研磨剤が配合されていないため、液体歯磨きは歯や歯ぐきにやさしい歯磨き剤だといえるでしょう。そして洗口剤(マウスウォッシュ)と比較したときの最も大きな違いが、使用法にあります。歯科医院やドラッグストアで見かける液体歯磨きや洗口剤などのケアアイテム。
目次
みなさんは、双方の違いについて理解していますか?
いざ、ケアアイテムを取り入れようにも違いがわからなければ、どちらがどのような効果があるかわかりませんよね。それに、いまいち使い方もわからないはず。そこで今回は、液体歯磨きと洗口剤のなにがどのように違うのかについてや双方のメリット・デメリットについても詳しく紹介していきましょう。
この記事を読めば、2つの違いについて理解が深まると同時に効果的な使い方が明確になること間違いなしです!
8割の人が知らない?液体歯磨きと洗口剤の大きな違い
みなさんは「マウスウォッシュ」と「デンタルリンス」という名前を聞いたことはありますか?
同じような名前ですが、実は、この2つの呼び名は液体歯磨きと洗口剤を表す言葉と同一です。
● 液体歯磨き=デンタルリンス
● 洗口剤=マウスウォッシュ
では、呼び名がわかったところで次に2つの特徴をみていきましょう。
液体歯磨きの特徴とは
液体歯磨き(デンタルリンス)は、その名の通り、歯ブラシと一緒に使用する液体タイプの製品です。液体歯磨きは「歯磨き剤としてブラッシングする」ことが目的にあります。
一般的に使用される歯磨き剤といえばペーストタイプを思い浮かべると思いますが、液体歯磨きも歯磨き剤の一種です。液体歯磨きはペースト歯磨き剤とは異なり、液体なので口のなか全体に薬用成分が広がりやすく、スッキリとした感覚を得ることができます。ペースト状歯磨き剤には、着色を防止する「研磨剤」や泡立ちやすい「発泡剤」が含まれていますが、液体歯磨きにはそうした成分が入っていないため、歯を傷つける心配がありません。つまり、液体歯磨きとペースト状歯磨きでは配合成分が異なることになります。
液体歯磨きは歯磨き剤なので、基本的に「ブラッシングするための」製品ですが、洗口剤は「仕上げに口をすすぐ」製品です。双方の違いを理解しても「いまいちピンとこないな」と思われる方もいるかもしれませんが、次に洗口剤の特徴について詳しく説明します。
洗口剤の特徴とは
続いて、洗口剤の特徴をみていきましょう。洗口剤の目的は、さきほども述べたように口をゆすぐための製品です。歯ブラシを使用せず、決められた量の洗口液を口に含むことで口のなかを清潔に浄化します。使用後はスッキリとした爽快感を得ることができるため、歯磨きした後の仕上げ用として使用することが多いです。
このように〈液体歯磨きは歯ブラシと同時に使用する〉、〈洗口剤は歯磨き後の仕上げで使用する〉アイテムとなります。
2つの製品の見分け方はパッケージ表示にあり液体歯磨きと洗口剤がどう異なるかが理解できたところで、次に出てくる疑問は2つの見分け方だと思います。2つの違いがよくわからない方は、「見た目が似ているから」という理由もあるでしょう。たしかに双方の商品は、パッと見た感じは同じに見えますよね。実は、見分け方はそれほど難しいわけではありません。気になる商品があったら、まずは製品の背面に記載されている表示を確認しましょう。「液体歯磨き」「洗口液」のように、わかりやすく書いているはずです。また、使用法をよく読み込んでみると、液体歯磨きには「ブラッシングする」、洗口液では「すすぐ」という文字が書かれています。表面にも「デンタルリンス」「マウスウォッシュ」の表示が書かれていると思いますが、心配な方は背面の記載をよく確認すると安心です。
液体歯磨きのメリット・デメリットを知って正しい使い方をマスターしよう
液体歯磨きと洗口剤の目的や用途がわかったところで、双方のメリットやデメリットには違いがあるのでしょうか?まずは液体歯磨きのメリットとデメリットを詳しくみていき、正しい使用法をマスターしていきましょう。
メリット
● 研磨剤無配合なので歯や歯ぐきをやさしく保護してくれる
● 発泡剤無配合なので長時間ブラッシングが可能
● 液体なので口のなか全体に成分が行き届く
● ブラッシング後に口をすすがなくてもOK
● 災害が起きたときに役立つ
デメリット
