歯列矯正のタイミングとして大きく分けると子供の矯正と大人の矯正があります。
子供のうちに矯正治療が必要なのか、大人になってから矯正治療すればいいのか悩むこともあるかと思います。まずは子供の矯正についてお話しします。
子供の矯正について
子供の矯正は2つの治療時期に分けられます。
3歳ごろから小学校高学年くらいまでに行われる一期治療、中学生や高校生になってから行われる二期治療です。
一期治療は、乳歯と永久歯が両方とも生えている時期になります。まだ生え変わっていない永久歯を正しい位置に誘導していく治療や、顎の成長を正しい位置に促す治療などを行います。歯並びを整える治療というよりも、上下の顎のバランスや顎の幅などを整え、将来理想的な歯並びが作れるようにする治療です。
二期治療は、全ての歯が永久歯に生え変わってから歯並びを改善していく治療です。成長期を終えて骨や顎の成長が止まってから、上下の歯の噛み合わせや隣り合った歯のガタガタなどをきれいに整える治療をしていきます。
子供の治療には、幼少期(一期治療)から治療を始めたほうが成果が得られやすいケースがいくつかあるのでご紹介します。
◇反対咬合(受け口・しゃくれ)
上下の歯を噛み合わせた時に下顎の歯が上顎の歯よりも前に出てきている状態。
◇交叉咬合(すれ違い咬合・クロスバイト)
前歯もしくは奥歯の何本かが交叉している状態。
◇萌出不全
乳歯がいつまでも抜けずに残っている、または、歯があるのに時期を過ぎても生えない状態。
上記の症状が子供の頃からみられた場合は早期に歯科医院に相談しましょう。その他の症状でも歯並びに関して気になることがあれば、相談だけでもいいので一度歯科医師に診てもらうことをおすすめします。
一期治療をすることで期待できるメリット
・大人になってから行う矯正治療の期間を短縮することができる
・生え変わり時期に歯の生えてくる方向を正すことで大人になってからの矯正治療が必要なくなる可能性がある
・顎の成長を助ける
・将来的な虫歯のリスクが減る
・呼吸や滑舌、舌の正しい位置を学ぶことで歯並びが悪くなる原因を減らすことができる
大人の矯正について
結論からいうと、大人の矯正はいつからでも始められます。
歯茎や歯槽骨(歯を支える骨)などに問題がなければ、50代や60代の方も矯正歯科治療を受けることができます。
子供矯正の場合は、歯の生え変わり時期や成長過程に合わせて最適なタイミングがありますが、歯の成長が完了している大人の歯列矯正にはそのようなことはありません。早く始めると、その分早く歯並びが改善され、正常で健康な噛み合わせが手に入ることは確かです。
大人の歯列矯正は、「いつはじめるか」ではなく「いつまでに完了したいか」を意識し、計画的に歯列矯正を行うようにすると良いです。
ただし、50代くらいになると、むし歯によって歯を失っていたり、歯周病によって歯を支える歯槽骨が減ってしまい、歯の健康が損なわれているようなケースも少なくありません。
矯正歯科治療で歯を移動するには、歯茎や歯槽骨が健康でなければならないので、歯周病のような病気があると、まずその治療を優先させることになります。
矯正治療を始めるタイミングを決めかねている場合は、まず歯科医院でクリーニングを受けられ、ご自身のお口の状態を知ることも良いかもしれません。
もっと具体的に矯正を始めるタイミングを考えたいという方は、矯正のための初診カウンセリングを受けられることをお勧めします。カウンセリングは、お口の状態を見せていただき、矯正について患者様からのご質問やご希望などをお聞きする時間です。
今すぐ矯正を始めたい方だけでなく、歯並びが気になる方、矯正に興味がある方も、ぜひ一度、ご相談されてはいかがでしょうか。