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歯科矯正後のリテーナー(保定装置)について


保定装置 マウスピース装置 保定期間

矯正治療の目的は、歯並びと噛み合わせを理想的な状態に改善することが目的ですが、歯を安全かつ正確に並べるためにはどうしても時間がかかります。いよいよ矯正装置を外すタイミングが来ると、矯正治療を始めた時点と比較して、整った歯並びが完成しています。しかし、治療はその時点で終わりではありません。矯正後の整った歯並びをキープさせるための重要なステップに移ります。今回は、矯正治療後に使う、保定装置(リテーナー)の役割や、その重要性についてご説明します。


矯正治療を成功させる最後のステップ「保定」

保定装置 マウスピース 保定期間
矯正治療では、歯を支える骨が吸収と再生を繰り返す骨代謝の働きによって、歯を少しずつ理想的な位置へ動かします。しかし、ワイヤーやブラケットを外したばかりの歯は、不安定なため、そのままにしていると元の位置に戻ろうと動き出してしまいます。保定は、歯並びを定着させるための重要なプロセスです。保定が疎かになると、歯が元の位置に戻ってしまうため、注意が必要です。

保定の役割と重要性

マウスピース 保定装置 見た目
矯正後の歯並びは美しく整っているものの、毎日の食事や舌、唇の動きなどの影響を受けると、動いてしまうことがあります。矯正後の状態をキープし、理想的な仕上がりを長く保つため、「保定」が最終的な治療成功の要となります。ここでは、保定の具体的な役割を解説します。

1.歯並びが再び崩れることを防ぐ

治療終了後の数か月間は最も歯が動きやすい期間です。この期間にリテーナーの装着を続けることで新しい位置に慣らし、再び歯並びが崩れることを予防します。

2.歯周組織を安定させる

歯をワイヤーやマウスピースで動かした後は、周りの骨や歯茎が新しい位置にすぐに適応するわけではありません。この適応の過程をサポートするのが保定装置(リテーナー)です。これにより、歯を理想の位置にとどめ、歯周組織の安定化を促します。

3. 噛み合わせの安定性を保つ

矯正治療の目的は歯並びを整えるだけでなく、噛み合わせを改善することにもあります。そのため、リテーナーの使用が不足して歯の後戻りが起こると、噛み合わせのバランスも崩れてしまう恐れがあります。噛み合わせが悪くなると、歯並びが乱れやすくなり、口腔機能も悪化するため、噛み合わせを安定させることも重要な役割の一つです。

4. 矯正終了後の仕上がりを長期間キープ

患者様それぞれの症状に合わせた保定を行うことで、理想的な歯並び・噛み合わせを長期間にわたってキープさせ、健康で美しい歯並びを長く維持することが期待できます。

保定装置の種類

保定装置(リテーナー)にはいくつか種類があり、患者様の状態に応じて適切なものが選ばれます。リテーナーには、固定式と可撤式の2つのタイプがあります。

①固定式リテーナー

FIX装置 固定式保定装置 保定装置
下の前歯の裏側にワイヤーを直に固定する、フィックスリテーナー(fix)があります。

メリット

● 常に歯に固定されているため、付け忘れを防ぐことができます。

デメリット

● 装置の周りに汚れが残りやすいため、意識して清掃することが重要です。
● 装置が舌に触れることで違和感を感じることがあります。

②可撤式リテーナー

マウスピース矯正 保定装置 歯列矯正終了
取り外しが可能な、マウスピースタイプ(トゥースポジショナー)ホーレータイプ、サーカムフェレンシャルタイプ、などの種類があります。当院では、幅広い年代でも取り扱いが簡単なマウスピースタイプを推奨しています。

メリット

● 厚さが薄いため、装着しても違和感が少なく、長時間でも快適に使うことができます。
● 無色透明なので、人前でもほとんど目立ちません。
● 食事や歯磨きは通常通りに行うことができます。
● 歯ブラシやフロスでしっかりとセルフケアができるため、虫歯や歯周病のリスクを減らせます。
● 取り外して洗浄できるため、衛生的に管理することができます。
● 簡単に扱えるため幅広い年代に対応できます。

