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歯並びと歯の寿命は関係あるって本当?


歯並び

みなさんは歯並びに自信がありますか?

美しい歯並びは見た目だけではなく、機能面や健康面にも良い影響をもたらします。なるべく長く美しい健康な歯を維持したいところですが、歯並びに自信がない方は歯の健康を維持できるのか気になるところでしょう。今回は、歯並びと歯の寿命の関係性についてや歯並びが悪いことで引き起こされるリスクを併せて紹介していきます。ぜひ、最後までお読みください。

歯には寿命がある


人は乳歯から永久歯に生え変わると、一生涯その歯を使い続けることになります。永久歯の寿命は約60年といわれていますので、70歳前後に歯の寿命がくる計算です。しかし、歯のなかでも部位ごとに平均寿命が異なります。まずは、歯の部位の寿命をそれぞれみてみましょう。

部位別でみる歯の平均寿命

平成11年に厚生労働省がおこなった「歯科疾患実態調査」で、歯の部位別の平均寿命が発表されました。データによると、前歯に比べて奥歯のほうが10年以上寿命が短いことが判明しています。

【前歯】

● 中切歯・・・61.9年(上顎)、66.2年(下顎)
● 側切歯・・・60.9年(上)、66.1年(下)
● 犬歯・・・61.3年(上)、66.4年(下)

【奥歯】

● 第一小臼歯・・・58.3年(上)、50.0年(下)
● 第二小臼歯・・・56.2年(上)、56.1年(下)
● 第一大臼歯・・・58.2年(上)、53.6年(下)
● 第二大臼歯・・・51.4年(上)、50.0年(下)

奥歯の寿命が前歯より短い理由

なぜ前歯に比べて奥歯のほうが歯の寿命が短いのでしょうか?

理由として考えられるのは、歯の形状です。奥歯は前歯に比べると、面の多さや溝があるなど複雑な構成でできています。そのため奥歯に食べかすが溜まりやすく、かつ歯磨きがしにくいことから、むし歯や歯周病にかかりやすいのです。また、奥歯は前歯よりも噛んだときにかかる力が大きく負担になりやすいといわれています。奥歯にかかる力は自身の体重以上といわれており、その負担に耐えられなくなるのです。

歯並びと歯の寿命は関係あるの?


ここまで歯の寿命について紹介してきましたが、歯並びが歯の寿命に関係しているか気になるところだと思います。結論からいうと、歯並び自体が歯の寿命と直接関係しているわけではありません。しかし、歯並びの悪さが元で歯の寿命を短くしてしまう可能性は十分考えられます。その理由として、歯を失う原因をつくるキッカケが歯並びの悪さにつながるからです。では、歯を失う直接的な原因とはなんでしょうか。

歯を失う直接的な原因

2018年に、公益財団法人「8020推進財団」がおこなった「永久歯の抜歯原因調査」によると、大部分が歯周病やむし歯が原因で歯を失うことが判明しています。

1位→歯周病(37.1%)
2位→むし歯(29.2%)
3位→破折(17.8%)

40代以降では歯周病に罹患する人が増加し、さらに歯を失うリスクが高くなっている状況です。歯周病やむし歯を発症してしまう原因は多々ありますが、なかでも「磨き残しの汚れ」が最大の原因であることは間違いないでしょう。磨き残しをつくる原因は、歯並びの悪さです。しかし歯並びの悪さは磨き残しだけではなく、ほかにもリスクがあります。

歯並びが悪いことで生じる4つのリスク

歯並びが悪いことで、さまざまな弊害やリスクが生じます。以下のようなリスクを放置してしまうと結果的に歯を失ってしまうことにつながりますので、当てはまる方は注意しましょう。

リスク①「磨き残しが多い」

先程も触れたように、歯並びの悪さによって歯磨きが難しくなり磨き残しが出てしまいます。細部まで磨こうとしても、うまく毛先が届かなかったり歯と歯の間まで磨けなかったりするなど、思うように汚れが除去できないのです。磨き残しが多いと歯垢(プラーク)が溜まり、むし歯や歯周病を引き起こす可能性が高まります。むし歯や歯周病に罹患して治療を怠れば症状は重症化し、最終的に歯を失うことにつながるでしょう。

