矯正治療を始めたいと考えている方の中には「費用を抑えて短期間で治療したい」「前歯の1本だけを矯正したい」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
大人の歯列は、全部で28本〜32本の永久歯があり、全ての歯が揃っていることや骨格の状態によって歯並びや噛み合わせのバランスを維持しています。そのため、歯並びや骨格の状態によっては1本の歯だけを動かすことが可能な場合と、難しい場合があります。今回は、気になる部分だけの歯列矯正はできるのか、治療の方法や、治療の向き、不向きについてご紹介します。
目次
歯並びを1本だけ矯正することはできる?
結論から言うと、1本だけの歯を動かす矯正治療は、部分矯正ができる条件を満たしていれば可能です。例えば、小さなすき間が一部だけ開いているようなすきっ歯や、1本だけの軽度な歯の傾きなどの症状には部分的な矯正ができます。しかし、歯並びが重度の症例の場合は、歯が生えるための顎のスペースが足りずに歯並びが悪化しているケースが多くみられます。このようなケースには、全体の噛み合わせのバランスが悪くなっている場合が多く、噛み合わせを含めた矯正治療をする必要があります。歯並びが悪くなっている原因は、骨格的なものや歯の傾きによるもの、または、骨格と歯の両方の原因がある場合もあり、人それぞれ異なります。根本的な原因が骨格にある場合は、外科処置が必要になることがあるため、まずは部分的な矯正が可能かどうかを歯科医師に相談する必要があります。
部分矯正ってどんな治療?
部分矯正は、気になる歯や歯列にだけ限定的に矯正治療を行う方法です。部分矯正の適応範囲は上下の犬歯から犬歯までの12本の前歯です。歯並びの状態にもよりますが、主に前歯の軽度の歯並びをワイヤー矯正やマウスピース矯正などの方法で治療することができます。治療範囲が前歯の部分だけになるため、治療期間が短く、全体矯正に比べて費用も安く抑えられます。奥歯の噛み合わせを含めた広範囲の治療が必要な場合や、外科矯正が必要な症例には適応できません。
部分矯正が適応できるケースや適応できないケースの特徴
矯正治療を決める際には、部分矯正が可能かどうかの基準や条件を確認する必要があります。部分矯正ができるケースは、基本的に骨格や全体のかみ合わせに大きな問題がなく、抜歯をしなくても歯を動かすスペースがあるということが前提です。他にも治療範囲が適応範囲であることや、症状の程度も軽度であることなどの条件があります。
【部分矯正が適応できるケース】
1. 軽度のすきっ歯
2. 1本だけの歯のねじれ
3. 犬歯の八重歯だけを改善する
4. 軽度の受け口
5. 軽度の出っ歯
6. 矯正後のわずかな後戻り
全体の噛み合わせに問題がある方や、歯並びの乱れが重度の方は部分矯正を行えない場合があります。患者様からご要望があった場合にも、後々歯並びや噛み合わせに問題が起こる可能性があるため、以下のような症状がある方はおすすめできません。
【部分矯正が適応できないケース】
1. 骨格性の受け口や出っ歯
2. 噛み合わせに大きなズレがある
3. 抜歯が必要な矯正治療
4. 全体的なすきっ歯
5. 重度の叢生
6. 歯並びの凸凹が広範囲にある
7. 開咬で前歯が噛んでいない
部分矯正の期間と費用
◯期間について
部分矯正は前歯のみの範囲を動かすため、全体矯正と比べると比較的短い期間で治療を完了することができます。通常、全体矯正は個人差がありますが約半年〜4年以上の治療期間です。部分矯正の場合は約2ヶ月〜1年程度の期間が目安になります。また、ワイヤー矯正やマウスピース矯正などの矯正治療の種類によっても治療期間が変わる場合があります。
◯費用について
部分矯正の費用は、一般的に全体矯正の半分程度の費用で受けることができます。裏側矯正と表側矯正では使用する装置や治療の難易度が違うため裏側矯正の方が費用が高くなりますまた、ワイヤーやブラケットの素材によっても費用が異なる場合があります。目立ちにくく汚れがつきにくいジルコニアやセラミック製のブラケットは、金属製のものよりも費用が高くなります。
部分矯正にはどんなメリットがある?