● 日ごろから着色しやすい人には不向き
液体歯磨きは、災害で水が使えない状況下にとって非常に役立つアイテムです。さらに薬用成分が口のなかに留まりやすいことから、むし歯や歯周病菌の殺菌効果が期待できます。一方デメリットとしては、着色防止である研磨剤が入っていないことから普段から茶渋やヤニに悩まされる方には効果的とはいえません。
正しい使用法
1. 適量の液体歯磨きを口に含む(製品によってキャップ内に計量線がある)
2. 口に含んだ液体を口全体にいき届かせるように20秒間ほどすすぐ
3. 何もつけていない歯ブラシで、いつものようにブラッシングする
4. 最後は口をすすがずに終了でいいが、気になる方は軽く水を含んですすぐ
ペースト歯磨きと異なる点は、ブラッシング後の口のすすぎです。基本的には薬用成分を逃したくないため口をすすがずに終了がおすすめですが、なかには口をすすぎたい方もいるでしょう。そんなときは少量の水を口に含んで、軽くすすぐようにしてください。
洗口剤のメリット・デメリットを知って正しい使い方をマスターしよう
次に、洗口剤のメリット・デメリットを知って、正しい使用法を押さえていきましょう。
メリット
● 最後の仕上げとして使用することで、口のなかを爽快にしてくれる
● むし歯・歯周病・口臭の予防する
● 口のなかの嫌なねばつきや食べかすを洗い流す
● ブラッシングできないときの補助的アイテムとしても使用可能
デメリット
● 使いすぎると常在菌まで洗い流してしまい、口内環境に影響が出る
洗口剤も災害時、水を使用できないときにブラッシングの代わりになる心強いアイテムです。最大のメリットは、ブラッシング後の最後の仕上げとして使うことでスッキリと爽快になる点でしょう。ただ、使いすぎは禁物です。常在菌まで殺菌してしまうと口内環境のバランスが崩れてしまい、むし歯や口内炎発生の原因になることも考えられます。
正しい使用法
1. ブラッシング終了後、口をすすいでおく
2. 洗口剤を適量キャップに注ぎ、口に含んで口のなか全体に行き届かせるよう20秒間ほどうがいをする
3. すみずみまで洗口液が広がったら、液をペッと吐き出す
洗口剤の種類によっては、うすめるタイプと原液タイプがあるのでパッケージに書かれてある使用法を事前に読んで確認するようにしてください。
最後は水で口をすすぐ必要はありませんが、気になる方は水で軽くすすぐ程度にとどめておきましょう。
歯列矯正時は特に入念なオーラルケアがおすすめ
矯正治療中の場合、気になるのはすみずみまで汚れを落とせないことで口臭が発生しやすいことだと思います。特にワイヤー矯正では歯の表面に装置を固定するため、思うように丁寧なブラッシングが難しいのではないでしょうか。そこで、私がおすすめする矯正中にできるオーラルケアを紹介したいと思います。
【矯正中におすすめ!オーラルケアの流れ】
1. まずは歯間ブラシやフロスを使って歯と歯のあいだの清掃をする
2. 液体歯磨きを口に含み、ブラッシングをする(着色が気になる方はペースト歯磨きでOK)
3. 洗口剤を口に含んで、すすぐ
ポイントは、最初に歯間ブラシやフロスを使用することです。液体歯磨きを使用する前に細かい部分の清掃をしておくことで、薬用成分が行き届きやすくなります。矯正装置があると時間がかかりやすいですが、最初に導入することで格段にプラーク除去率が変わりますし、なにより口臭が気になる方におすすめです。
まとめ
当院では、矯正中でも丁寧なブラッシング法を指導しています。液体歯磨きや洗口剤のことが理解できても、どのアイテムが自分に合っているかわからないという方もいると思います。さらに自分に合ったブラッシング法もできれば知りたいですよね。当院では矯正治療だけではなく、患者さまに合わせた適切なブラッシング方法をお伝えし指導をおこなっています。
どんな些細なお困りごとや小さいと思われる悩みでも、お気軽に担当医やスタッフまでご相談ください。また、これから矯正治療をはじめたいという方にも丁寧な対応を心掛けております。まずは、カウンセリングからお気軽にご予約していただけると幸いです。
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