リスク②「しっかり噛めない」

歯並びの悪さは噛み合わせにも影響が出やすいといわれています。というのも、歯並びが良いと本来噛むべき位置で噛むことができますが、歯並びが悪いと正しい位置で噛むことが難しくなるからです。食べ物をうまく噛めずにいると丸飲みしてしまうことが増え、最終的に消化不良を起こす可能性が高くなるでしょう。また、しっかり噛めないと唾液の分泌量が減少します。唾液量が少ない状況がつづくと口のなかで細菌が繁殖しやすくなり、むし歯や歯周病を引き起こす可能性が高まります。

リスク③「口のなかが乾燥しやすい」

歯並びが悪いと口を閉じることが難しくなり、ポカンと口が開いたままの状態が続きます。普段から口を開けたまま生活すると、口呼吸になりやすく口のなかが乾燥しやすい状態になるのです。乾燥するということは唾液分泌量が少ないことを意味しており、先程触れたように口のなかが細菌繁殖しやすくなります。

リスク④「顎関節症にかかる確率が高い」

歯並びが悪いと、うまく噛めないほかにも顎に負担がかかりやすくなります。噛むたびにカクカクという音がしたり、口を思いっきり開けられなくなったりするなど顎に支障がでてしまうのです。これらの症状は顎関節症と呼ばれ、早めに治療しなければ顎の骨が変形し、最悪顔面が歪んでしまう恐れがあります。歯の寿命以前に、噛むこと自体に支障が出てしまうため歯並びの悪さの放置は大変危険です。

全身の健康と結びつく?歯並びの重要性

では、歯並びがいいとどのようなメリットがあるのでしょうか?わかりやすいメリットは、ズバリ見た目の良さでしょう。美しく並んだ歯並びは周囲に良い印象を与えます。しかし、歯並びの良さは見た目だけではなく、あらゆる場面で全身の健康と関わっているのです。ここからは、歯並びの良さの重要性について紹介しましょう。

むし歯や歯周病のリスクが減る

歯並びが良いと、段差や凹凸がないため歯磨きしやすくなります。いままでフロスや歯間ブラシという補助的清掃用具を使用しないと取れなかった汚れが、歯ブラシだけでも取れるようになるのです。むし歯や歯周病のリスクが減れば、そのぶん歯の寿命を伸ばすことができます。

全身の健康維持につながる

歯並びが良いと、結果的にあらゆる不調の改善が見込まれると同時に疾病の予防効果が期待できます。理由として、歯並びが良いと正常に噛めるようになるからです。噛み合わせが正常の場合、上下の歯に対して圧力が均一になります。そうすることで噛んだときに負担がかからず、歯を長持ちさせることができるのです。しっかり噛めるようになると、以下のような効果が期待できます。

● 唾液分泌量が増える
● 咀嚼機能が向上し、消化吸収が促進される
● 頭痛や肩こりの改善
● 免疫力向上
● 顎関節症の予防
● 誤嚥性肺炎のリスク軽減
● いびきや睡眠時無呼吸症候群のリスク軽減

歯並びが良いと口内環境がすこぶる良くなるだけではなく、全身にも良い影響をもたらします。なかでも、いびきや睡眠時無呼吸症候群も歯並びを改善することで、リスクを減らすことができるのは驚きではないでしょうか。睡眠時無呼吸症候群は糖尿病や心臓病のリスクを引き起こす可能性があるためリスクが軽減されると、あらゆる疾病の予防が見込めるようになるでしょう。

矯正治療で歯並びを改善し、歯の寿命を伸ばしましょう

歯並びの悪さが直接的に歯の寿命を縮めることにはつながりませんが、間接的な原因であることは理解できたかと思います。歯の寿命を伸ばすことや自らも健康で長生きするためにも矯正治療で歯並びを改善してみませんか?当院では、患者さまに合わせた最適な治療プランをご提案しております。お一人お一人の状態、状況を考えながら目指すべきゴールまで併走していきますので、安心して治療に臨むことが可能です。また、矯正治療をしたいけど事情によって断念されている方もいらっしゃるかもしれません。どんな些細な悩みや不安にも寄り添いながら解消していきますので、まずはカウンセリングを受けられることをおすすめします。みなさまからのご予約を心よりお待ちしております。

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