部分矯正は歯を動かす範囲が限られているので、治療の費用を抑えたり、治療期間を短縮できたりします。症状によっては数ヶ月で治療が完了するケースもあります。部分矯正には、主に以下のようなメリットが挙げられます。
・費用を少なくすることができる
・歯の移動距離が短く治療期間を短縮できる
・気になる部分だけを改善できる
・痛みや違和感が少ない
・発音に影響が出にくい
部分矯正のデメリットについて
良い点が多い部分矯正ですが、噛み合わせや、大きく歯を動かす必要がある場合には適応できない場合があります。一部の見た目が綺麗になっても、奥歯の噛み合わせが悪いままだと、顎や一部の歯に大きな負担がかかってしまいます。噛み合わせが悪い状態を放置しておくと、歯がすり減ってしまうことや、歯の破折、矯正後の後戻りを起こすことがあります。また、顎に負担がかかることから顎関節症や、肩こりや偏頭痛など、全身の健康状態に悪影響が出てしまうこともあります。さらに、歯を動かすスペースを作るために、必要であれば周囲の健全な歯を削ることもあります。
・重度の症例は治療できない
・広範囲の歯列不正には向かない
・噛み合わせのズレは改善できない
・調整のために歯を削ることがある
部分矯正の種類
①ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯に固定したブラケット装置にワイヤーを通し、定期的にワイヤーを調節して歯並びを整える矯正治療です。歯の表側に装置を付ける表側矯正と歯の裏側に付ける裏側矯正があります。また、裏側矯正は歯の裏側に装置が配置されるため、表側矯正に比べて目立ちません。ワイヤー矯正は多くの症例に適応できるメリットがあります。固定式であるため、食後に食べかすや汚れが残りやすい面があるため、装置やワイヤーの周りを歯ブラシでお手入れすることが重要です。
②マウスピース矯正
プラスチック素材のマウスピースを使用する矯正方法です。マウスピース矯正は、自分で装着や取り外しが可能なため、食事制限や歯磨きに影響がなく手軽に使用することができます。また、透明なマウスピースは矯正治療中にも付けていることが目立ちません。ワイヤー矯正と比較すると、通院の頻度が少なくなるといったメリットもあります。しかし、重度の不正咬合はマウスピース矯正が難しい場合もあります。また、指定の時間を守って装着を継続する必要があり、付け忘れなどがあると計画通りに歯が移動しないことがあります。そのため正確な自己管理が重要です。装着が不十分だと、歯のズレが生じる可能性もあるため注意が必要です。
まとめ
気になる特定の部分だけの矯正や1本だけを治療する方法は、部分矯正が適応できる症例は可能であることをお話ししました。部分矯正は、期間を短縮できることや、費用を抑えられるメリットがありますが、噛み合わせや骨格の状態によっては、部分的な歯並びを治療しても根本的な改善にはならない場合があります。部分矯正は治療できる範囲や症例が限られている矯正治療であるため、歯科医師との相談の上、適切な治療法を選択することが重要です。後悔を避けるためにも、矯正治療を受ける際は慎重に検討しましょう。梅田キュア矯正歯科では、患者さまのお悩みやご要望を丁寧にお伺いし、その方に最適な治療方法をご提案させていただきます。無料カウンセリングも行っておりますので、お気軽にご相談ください。
そして、歯列矯正に興味がある方、気になっている方もぜひ一度梅田キュア矯正歯科の無料カウンセリングにお越しください。梅田キュア矯正歯科では、患者さまの悩みに寄り添いながら、お一人お一人に合った治療方法を提案させていただきます。無料カウンセリングはWEBまたはお電話にてご予約お承りしております(`・ω・´)心よりご来院お待ちしております!!