歯列矯正は自費治療で、高額な費用や時間がかかります。そのため「歯列矯正に向いていなかったらどうしよう…」「矯正をして後悔したくない」と悩んでいる人も少なくありません。そこで今回は、歯列矯正をやめた方がいい人の特徴について紹介します。また、アンキローシスについてもあわせて解説。歯列矯正を始めようか迷っている人は、是非この記事を参考にしてください。なお、当院の歯列矯正のメニューはこちらから確認できます。【当院の歯列矯正メニューについてはこちらをクリック★】
目次
歯列矯正の目的
歯列矯正をやめた方がいい人の特徴を知る前に、歯列矯正の目的について確認しておきましょう。そもそも、歯列矯正をする目的は次の2つがあります。
● 見た目の改善
● 噛み合わせの改善
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
見た目の改善
歯並びが悪い状態のことを専門用語では、不正咬合(ふせいこうごう)といいます。不正咬合には上顎前突や反対咬合、叢生、開咬、過蓋咬合などの種類があります。その中でも、上顎前突や下顎前突は見た目に大きく影響が出やすい不正咬合です。上顎前突は上の前歯が前に突き出ていて、いわゆる「出っ歯」と呼ばれる状態のこと。反対咬合は、下の前歯が上の前歯より前に突き出ていて「受け口」や「しゃくれ」と呼ばれる状態のことです。どちらの状態も歯が前に突き出ているため、口元の見た目がコンプレックスに感じている人も少なくありません。
しかし、歯列矯正では出っ歯や受け口を改善することが可能。今まで悩んできた見た目のコンプレックスから解放されて理想的な口元になると、自然に歯を見せることができるようになるため、自分への自信に繋がります。
ただ、重度の不正咬合の場合には、外科矯正の処置が必要になるケースもあります。なお、当法人グループでは外科矯正にも対応しています。外科矯正についての詳細が気になる方はこちらも一緒に見ておきましょう。【外科矯正について詳しくはこちら】
噛み合わせの改善
歯列矯正は見た目だけでなく、噛み合わせの改善も目的になります。たとえば、開咬(かいこう)は、上下の前歯の間に隙間がある状態のこと。開咬は上下の前歯に隙間があるため、前歯で麺類を噛み切ることができません。また、上下の前歯が噛み合っていないことで、奥歯に負担がかかっている状態。奥歯にかかる過度な力が負担になり、将来的に歯を失うリスクが高くなります。歯列矯正で噛み合わせを正しい位置にすると奥歯への負担が軽減されて、バランスよく全体に噛む力がかかるようになり、歯の寿命が延びることにも繋がります。
歯列矯正をやめた方がいい人の「7つの特徴」
歯列矯正は歯科医師の技術力が必須になりますが、患者の協力がないと治療は成功しません。特に次の7つの特徴に当てはまる人は、歯列矯正をやめた方がいい傾向があります。
● 虫歯や歯周病になりやすい
● 歯磨きケアをしない
● 痛みに弱い
● 全身疾患がある
● 定期的に通院できない
● 支払いができない
● 担当医の指示が守れない
それぞれについて詳しく解説します。
虫歯や歯周病になりやすい
虫歯や歯周病がある場合には、歯列矯正より治療を優先することがほとんどです。特に、歯周病は歯の周辺の骨を溶かす病気です。歯列矯正では歯を動かすため、骨が少ない部分に歯を移動すると安定せず、最悪の場合には抜けてしまう恐れがあります。また、歯列矯正で使用する装置によっては、虫歯や歯周病のリスクが高くなる傾向です。
そのため、矯正を始める前に虫歯や歯周病を治療して、歯や歯茎などを健康な状態にしておくのがおすすめ。ただ、軽度の虫歯や歯周病の場合には歯列矯正と並行して、治療をする歯科医院もあります。
歯磨きケアをしない
歯磨きをする習慣がない人は、歯列矯正が難しい傾向です。そもそも歯並びが悪い状態は歯磨きがしにくく、虫歯や歯周病になりやすいです。歯列矯正を始めることで少しずつ歯並びがキレイになり、歯磨きケアがしやすくなりますが、歯に固定するタイプの矯正装置は食べかすが溜まりやすく、歯磨きの難易度が高くなる傾向です。さらに、矯正装置が歯に付いている状態は虫歯や歯周病のリスクが高まります。矯正中に虫歯や歯周病が発症すると矯正を中断して治療を行うことが多いため、矯正期間が長くなる原因になりやすいです。矯正中のトラブルを防ぐためにも、歯列矯正をする前から歯磨きをする習慣を身につけておきましょう。
痛みに弱い
