歯列矯正を検討する際、「ブラケット」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。近年では、目立ちにくいマウスピース型矯正(インビザライン)を選ぶ方も増えていますが、矯正といえば、歯の表面に金属の装置を装着するスタイルを思い浮かべる方が少なくありません。ブラケット矯正は、長年にわたり多くの症例で使用されてきた信頼性の高い治療法です。ただ、「目立ちそう」「どのタイプを選べばいいかわからない」と迷われる方も多いでしょう。矯正方法は、お口の状態やライフスタイル、ご希望によって適したものが異なります。この記事では、ブラケット矯正の特徴や、装置ごとのメリット・デメリットをわかりやすくご紹介します。
目次
歯列矯正で使用される「ブラケット」とは?
ブラケット矯正(ワイヤー矯正)は、歯の表面に装置を取り付けて行う矯正治療で、歯の表面に小さなブラケットを装着し、そこにワイヤーを通して力を加えることで、少しずつ歯を理想の位置へ動かしていく方法です。非常に細かな調整が可能で、軽度から重度まで幅広く対応できるのが大きな特徴です。固定式の装置なので、自己管理が苦手な方でも継続しやすく、矯正専門医が定期的に調整を行うことで、より精密な歯の移動が可能になります。また、マウスピース型矯正に比べて適応範囲が広く、難しい歯並びにも対応できる点もメリットです。長年にわたり実績のある治療法として、多くの患者様に選ばれています。
ブラケット矯正にはどんなメリットがある?
①幅広い症例に対応できる
ブラケット矯正の大きな強みは、軽度の歯列不正から重度の不正咬合まで、幅広い症例に対応できる点です。歯並びが凸凹していたり、すき間が広かったり、歯の大きさにばらつきがあるような複雑なケースでも、ブラケット装置を使用すれば精密な調整が可能です。また、治療の過程で歯の動きを細かくコントロールできるため、仕上がりの美しさにもこだわることができます。細部まで理想的な歯並びを目指したい方に適した矯正方法です。
②固定式で取り外しの手間が不要
ブラケット装置は毎日の着け外しが不要で、装着忘れや紛失の心配がありません。特に自己管理が難しいお子さまや、忙しくて管理が大変な方には、計画通りに治療が進められる安心感があります。装置の装着や調整はすべて歯科医院で行うため、ご自身で管理する負担が少ないのもメリットです。マウスピース型矯正のように日常的な取り外しが不要なので、「外すのが面倒」「つい忘れてしまう」という方にはブラケット矯正がおすすめです。
③装置の種類を選べる
ブラケット装置にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴や費用の違いがあります。見た目やご予算、ご希望の治療内容に応じて、最適な装置を一緒に選んでいきます。
④調整の精度が高い
歯科医師の手でワイヤーの張力やブラケットの角度を細かく調整できるため、歯を理想的な位置に正確に導くことができます。動かしたい方向や距離に応じて細かなコントロールが効くため、治療結果の精度が高くなります。
⑤治療期間の予測がしやすい
ブラケット矯正は長年多くの症例で使われてきた実績があり、その分治療の流れや経過が明確に把握されています。そのため、患者様にとってもゴールまでの期間をイメージしやすく、スケジュールを立てやすいというメリットがあります。
ブラケット矯正のデメリットを知ろう
①目立つことがある
特に金属製の装置は、見た目を重視する方にとって抵抗があるかもしれません。職業や人と接する機会が多い方にとっては、審美性が大きな課題となる場合があります。目立つというお悩みには、リンガルブラケットやセラミックブラケットが適しています。
②装着後に違和感を感じる
ブラケットは、装着直後は口の中に異物感を覚える方もいらっしゃいます。装置には厚みがあるため、装着直後はどうしても会話や食事の際に違和感や不便さを感じることがあります。それでも、多くの方は数日から1週間ほどで自然と慣れていきます。万が一、装置が粘膜に当たって痛みが続く場合には、原因や違和感の症状に応じて対応できるため、無理せずに担当医に相談することがおすすめです。
③見た目に配慮した装置はコストがかかる
審美性の高い装置には、歯の色になじむセラミックブラケットや、歯の裏側につけるリンガルブラケットがあります。どちらも見た目を気にせず治療ができますが、一般的な金属製のブラケットより費用が高くなる傾向があります。
④歯磨きがしにくい
装置の構造上、食べかすや汚れが残りやすく、磨き残しのリスクが高くなります。虫歯や歯周病を予防するためには、丁寧なセルフケアが求められます。
⑤定期的な通院が必要
数週間ごとにワイヤーの細かな調整が必要なため、定期的に歯科医院へ通う必要があります。
ブラケット装置の種類について
メタルブラケット
【特徴】
