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アンカースクリューを使った歯科矯正方法とは?


アンカースクリュー 治療 歯科矯正

本日は「アンカースクリューを使った歯科矯正方法とは?」についてお話させていただきます。アンカースクリューは一時的に歯茎の骨に埋め込む金属の小さなネジです。矯正治療において、臼歯の代わりに歯の固定源として利用します。「インプラント矯正」と呼ばれることもあります。裏側矯正(舌側矯正)などと併用して利用することで、治療期間の短縮や非抜歯での矯正治療が期待できます。アンカースクリューはワイヤー矯正やマウスピース型矯正単独では難しい複雑な歯の動きを可能にします。以前までは外科矯正やヘッドギアが必要であった歯並びであっても、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正とアンカースクリューの併用で対応できる可能性が高まりました。
この記事ではアンカースクリューとはどんなものか、メリットやデメリット、おすすめする人について詳しく解説します。治療期間を短縮したい方や外科矯正治療やヘッドギアによる矯正治療に抵抗があるという方はぜひ参考にしてみてください。


アンカースクリューはどんなもの?

アンカースクリュー TADs 歯科用院プラント

アンカースクリューの特徴や治療の流れについて解説します。

アンカースクリューの特徴

生体親和性の高いチタンなどでできた小さな金属のネジです。歯科用インプラントの小さいバージョンのようなもので、矯正治療のために一時的に埋め込みます。歯を動かす支点とするために口蓋(上顎)や歯茎の骨に埋入します。

アンカースクリューは目立つ?

通常、歯茎や上顎の骨部分に埋め込むため、人から見えることはほとんどありません。

アンカースクリューは何歳から可能?

一般的には顎の骨の成長がほとんど完成する16歳以上の方に推奨されています。

アンカースクリューの治療の流れ

埋入の施術自体は1本5~20分程度で完了します。

〈施術の流れ〉

・レントゲン撮影によって埋入部位、方向を確認

・表面麻酔、局所麻酔

・インプラントをドライバーで埋入する

消毒以前は埋入するために歯茎の切開をしていましたが、現在は切開なしで治療が可能になりました。ネジをドライバーで打つように歯茎に埋め込みます。麻酔を使用するため、施術中の痛みはありません。歯茎の切開がなく、術後の痛みや出血も抜歯に比べると少ないです。個人差はありますが、術後1~2日をピークとして痛みや違和感は徐々に落ち着いていきます。通常、アンカースクリューが歯茎に安定するのを待つため、2週間~1か月後から矯正のゴムをかけていきます。

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アンカースクリューのメリットとデメリット

アンカースクリュー 歯科用ネジ 歯列矯正

アンカースクリューには多くのメリットがある一方、デメリットも存在します。メリット、デメリットを踏まえた上で、自分の治療にとって必要なものなのか検討する必要があるでしょう。

アンカースクリューの5つのメリット

アンカースクリューを利用することで、次のようなメリットが得られます。

〈メリット〉

①治療期間の短縮

②顎外固定装置が必要なくなる

③抜歯なしで治療できる可能性が高まる

④難しい治療も可能になる

⑤外科矯正の必要がなくなる or 外科矯正時の負担が軽減

メリット①治療期間の短縮

効率的な歯の移動が可能になり、治療期間の短縮が期待できます。通常の矯正方法の場合、1つの歯を動かすのにどこかの歯を支点にするため、お互い歯同士が引き合う状態になります。そのため、本来動かしたくない支点の歯との動きのバランスを考え、修正にも時間が必要です。しかし、アンカースクリューなら動かしたい歯のみを動かせるため、最大6ヶ月ほど治療期間を短くできる可能性があります。

メリット②顎外固定装置が必要なくなる

支点が臼歯にならないので、顎外固定装置(ヘッドギアなど)を使わなくて済むようになります。アンカースクリューが普及する前は、臼歯が予期しない方向へ動くのを抑えるために顎外固定装置が必要でした。顎外固定装置は金属のヘルメットのようなもので目立つ上、1日8~10時間以上装着しなければならなく、審美面で抵抗を持つ方が多いです。(顎外固定装置は現在でも子どもの矯正治療では、顎の成長をコントロールするために使われます。大人でも稀に使用することがあります。)

メリット③抜歯なしで治療できる可能性が高まる

奥歯を後方へ動かせるため、抜歯をしなくてもスペースを確保できる可能性があります。通常、歯を並べるスペースが足りない場合は小臼歯などの健康な歯を便宜的に抜歯する必要があります。しかし、アンカースクリューの利用によって非抜歯矯正の適応範囲は広まり、患者様の体への負担を軽減できるケースも増えてきました。全ての症例において抜歯がなくなるわけではありませんが、歯科医院で相談してみる価値はあるでしょう。

メリット④難しい治療も可能になる

他の歯に影響せず、目的となる歯だけを効率的かつより精密に動かせます。また、歯茎に歯を押し込むことや前歯だけを後方に下げること、臼歯を後方に下げることなどワイヤー矯正やマウスピース型矯正単独では難しかった動きが可能になります。その結果、次のような難易度が高い歯並びも治療が可能になりました。

〈難易度の高い治療の例〉

・重度の出っ歯、受け口

・ガミースマイル(笑ったときに上の歯茎が見える状態)

・開咬(噛んだときに上の前歯と下の前歯が離れている状態)

・咬合平面が傾いている(噛み合わせたときに左右で噛み合う高さが違う)

