の歯と付き合っていくためにも、早めのご決断をお勧めいたします。