ブログ

歯ぎしりしていると歯並びが悪くなるって本当?


歯ぎしり

ご家族や親しい方から「歯ぎしりがうるさくて眠れない!」「寝ている時にギリギリ音がする」などといわれたことはありませんか?いわれた本人は意識して行っているのではなく、無意識のうちであることがほとんどです。そのため、誰かに指摘されることはあっても、本人は気がついていないことが多いのではないでしょうか。
梅田キュア歯科にいらっしゃる患者様からいただくご相談の中には「歯の並び方がガタガタになったのは、歯ぎしりのせい?」といったものもあります。今回は、歯ぎしりについてや歯並びとの関係についてお話していきたいと思います。歯の並び方以外にも様々な悪影響を及ぼすため、注意が必要な症状ですので、心当たりのある方はぜひご覧ください。


歯ぎしりとは


歯ぎしりは専門的には「ブラキシズム」といわれており、噛む必要のない時に上下の歯が接触している状態をさします。通常、何もしていない時には上下の歯は接触しておらず、食事をする時だけくっつきます。接触していない時に生じる隙間は「安静空隙(あんせいくうけき)」と呼ばれ、2~3mmほど空いた状態です。しかし何らかの原因や習慣により、上下の歯を噛み合わせた状態で左右に動かしたり、噛み締めたり、接触させ離すことを繰り返す場合があります。一般的にはこの3つの動作を合わせて「歯ぎしり」と呼んでおり、現代では多くの方に見られる症状です。

歯ぎしりの種類

ブラキシズムには、起きている時に行う「覚醒時ブラキシズム」と「睡眠時ブラキシズム」があります。さらに歯の接触のさせ方により、以下の3つに分けられます。

①グラインディング


人から指摘される場合はほぼこのタイプだと思って良いでしょう。下顎を左右に動かすことに伴い「ギリギリ」といった音を生じます。

②クレンチング

上下の歯をグッと噛み締めてしまう状態です。音がしないため、周りの人も本人も全く気がつかない傾向にあります。お口の中を歯科医師が診た時などに、指摘されることが多いです。

③タッピング

下顎は動かさずに、歯をつけたり離したりすることを繰り返します。歯が接する度にカチカチと音がするのが特徴です。

歯ぎしりと歯並びの関係とは

結論からお伝えすると、両者は関係していると考えられます。なぜなら矯正治療時に歯を動かす力よりも、ブラキシズムによって歯に加わる力の方が大きいからです。長い間続けて行っていると、少しずつ歯の位置や噛み合わせが変わる可能性があります。それが積み重なると、歯の並び方も乱れてきてしまうのです。

なぜ良くないの?歯ぎしりがもたらす悪影響

本来接するべきではない時に歯が接していると、以下のような様々な影響をもたらします。

①歯のすり減り

歯が擦り合わされていることを繰り返すうちに、歯はすり減ってしまいます。歯の高さが短くなったり、段差が生じたりして噛み合わせが悪くなるケースもあります。

②知覚過敏や歯がしみる症状

強い圧力が歯にかかるため、歯の噛む面だけではなく根元の部分が欠けてしまいます。その結果、知覚過敏など歯がしみる症状が現れることもあるでしょう。

③歯にヒビが入る・折れる

歯に過度な力が加わることで、ヒビが入ったり、折れてしまう例もあります。歯の痛みや歯ぐきの腫れが起こって気がつくことも多いです。折れた場所によっては、歯を残すことが難しく抜歯となるかもしれません。

④歯の詰め物や被せ物などが欠ける・外れやすくなる

特に虫歯などはなくても、歯に負担がかかることで、歯の詰め物・被せ物が欠けたり外れやすくなる傾向があります。

⑤歯周病の悪化

既に歯周病になってしまっている方にとって、歯ぎしりは歯周病を悪化させる要因の1つです。歯を支える骨が急速に吸収し、歯を早く失ってしまう可能性もあるため放置することのないようにしましょう。