メリット⑤外科矯正の必要がなくなるor外科矯正時の負担が軽減

今まで難しかった方向へ歯を動かせるようになり、従来であれば外科矯正治療の対象となっていた歯並びも外科手術を避けられる可能性が高まりました。また、外科矯正治療が必要な場合であっても、アンカースクリューを利用することで手術における骨の移動を最小限にでき、体への負担を軽減できます。骨格による影響が強い歯並びでは外科矯正治療を避けるのは難しいですが、併用することで患者様の負担軽減を図ることが可能です。

アンカースクリューの4つのデメリット

歯科矯正用アンカースクリューには次のようなデメリットもあります。

〈デメリット〉

①脱落するリスクがある

②術後の痛みと違和感

③感染によって歯茎が腫れるリスクがある

④費用がかかる

デメリット①脱落するリスクがある

インプラントと異なり、いずれ取り外すことを考えて骨と強固な結合をしません。そのため、稀ではありますが、外れてしまうこともあります。

脱落する原因としては主に次の3つが考えられます。

〈脱落する原因〉

・口腔内の衛生状態が悪い

・歯槽骨の密度が低く、外れやすい位置だった

・強すぎる矯正力がかかった

脱落した場合は位置を変え、再埋入を行うことになります。

デメリット②術後の痛みと違和感

一般的には抜歯に比べて術後の痛みは少ないとされています。歯茎の切開もないため、出血もほとんどありません。

痛みや違和感のピークは術後1~2日で、その後落ち着いていきます。術後に痛みが強い場合には痛み止めの服用も可能です。

デメリット③感染によって歯茎が腫れるリスクがある

ネジのほとんどは歯茎に埋まっていますが、頭の部分は口の中に露出しています。そのため、口の中が汚れているとネジの周りが感染によって炎症を起こすリスクがあります。炎症が起こると外れやすくなってしまうため、矯正治療中の口腔ケアは重要です。タフトブラシなどでスクリューの周りを清潔に保つよう努める必要があります。

デメリット④費用がかかる

アンカースクリューは基本的にオプション料金として、通常の矯正料金に加算されることが多いです。

相場は数万円~10万円ほどです。費用のことも考慮して、自分にとって必要な治療なのか検討するようにしましょう。

アンカースクリューがおすすめな人

アンカースクリュー 治療 症例

アンカースクリューは全ての人にとって必要な治療ではありません。しかし、利用したほうが治療の効果が高まる、または体への負担を軽減できるケースもあります。
特に次のような方にはアンカースクリューをおすすめします。

・ガミースマイルを治したい人

・口ボゴを治したい人

・できるだけ抜歯したくない人

・歯の固定源が少ない人

・外科矯正治療を避けたい人

ガミースマイルを治したい人

通常の矯正治療では、歯茎の中に歯を押し込む方向には動かせません。そのため、笑ったときに歯茎が見えるガミースマイルを直すには骨や歯肉を形成する外科矯正治療が必要になるケースが多いです。しかし、歯を歯茎方向に動かせるアンカースクリューを利用することで外科治療なしでガミースマイルを直せる可能性が高まります。

口ボゴや出っ歯を治したい人

口元の突出感がある口ボゴや出っ歯の治療をする方におすすめです。安定的に強力な固定源にでき、他の歯に影響することなく、歯列を後方に下げることが可能になるからです。通常の矯正方法では奥歯を固定源にして前歯を動かすため、奥歯も前方へ動いてしまいます。しかし、アンカースクリューなら動かしたい歯以外への影響がなく、効率的に前歯の移動量を増やすことが可能です。

できるだけ抜歯したくない人

アンカースクリューを利用すると奥歯を後方に動かせるようになるため、抜歯をしなくてもスペースが作れます。奥歯の移動だけで必要なスペースが確保できれば、従来なら抜歯が必要な歯並びでも抜歯を避けられる可能性があります。ただし、必要なスペースには個人差があるため、まずは歯科医院で相談してみましょう。

歯の固定限が足りない人

本来、歯を動かすためには固定の支点となる歯が必要です。しかし、支点にすべき歯が虫歯で喪失していたり、生まれつき生えていなかったり、小さかったりするケースもあります。アンカースクリューを使えば、固定源となる歯がない場合でも治療が可能となります。

外科矯正治療を避けたい人

アンカースクリューを利用すると、ワイヤー矯正やマウスピース矯正単独ではできなかった歯の圧下(歯茎の中への移動)や奥歯の後方移動が可能です。その結果、以前であれば外科矯正治療が必要な症例でも、手術を避けられる可能性があります。全ての症例に対応できるわけではありませんが、一度歯科医院で相談してみると良いでしょう。

アンカースクリューを使った歯科矯正方法とは?

歯列矯正後 アンカースクリュー 治療方法
アンカースクリューは一時的に歯茎に埋め込む小さなネジです。矯正治療期間中、歯の固定源として利用され、ワイヤー矯正やマウスピース型矯正単独での治療よりも複雑な歯の動きを可能にします。アンカースクリューを利用することで次のような効果が期待できます。

〈効果〉

・治療期間の短縮

・顎外固定装置が必要なくなる

・抜歯なしで治療できる可能性が高まる

・難しい治療も可能になる

・外科矯正の必要がなくなるor外科矯正時の負担が軽くなる

治療期間を短くしたい方や抜歯や外科矯正治療を避けたい方などはぜひ一度、歯科医院で相談してみてはどうでしょうか?大阪・梅田で矯正歯科をお探しなら、梅田キュア矯正歯科にどうぞご相談ください。裏側矯正(舌側矯正)専門のクリニックで、アンカースクリューを併用しての治療も可能です。大阪梅田駅茶屋町出口から徒歩3分の好立地!平日20時30分まで診療しているため、お仕事帰りや学校帰りにも寄りやすいです。目立ちにくい矯正がしたいとお考えの方はぜひお気軽にお問合せくださいね。

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