「裏側矯正をしたいけど、しゃべりづらくなるって本当?」と気になっていませんか?結論からお伝えすると、歯の裏面に装置がつく裏側矯正(舌側矯正)は、舌に装置があたるため一時的にしゃべりづらくなることがあります。お仕事への影響も考えられるため、その点は注意して選択しなくてはいけません。こちらのページでは、裏側矯正(舌側矯正)の発音や滑舌との関係や、舌を正しい位置に置くべき理由、裏側矯正(舌側矯正)が向いている人の特徴などについて分かりやすくまとめました。治療法で迷われている方はぜひご参考ください。
目次
裏側矯正は一時的に発音や滑舌が悪くなる可能性がある
ワイヤー矯正の一種である裏側矯正(舌側矯正)は、ブラケットとよばれる装置が歯の裏面につきますが、下顎だと舌が装置にあたるため一時的に発音や滑舌が悪くなる可能性があります。舌に傷ができることも珍しくなく、外傷性の口内炎になる場合もあるため注意が必要です。専用のワックスで装置を覆うことで、粘膜への刺激が減り傷の予防にも役立つので覚えておきましょう。
発音や滑舌が悪くなる期間について
装置の感覚に慣れると、発音や滑舌も元どおりになるケースがほとんどです。舌の大きさや歯列の幅などによって差はありますが、装置の感覚に慣れるまでは一般的に1~2週間程度かかります。
舌を正しい位置に置いて発音や滑舌を良くしよう
舌が正しい位置にあると装置があたりにくくなり、発音や滑舌への影響も少なくなります。上顎前歯の根元あたりに舌の先端が軽くつく状態が舌の正しい位置です。舌が下顎全体に沈んでいるような状態や前歯を押しているような状態は、正しい位置とはいえないため一度確認してみましょう。
舌が正しい位置にないことによるそのほかのリスク
舌が正しい位置にないことによるリスクは、発音や滑舌が悪くなるだけではありません。そのほかのリスクも正しく理解して、早めの改善を心がけてください。
歯並びや噛み合わせが悪くなる
舌が下顎全体に沈んでいるような状態や前歯を押しているような状態は、歯並びや噛み合わせが崩れるリスクが高めです。とくに前歯を押している状態が続くと、出っ歯や受け口になりやすいため注意しなくてはいけません。矯正治療後の後戻りもおこりやすくなります。
口のなかが乾燥しやすくなる
舌を前に押し出す癖があると、すき間から外気がお口のなかに入りやすくなり、その結果乾燥しやすくなります。唾液には細菌の働きを抑制する効果や初期虫歯を修復する役目がありますが、乾燥して量が減るとその分虫歯のリスクが高くなるので注意が必要です。また、歯の表面に歯垢や歯石、着色といった汚れもつきやすくなります。出っ歯や受け口といった前歯が前にでている状態になると、唇が閉じにくくなり余計にお口のなかが乾燥しやすくなるため、早めの改善がおすすめです。
舌を巻き込んで噛みやすくなる
舌を正しい位置に置かないと、食事や喋るときに巻き込んで噛んでしまう可能性があります。同じ部位に頻繁に刺激が加わると、癌化する可能性もあるため気をつけなくてはいけません。矯正治療をして舌を巻き込んで噛む回数が減ったケースは少なくありませんが、もともと舌の位置に問題がある場合はその改善も必要になります。
裏側矯正が向いている人の特徴について
以下の内容に当てはまる方は、裏側矯正(舌側矯正)が比較的向いている方だといえます。治療法で迷われている方はぜひチェックしてみてください。
装置が目立ちにくい治療法で歯並びを治したい方
歯の裏面の装置がつく裏側矯正(舌側矯正)は、正面から装置が見えにくいためお顔の印象が変わりにくい傾向にあります。お口を大きく開けると下顎の装置が見えることがあるため、その点は注意しましょう。
抜歯が必要な症例や難しい症例の方
