ワイヤー矯正は、歯列矯正の中でもスタンダードな治療法です。現在はマウスピース型矯正といった治療法もあり「自分にはどの治療法があっているのかわかりにくい…」と悩んでいる人もいると思います。そこで本記事では、矯正装置の選び方について解説します。ワイヤー矯正を選んだ方が良い人や装置の特徴などもあわせて紹介。矯正装置の選択に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。なお、当院の矯正治療について興味のある人は、下記のページを確認しておきましょう。
目次
矯正装置の種類
矯正装置の選び方を知る前に、矯正装置について理解しておきましょう。矯正装置には大きく分けて以下の2つの種類があります。
● ワイヤー矯正
● マウスピース型矯正
それぞれの装置の特徴について詳しく解説します。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットとワイヤー装置を固定し、直接歯の動きを調整しながら歯並びをキレイにします。矯正治療の中でも歴史ある方法で、さまざまな歯並びに対応できるのが特徴。歯に装置を固定させるため、食べかすが溜まりやすく歯磨きケアが難しい点がデメリットです。なお、ワイヤー矯正には以下の3つの矯正装置があります。
● 表側矯正
● 裏側矯正(舌側矯正)
● ハーフリンガル矯正
ここからは、さらに詳しく装置について解説します。
表側矯正
表側矯正は歯の表側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯を動かす治療法です。通常は金属のブラケットやワイヤー装置の使用が一般的ですが、金属はギラギラ感が強く、口元が目立ちやすい傾向です。しかし近年では、歯の色にあわせてプラスチックやセラミックのブラケット、白やゴールドのワイヤー装置に変更することで、外見を目立ちにくくできます。なお、当院では表側矯正を取り扱っていますが、なるべく目立たない方法で治療を進めていきます。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正とは歯の内側にブラケットやワイヤー装置を付けて、歯並びを整える治療法のことです。歯の内側に装置を付けるため、他人から矯正していることがほとんどわかりません。裏側矯正の装置は、オーダーメイドでの作成や歯科医師の高度な技術が必要で、対応できる歯科医院が限られます。なお、当院では基本的にセルフライゲーションブラケットの裏側矯正を取り入れております。そのため歯周組織に負担をかけず、効率的に歯を動かすことが可能。当院の裏側矯正について詳しく知りたい人はこちらのページをご覧ください。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正では上顎の内側に、下顎の表側にブラケットやワイヤー装置を付けて歯を動かしていきます。表側矯正と裏側矯正の良い部分を取り入れた治療法で、費用を抑えながら装置を目立ちにくくできる点がメリットです。ただし、噛み合わせが深い過蓋咬合(かがいこうごう)の状態ではハーフリンガル矯正は適応できません。なお、当院ではハーフリンガル矯正を取り入れております。ハーフリンガル矯正の治療法が気になる人はこちらのページもあわせて一読ください。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正とはマウスピースを数十枚準備し、決められた日数の間隔で交換しながら、歯並びを少しずつ整える治療法のこと。マウスピースは取り外しができるため、食べ物が装置に詰まる心配がありません。
矯正前と同様に歯磨きができ、口内を清潔に保ちやすい点が魅力と言えるでしょう。また、ワイヤー矯正は1ヶ月に1回の通院が必要ですが、マウスピース型矯正は2〜3ヶ月に1回と通院頻度が少ない点もメリットです。なお、当院ではマウスピース型矯正を行っています。詳しい治療内容や費用などについて興味のある人はこちらのページを見ておきましょう。
矯正装置の選び方
矯正治療を開始してから「やっぱり自分にはこの矯正装置は合わない…」と思っても、装置を変更するのは費用や治療期間などを含め、現実的ではありません。そのため、次の項目を考慮してから矯正装置を選ぶようにしましょう。
● 装着時の外見
● 歯磨きの容易さ
● 仕事への支障
● 自己管理の有無
● 費用
● 担当医からのアドバイス
それぞれについて詳しく解説します。
装着時の外見
ワイヤー矯正の中でも裏側矯正は、装置が目立つ心配はほとんどありません。また、マウスピース型矯正は透明なマウスピースを口内に装着しても、近づいて見ないと他人から矯正治療をしていることがわからないほどです。矯正装置を付けた時の外見が気になる人は、目立ちにくい装置を候補に考えると良いでしょう。