最も歴史のある矯正装置で、金属製のブラケットを使用します。耐久性が高く、歯の移動もスムーズに行うことができます。ステンレススチールやチタンなどの金属製の装置は、強度に優れた耐久性の高い素材で作られており、治療効果にも優れています。幅広い症例に対応できるうえ、比較的費用を抑えられることから、矯正治療で広く活用されています。
【メリット】
・耐久性が高い
・費用が抑えられる
・ほとんどの症例に対応できる
【デメリット】
・見た目が目立つ
・金属アレルギーの方は使用できない
・違和感を感じることがある
セラミックブラケット
【特徴】
透明感のある歯の色に近い自然な見た目がセラミックブラケットの大きな特徴です。装着していても目立ちにくいのが特徴です。セラミックは、着色や歯垢がつきにくく、お手入れもしやすいというメリットがあります。また金属を含まないため、金属アレルギーのある方でも安心してご使用いただけます。強度も金属製のものと大きな差はなく、多くの症例に対応可能です。見た目を重視したい方に特におすすめの素材です。
【メリット】
・見た目が自然で目立ちにくい
・金属アレルギーのリスクがない
・飲食物による変色が起こりにくい
・歯垢や汚れがつきにくい
【デメリット】
・通常のブラケットよりも費用が高い
・強い衝撃で破損することがある
リンガルブラケット
★当院でも使用★
【特徴】
歯の裏側(リンガル)に矯正装置を装着する「裏側矯正(舌側矯正)」の一種です。装置が表から見えないため、見た目を気にせず矯正治療を進めたい方に適しています。特に、接客業や人前で話す機会が多い方に人気があり、唇の内側を傷つけにくい構造のため、スポーツをする方にもおすすめです。また、歯の内側から力をかけることで前歯を効率よく引き込むことができ、不正咬合の種類によっては高い効果が期待できます。ただし、リンガルブラケットの装着には高度な技術が必要とされています。
【メリット】
・自然な見た目を維持できる
・食べ物が詰まっても見えにくい
・表面のエナメル質が傷つきにくい
・唾液の循環が良いため虫歯や歯周病のリスクが抑えられる
【デメリット】
・一時的にしゃべりにくさを感じることがある
・歯磨きが難しい
・従来のブラケットよりも高額になる
セルフライゲーションブラケット
★当院でも使用★
【特徴】
従来のブラケットのようにワイヤーをゴムや針金で固定するのではなく、ブラケット本体にワイヤーを留める開閉式の機構が備わった装置です。この構造により、ワイヤーとブラケットの間にかかる摩擦が軽減され、歯がよりスムーズに動きやすくなります。そのため、治療期間の短縮や通院頻度の減少が期待できるほか、痛みの軽減にもつながると言われています。
【メリット】
・治療期間が短くなることが期待できる
・摩擦が少なくワイヤー調整時の痛みが比較的少ない
・ゴムを使用しないため清掃がしやすく衛生的
・通院頻度を減らせる場合がある
【デメリット】
・装置自体がやや大きく違和感を覚えることがある
・専用の装置を作製するため費用が高額になる
「梅田キュア矯正歯科」にブラケット装置選びをご相談ください
矯正治療は長期間にわたるため、患者様一人ひとりのライフスタイルやご希望に合った装置を選ぶことが重要です。装置を選ぶ際は、「見た目の希望」「費用の予算」「通院頻度」など、自分のライフスタイルや価値観を踏まえることが重要です。また、歯並びや骨格、噛み合わせの状態によっては、選びたくても使用できない種類がある場合もあります。目立ちにくい装置をご希望の方には、「セラミックブラケット」や「リンガルブラケット(裏側矯正)」などの審美性に配慮した装置がおすすめです。一方、費用を抑えたい方や、歯並びの状態によっては「メタルブラケット」が適している場合もあります。当院では丁寧なカウンセリングを行い、患者さまに最適な装置をご提案いたします。取り外し可能なマウスピース型矯正(インビザライン)にも対応しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
ブラケット矯正は、軽度から重度までの歯並びの乱れに対応できる信頼性の高い治療法です。装置の種類によって見た目や装着感、費用などが異なるため、ご希望やお口の状態に合わせて選ぶことが大切です。梅田キュア矯正歯科では、患者さま一人ひとりのお悩みに丁寧に向き合い、ライフスタイルに合った矯正プランをご提案いたします。カウンセリングはWEBまたはお電話でご予約いただけます。梅田キュア矯正歯科は阪急大阪梅田駅・茶屋町出口から徒歩3分とアクセスも良好です。平日は20時30分まで、土曜も18時まで診療しておりますので、お仕事帰りや週末の通院も可能です。「矯正が気になる」「自分に合った治療法を知りたい」とお考えの方は、お気軽にご相談ください。
※診療時間は2024年2月時点の情報です。
※マウスピース型矯正(インビザライン)は、完成薬機法の対象外であるため、副作用などに対する医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※矯正治療は保険適用外の自由診療にあたるため、公的医療保険の給付対象外となります。