⑥顎関節症

噛む力が常にかかっていると、歯だけではなく顎関節にも大きな負担をかけてしまいます。それが積み重なると、顎関節症の発症に繋がりやすくなります。

⑦睡眠障害

歯ぎしりによって睡眠の質が落ち、起床後に疲労感が残ってしまう状態を「睡眠障害」といいます。

⑧頭痛や肩こり

噛む時に使う筋肉に負担がかかり過ぎると、全身の筋肉のバランスが崩れてしまいます。それが引き金となり肩が凝ったり、頭痛などといった症状を引き起こしかねません。

⑨顔のエラが張る

異常な力が加わり続けることで、徐々に噛む筋肉が発達していきます。結果として顔のエラが張ってしまい、気になる方もいらっしゃいます。

歯ぎしりの3つの原因

今まで続けてきた習慣を止めることは、決して簡単なことではありません。しかし原因を知っていることで、意識をしたり注意を向けたりすることはできるでしょう。ここでは、主な3つの原因をご紹介していきます。

①ストレス

ストレスを感じている時に、ふと「歯をグッと噛み締めていることに気がついた」などという経験はありませんか?適度であればプラスに働くこともあるため、必ずしも全てが悪いというわけではありません。しかし過度になると、精神的にも身体的にも私たちにとって負担となるものです。そのため、ストレスを解消しようと無意識のうちに歯ぎしりをする傾向があります。
日常生活や仕事などでストレスを大きく感じている時、集中していたりプレッシャーを感じている時には、それを解消しようとするのです。

②喫煙や飲酒

普段はしていないのに「お酒を飲んだ日は歯ぎしりをしている」という方もいらっしゃいます。なぜなら喫煙やアルコールは、神経を興奮させて筋肉の緊張を引き起こすものだからです。

③噛み合わせが悪い

噛んだ時のバランスが良くないと、顎の筋肉が緊張してしまうためブラキシズムが起こることがあります。

歯ぎしりにはどう対処する?

なかなか改善することが難しいともいわれている歯ぎしりですが、対策できることがあります。ここでは6つの対処法をあげていきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

①ストレスを軽減する

もし原因に心当たりがあるなら、できるだけ解消できる方法を見つけましょう。例えば、ゆっくりお風呂に浸かったり、アロマテラピーをするのも良いでしょう。好きな音楽を聴いたり、適度な運動なども効果的です。ご自分に合った方法で、解消するように心がけましょう。

②ナイトガードの装着

ナイトガードは、就寝中に歯や顎関節を守るためにつけるものです。寝ている間に歯や顎関節にかかる負担を、やわらげてくれる効果があります。

③できるだけ歯を離すように意識する

起きている間に上下の歯をくっつけていたり、噛んでいることに気がついたら、歯を離すようにしましょう。

④生活習慣の改善

喫煙や飲酒の習慣があれば、控えるようにしましょう。生活習慣を見直してみるのも良いかもしれません。また睡眠時間をしっかり取るなど、規則正しい生活を心がけてみてください。

⑤詰め物や被せ物の調整

以前歯科治療した部分が上手く噛み合っていない場合には、歯科医院で調整してもらいましょう。

⑥歯列矯正

歯並びが悪いために噛み合わせのバランスが崩れている場合は、歯列矯正によって整えることで改善される可能性があります。矯正治療をすることで歯ぎしりが改善されるケースもあります
今回は、歯ぎしりと歯並びの関係などについてお話しました。原因はいくつもありますが、もしかしたら矯正治療をすることで改善が見込めるかもしれません。ご自分でできることを
してみてもなかなか改善されない場合には、1度歯科医院で診てもらうと良いでしょう。ブラキシズムを長い間続けていると、歯の寿命が短くなってしまうリスクもあります。歯並び・噛み合わせのお悩みに加えて歯ぎしりもある方は、ぜひ早めに相談してみてくださいね。梅田キュア歯科では、歯並びを整えたい方や矯正治療をご希望の方を対象に、カウンセリングの機会を設けています。ご希望がございましたら、どうぞ気軽にお問い合わせください。

0120-067-600 24時間受付
WEB予約