「特定の歯のみを動かす」「高さを維持したまま真横に動かす」「歯を引き上げる」といった動かし方は、マウスピース型矯正(インビザライン)では難しくワイヤー矯正の強みです。表側矯正だけでなく裏側矯正(舌側矯正)でもできるため、抜歯が必要な症例や難しい症例の方に向いている治療法と言えるでしょう。
会話中心の仕事をしていない方
一時的であっても滑舌や発音が悪くなるリスクが高い裏側矯正(舌側矯正)は、会話中心の仕事をしている方には不向きといえます。仕事との相性を考えて治療を選択するほうがモチベーションも維持しやすいでしょう。
舌小帯が短くない方
舌小帯が短いと舌の動きが悪くなる傾向にあります。歯列の幅によっても影響のしやすさに差はありますが、装置がつくことで余計に舌の動きが悪くなる可能性が高いので注意しましょう。
かかる費用にあまり制限がない方
矯正治療は基本的に自費診療であり、歯科医院によって設定金額が異なります。一般的に裏側矯正(舌側矯正)は表側矯正やマウスピース型矯正(インビザライン)にくらべて高く設定されているケースが多く、その理由として高い知識や技術が必要な点が挙げられます。
治療期間内に引っ越しの予定がない方
高い知識や技術が必要となる裏側矯正(舌側矯正)は、取り扱っている歯科医院が限られています。治療を始めたあとに引っ越しをする場合は、転院先を見つけるのが困難になる可能性があるため注意が必要です。
裏側矯正以外の治療法も把握しておこう
お口の状態や費用などの関係で裏側矯正(舌側矯正)が選択できない場合は、ほかの治療法を選択することになります。ほかの治療法の特徴やメリット・デメリットを事前に把握しておくことでスムーズな治療につながりやすくなるでしょう。
表側矯正
歯の表面にブラケットと呼ばれる装置を貼り付けて、そこにワイヤーをとおして歯を動かす方法です。一般的に「ワイヤー矯正」は表側矯正のことを指し、取り扱っている歯科医院が
多いため引っ越しの予定がある方でも安心して始められます。装置が人目につきやすいという欠点がありますが、最近は透明や白のものも増えてきました。昔よりも選択しやすくなったといえます。
ハーフリンガル矯正
ワイヤー矯正の一種で、上顎を裏側矯正(舌側矯正)で、下顎を表側矯正で行う方法です。両方のデメリットを改良したもので、上下顎を裏側矯正(舌側矯正)で行うよりも費用を安く抑えられるというメリットもあります。基本的に裏側矯正(舌側矯正)を行っていない歯科医院では受けられませんので、気になる方は事前にご確認ください。
マウスピース型矯正(インビザライン)
マウスピース型の装置を定期的に交換して歯を動かす方法です。取り外しが可能なので食事やお手入れを今までどおり行えるほか、装置が透明で目立ちにくいという特徴があります。装置の着脱や交換は患者様に行っていただくため、自己管理が苦手な方にはワイヤー矯正をおすすめしています。
適切な治療法を見つけたい方は精密検査を受けよう
矯正治療は、治療法に限らず事前の精密検査が必須です。お口のなかの情報を集めて、細かく分析して適切な治療法や治療期間、費用が決定するため、精密検査なしで治療を始めることはできません。カウンセリングを受けて「お口の状態や治療についてもっと細かく知りたい」と思った方は、ぜひ精密検査をご検討ください。精密検査では、お口のなかやお顔の写真撮影、型取り、各種レントゲン検査などを行います。
裏側矯正が気になったら当院までご相談を
裏側矯正は、お顔の見た目をできるだけ変えたくないという方に人気の治療法です。しかし、発音や滑舌が一時的に悪くなることがあるため、接客業や話すことがメインの仕事をしている場合は支障をきたす可能性があります。また、すべての歯科医院で取り扱いがあるわけではありませんので、引っ越しのご予定がある方は別の治療法もご検討ください。当グループ内であれば引っ越しの予定があっても引き続き裏側矯正を受けられます。