歯磨きの容易さ
矯正装置によって、歯磨きのしやすさが変わります。たとえば、ワイヤー矯正は装置を歯に固定するため、食べ物のかすが溜まって磨き残しが多くなる傾向です。いっぽう、マウスピース型矯正は取り外しができ、歯磨きがしやすく口内を清潔に保ちやすいです。虫歯や歯周病のリスクにも繋がるため、ワイヤー矯正を選んだ際には歯磨きのケア方法を歯科医師や歯科衛生士から教わるのがおすすめ。
仕事への支障
矯正装置を選ぶ時には、仕事内容も考慮しましょう。たとえば、営業や接客業などの人前で話す仕事をしている人は、発音に影響が出ない装置がおすすめです。特に舌がある下顎の内側に装置を付けた場合には、発音が不明瞭になる恐れがあります。しかし人は、環境に適応しようとする傾向があります。舌側に装置を付けた場合でも数週間〜1ヶ月ほどで慣れて、発音に問題なく会話できるケースがほとんどです。
自己管理の有無
マウスピース型矯正は装置が目立たないといったメリットがあるいっぽうで、自己管理が必須。1日に20時間以上の装着や指定された日数の間隔で、マウスピースを交換する必要があります。そのため「管理する自信がない」「物をよく失くす」といった自己管理が苦手な人には、マウスピース型矯正はおすすめできません。そんな中、ワイヤー矯正は歯に直接装置を固定し
ていて、患者自身で外せないようになっています。月に1度の通院時に歯科医師が直接調整するため、装置を管理する必要はありません。
費用
矯正治療は基本的に外見の改善を目的としているため、自費診療になります。使用する装置によって費用は多少異なりますが、矯正費用の相場は800,000円〜1,500,000円ほどです。まとまった金額が必要になるため、矯正治療を諦めた人もいると思いますが、近年ではデンタルローンを取り入れている歯科医院が多く、利用する人も多い傾向です。なお、当院でもデンタルローンを取り扱っています。デンタルローンの詳しい内容について知りたい方はこちらのページもあわせて一読下さい。
担当医からのアドバイス
歯科医師は歯並びの状態や最終的な歯並びの形、矯正治療をする難易度など、さまざまな情報や診査結果を含めたうえで治療計画を立てます。自身の希望だけでなく、担当医のアドバイスも参考にしながら装置を選びましょう。
装置別、ワイヤー矯正を選んだ方が良い人
人によって、重要視することや歯並びの状態などは違います。ここでは、装置別にワイヤー矯正を選んだ方が良い人の特徴について紹介します。
表側矯正
以下のような特徴がある人は、表側矯正がおすすめです。
● 費用を安く抑えたい
● 装置の見た目を気にしない
表側矯正では金属のワイヤー装置を使用することで比較的、矯正費用を抑えられます。また、矯正装置を付けた際の外見を気にしない場合にもおすすめです。
裏側矯正(舌側矯正)
裏側矯正は、下記のような人に向いているでしょう。
● 矯正しているのがバレたくない
● 出っ歯や受け口の歯並び
● 外食を楽しみたい
裏側矯正は上下の歯の内側に装置を付けるため、ほとんど目立ちません。「矯正しているのがバレたくない」「矯正中も見た目を気にせずに過ごしたい」といった人におすすめです。また出っ歯や受け口といった歯並びは、裏側矯正が適しています。歯には装置が付いている方向に動きやすい性質があります。歯の裏側に装置を付けることで、前に出ている歯を効率的に奥側に引き込めるため治療期間の短縮に繋がりやすいです。さらにワイヤー装置の周辺は食べかすが溜まる傾向ですが、裏側矯正の装置は外から装置がほとんど見えないため、装置の見た目を気にせず食事を楽しめます。
ハーフリンガル矯正
下記のような人には、ハーフリンガル矯正が向いているでしょう。
● 装置を目立ちにくくしたい
● 費用を抑えたい
● 出っ歯の歯並び
ハーフリンガル矯正は装置が目立ちにくい状態で、矯正治療を進めたい人におすすめです。通常は下唇で装置が隠れていますが、口の開きかたによって下顎の表側に固定している装置が見えることがあるので注意しましょう。
また、歯の裏側に装置を付けるのは片顎だけになるため、裏側矯正より費用を抑えることが可能。さらに裏側矯正と同様、出っ歯はハーフリンガル矯正が効果的です。
まとめ
ワイヤー矯正は歴史や実績が豊富で、幅広い症例に対応できるのが特徴。ワイヤー矯正には「表側矯正」「裏側矯正(舌側矯正)」「ハーフリンガル矯正」の3つの装置がありますが、装置の外見や費用以外に自身のライフスタイルにあったものを選ぶことが大切です。また、担当医と最終的な歯並びのゴールの状態について話しあうことも矯正治療を成功させるために必須です。当院では、ワイヤー矯正装置も豊富に取り扱っています。矯正装置について不明点や疑問点などがありましたら、いつでもご相談ください。自身にあった矯正装置で、キレイな歯並びを手に入れましょう。