デメリット

● 自己管理が必要なため、紛失や付け忘れに注意が必要です。
● 食いしばりや噛みしめることにより、破損することがあります。
● 劣化して変色すると、汚れが目立つことがあります。

保定はいつまで必要?装着時間や期間について

保定装置(リテーナー)をいつまで使用するかは、患者様ごとの歯並びや噛み合わせ、治療後の歯の安定度によって異なります。一般的には、歯を動かした期間と同じくらいの期間が目安とされます。治療直後の1〜2年間は、ほぼ毎日20時間以上使用することが必要とされています。その後は、歯の安定状況に応じて、定期的なメンテナンスの期間は3ヶ月や半年と延びていき、リテーナーを使用する時間も就寝時のみになることが多いです。特に、矯正治療前の状態が重度であった場合、期間が長くなることもあります。治療後にも定期的に経過を確認することが大切です。

保定期間中の注意すべきポイント

保定装置 保定 歯列矯正終わった後

1. リテーナーの使用時間を守る

基本的に1日20時間以上の使用が必要とされており、食事や歯磨き以外は付けておくことが必須です。効果を十分に得るためには、指示された時間を守ることが重要です。付け忘れないように、日常生活の中で習慣化することを心がけましょう。

2. リテーナーのお手入れ

薄いプラスチック素材でできているため、扱い方に注意が必要です。研磨剤入りの歯磨き粉を使用すると表面に傷がつく恐れがあるため、避けましょう。また、硬い歯ブラシで強くこすり洗いをするのもNGです。さらに、熱いお湯に触れると変形する可能性があるため、水洗いが基本となります。お手入れには、柔らかい歯ブラシを使って優しく洗浄するのがおすすめです。さらに、歯科医院で取り扱う専用のリテーナー洗浄剤を使用すれば、除菌効果が高く清潔に保てます。

3. 食事や飲み物の注意

飲食をする際には、破損や汚れの原因となるため、食事ではリテーナーを外しておきしょう。特に、色のついたお茶やジュースなどの飲み物は着色を引き起こしやすく、甘い飲み物は虫歯や歯周病のリスクが増加します。ミネラルウォーターなどの飲料水は、装置を装着したままでも飲むことができます。

保定期間に発生しやすいトラブル
マウスピース 洗浄 お手入れ

保定期間は、矯正後の歯並びを安定させる大切な時期ですが、いくつかのトラブルが起こる可能性があります。以下に、発生しやすいトラブルとその対策を紹介します。

1. 装置の破損や紛失

装置が破損すると、形状が変わって合わなくなってしまい、効果が薄れてしまいます。また、紛失すると、装着が疎かになり歯が動き始めてしまう可能性があります。装置を取り扱う際は丁寧に扱い、外す際にはケースに保管するようにしましょう。リテーナーの破損や紛失があった場合は速やかに歯科医院へ相談しましょう。

2. 歯や歯茎の痛み

装置の装着中に違和感や痛みを感じることがあります。これが続く場合は、装置が合っていない可能性があるため、歯科医に調整してもらう必要があります。

3. 口腔内の清掃不足

口腔内に汚れが残っているままだと、リテーナーが密着することで細菌が増殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。毎日のお口の中のセルフケアも丁寧に行いましょう。

まとめ

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保定は、矯正後の歯並びを支えるために必要なプロセスです。このプロセスがしっかりと行われていない場合、長い時間をかけて矯正で動かした歯が再び崩れてしまう恐れがあります。歯科医師の指示を守り、しっかりとリテーナーの装着を習慣化するように心がけましょう。定期的にメンテナンスで経過を確認することも重要です。また、治療中にリテーナーのトラブルが生じた際には、速やかに担当医へ連絡するようにしましょう。梅田キュア矯正歯科では、治療後も患者様のお口の健康を守るため、丁寧に管理を行い、患者様の大切なお口の中をしっかり管理いたします。歯並びでお悩みの方は、当院へお気軽にご相談ください。ご一読いただきありがとうございました。

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