痛みに弱い人は、歯列矯正を続けられない可能性があります。歯列矯正は歯に少しずつ負荷をかけて動かすため、歯が動く時に痛みを感じやすいです。特に歯列矯正を開始した際にはレベリングを行うため、痛みを感じる傾向があります。レベリングとは、ある程度歯並びをキレイに整える処置のこと。レベリングでは凹凸している歯や傾いている歯を動かすため、痛みを感じやすいのです。他にも矯正装置の調整後2〜3日は痛みを感じやすいですが、その後少しずつ痛みが治ってきます。痛みの感じかたには個人差はありますが、特に痛みに弱い人は矯正中の痛みが辛いと感じることも少なくありません。
全身疾患がある
歯列矯正に年齢制限はありませんが、高齢になるほど健康面から歯列矯正ができないと判断されるケースも少なくありません。特に持病がある人で抜歯が必要なケースでは「理想的な歯並びは難しい」と言われることがあります。たとえば、高血圧や心筋梗塞などの疾患がある人は抜歯を行うことで出血が止まらない、細菌感染を引き起こすといったリスクがあります。他にも、骨粗しょう症の人は薬の影響で抜
歯後に顎の骨が腐ってしまう顎骨壊死(がっこつえし)が起きることがあり、歯列矯正が難しいと言われる可能性が高いです。しかし、全身疾患のある人でも歯列矯正ができるケースが増えています。たとえば、歯を少し削って隙間をつくるディスキング、歯科矯正用アンカースクリューといった小さいネジを活用して歯を後ろに下げる、などの方法を行うことで抜歯をせずに歯列矯正は可能です。なお、抜歯以外の歯のスペースをつくる方法の詳細を知りたい人は、こちらも参考にしてください。【歯科矯正用アンカースクリューについて、詳しくはこちら】
定期的に通院できない
矯正中は、装置の調整や歯並びの状態を確認するために定期的な通院が必要です。使用する装置によって通院する頻度は違いますが、歯並びが計画通りに動いているか、虫歯や歯周病になっていないかなどを来院の際に確認します。そのため、6ヶ月〜1年に1回の間隔でしか通院できない場合は歯列矯正が難しいですが、まずは通院間隔についてクリニックに相談しましょう。
支払いができない
歯列矯正は自費治療で、費用が高額になりやすいです。そのため、治療費を支払う自信がない人は歯列矯正が難しいでしょう。ただ、歯科医院によってはデンタルローンや分割払いといった支払いシステムを取り入れているところがあります。矯正費用に不安のある人は、支払いについて担当医に相談するといいでしょう。なお、当院では歯列矯正を受ける人の負担を軽減するためにトータルフィー制度とデンタルローンを取り入れています。当院の料金システムについて興味のある人はこちらもあわせて確認してください。【料金システム・デンタルローンについて、詳しくはこちら】
担当医の指示が守れない
歯列矯正は歯科医師の技術だけでなく、患者の協力が欠かせません。特にマウスピース型矯正は1日に20時間以上の装着時間が必要で、患者自身でマウスピースの交換を行います。マウスピースの装着時間や交換時期など担当医の指示が守れない場合には、治療計画の見直しや治療期間の延長が必要になり、追加で費用がかかることもあります。
アンキローシスの歯があると歯列矯正はやめた方がいい?
健康面の問題以外にも、アンキローシスという歯の状態は歯列矯正が難しいケースといわれています。そもそもアンキローシスとは、歯が顎の骨とくっついている状態のこと。歯列矯正では歯を動かして歯並びを整えていきますが、アンキローシスの状態では歯を動かすことができません。アンキローシスの歯がある場合には、対象の歯を一度抜歯をして脱臼させ、くっついていた歯と骨を引き離してから元に戻します。その後、歯と骨がくっつく前に歯を動かして歯並びを整えていくといった処置の流れが一般的です。ただ、歯を脱臼させても歯が動かない場合には、次のような処置を行うことがあります。
● 抜歯をしてインプラントを入れる
● 被せ物を入れて歯の形や向きを調整する
上記の処置を行うことで、アンキローシスの歯があるケースでも歯列矯正は可能です。なお、アンキローシスについて詳しく知りたい方は、こちらもあわせてご覧ください。【アンキローシスについて詳しくはこちら】
まとめ
今回は歯列矯正をやめた方がいい人の特徴を紹介しましたが、歯列矯正ができる状態なのかは自己判断せず、歯科医院に相談することがおすすめ。矯正装置や期間などを聞いた上で歯列矯正を始めるのか判断しましょう。なお、当院では矯正相談を受け付けています。お気軽にご相談ください。【カウンセリング予約はこちらをクリック★】